ゆるい蛇口を放置して起こるリスクは?緩みからの水漏れを修理するには?
ゆるい蛇口は水漏れの原因になります。
水漏れをすると水道代がかさむ他シンクや洗面台、床にまで被害が及んで高額な修繕費がかかることもあります。
また蛇口の緩みを放置しておくとどんどん状況が悪化して大掛かりな修理が必要になることもあるため、蛇口の緩みに気づいたらすぐに対処することが大切です。
蛇口がゆるいのはナットの緩みが原因になっていることが多く、修理の難易度は高くないため自分でも修理できます。
とは言え水栓の種類によっては蛇口の緩みの原因が異なることもあります。
そのためまずは水栓の種類を確認し、蛇口の緩みの原因をはっきりさせましょう。
蛇口のどの部分に緩みがあるのかも明確にしなければなりません。
例えば蛇口のハンドル部分の緩みと蛇口スパウトの緩みでは修理内容が異なることもあるため、蛇口のあらゆる部分を触ってどの部分がゆるいのかを特定しましょう。
今回は蛇口が緩みやすい単水栓とツーバルブ混合栓、シングルレバー混合栓の修理方法を紹介していきます。
目次
ゆるい蛇口を放置するのは危険
蛇口がゆるいと感じていてもはじめの頃は緩み以外の症状を感じないことが多いため、蛇口の緩みを放置するケースも少なくありません。
しかし蛇口の緩みをそのまま放置していると、次第に緩みのある部分から水漏れが起こることもあります。
1日中ポツンポツンと水が落ちるとバケツ約3杯分の水が無駄になるため、少量の水漏れだからと言って無視することはできません。
また蛇口の緩みがある部分から水が入り込み、シンクや洗面台の内部を劣化させる可能性もあります。
そのため蛇口の緩みを感じたらすぐに修理することが重要です。
下の部屋に被害が及ぶリスクもある
水漏れがひどいと自分の家のシンクや床が被害に合うだけでなく、下の部屋にまで影響を与えてしまうこともあります。
加入している火災保険の内容によっては、保険会社が修繕費用を払ってくれることもあります。
しかし火災保険に加入していない場合や特約の内容によっては、下の階の修繕費用を自分で払わなければなりません。
床や壁の他、家具や家電にまで被害が及んだ場合は数百万円の修繕費が必要です。
そのため特に集合住宅に住んでいる場合は水漏れが起こる前に早めに対処しましょう。
単水栓の緩みはナットの緩みが原因
水栓には単水栓と混合栓の2種類あります。
単水栓と混合栓の違いは以下の通りです。
水栓の種類 | 特徴 |
---|---|
単水栓 | 1台の水栓から水かお湯のどちらかが出る |
混合水栓 | 1台の水栓から水とお湯の両方が出る |
まず単水栓の蛇口の緩みの原因を以下で紹介します。
緩みやすい部分 | 緩みの主な原因 |
---|---|
ハンドル | キャップナットの緩み、三角パッキンの劣化 |
蛇口スパウトと蛇口の上部をつなぐ部分 | 袋ナットの緩み、Uパッキンの劣化 |
いずれの修理をする場合も難しい作業はなく、工具を準備すればすぐに修理することが可能です。
ツーバルブ混合水栓の緩みの原因は?
混合水栓の種類は3種類あり、その中で最も古くからあるのがツーバルブ混合栓です。
ツーバルブ混合栓の特徴を以下で簡単に説明します。
- ツーバルブ混合水栓…左右2カ所のハンドルを使ってお湯と水を出す
キッチンや洗面所に取り付けられていることが多いのがツーバルブ混合水栓です。
ツーバルブ混合水栓の蛇口の緩みも単水栓と同様にナットの緩みが原因になっていることがほとんどです。
以下で蛇口が緩む原因を見ていきましょう。
緩みやすい部分
ハンドル 蛇口スパウトと蛇口上部をつなぐ部分
緩みの主な原因
キャップナットの緩み、三角パッキンの劣化 袋ナットの緩み、Uパッキンの劣化
ツーバルブ混合水栓はハンドルが2カ所あるため、もし1カ所のハンドルがゆるいと感じた場合はついでにもう1カ所のハンドルも修理すると良いでしょう。
シングルレバー混合水栓は大掛かりな修理が必要になることもある
シングルレバー混合水栓も一般家庭でよく使用されている混合栓です。
シングルレバー混合水栓の特徴を以下にまとめました。
- シングルレバー混合水栓…1つのレバーを動かして温度調整と水の量の調整をする
シングルレバー混合水栓がゆるくなる主な原因は以下の通りです。
緩みやすい部分 | 緩みの主な原因 |
---|---|
レバー | 固定ネジの緩み |
蛇口本体 | 根本ビスの緩み、シンク下のナットの緩み、台座の腐食 |
ネジやナットの緩みが原因でレバーや蛇口本体がゆるいのならば、誰でも簡単に修理できるでしょう。
しかしシンク下の台座が腐食している場合、自分で修理をするのは困難です。
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壁付け水栓がゆるいと感じる原因
水栓には台付けと壁付けの2つの設置方法があります。
それぞれの特徴を以下で簡単に説明します。
設置方法 | 特徴 |
---|---|
台付け | 洗面台やカウンターなどの台に取り付けられている |
壁付け | 蛇口が壁とくっついており、蛇口と壁の中の水道管がつながっている |
壁付けタイプの水栓は蛇口本体の後ろ側にあるクランクナットの緩みが原因で蛇口本体が緩んでいる可能性もあります。
蛇口全体がぐらついているようなら、クランクナットの緩みを疑いましょう。
蛇口の修理をする際に必要な工具
ゆるい蛇口を修理する際は最低でも以下の工具が必要です。
- モンキーレンチ
- シンク下のナットを締める専用のレンチ
- マイナスドライバー
- プラスドライバー
さらに以下のような工具があると作業をするのが楽になります。
- ピンセット
- ウォーターポンププライヤー
シンク下のナットがゆるい場合、通常のモンキーレンチではナットを締めるのが困難です。
そのため専用のレンチを蛇口のメーカーから取り寄せる必要があります。
ピンセットはパッキンなどの薄くて小さい部品を取り出すときに役立ちます。
またウォーターポンププライヤーは固くなってしまったナットを回すときにあると便利です。
修理の前に止水栓か元栓を締める
修理をする前にまずは止水栓か元栓を締めましょう。
これは蛇口の修理をしているときに水が溢れるのを防ぐための重要な作業です。
ナットを締め直すだけであれば水が溢れる心配は少ないですが、念のために止水栓や元栓を締めておくと安心です。
止水栓や元栓を締める際は、ハンドルを時計回りに回すと覚えておきましょう。
混合栓の場合はシンク下や洗面台の下の水とお湯のパイプに止水栓がついていることが多いため、止水栓を締める場合は両方の止水栓を締めることが大切です。
ハンドル型の止水栓が多いですが、マイナス型の止水栓もあります。
その場合はマイナスドライバーを使って締めましょう。
元栓がある場所は玄関脇のメーターボックスの中や庭などです。
建物の外に元栓がある場合は量水器と書かれている蓋を探しましょう。
単水栓とツーバルブ混合栓の修理方法
単水栓とツーバルブ混合栓の蛇口の緩みの原因はほぼ一緒です。
以下で蛇口の緩みの原因をおさらいしましょう。
- キャップナットの緩み
- 三角パッキンの劣化
- 袋ナットの緩み
- Uパッキンの劣化
ナットを締め直すだけであれば誰でも簡単に締め直せます。
しかしある程度きつく締めないとまたすぐにナットが緩んでしまうため、しっかり締めるようにしましょう。
パッキンを交換する際は、今使っているものと同じ部品を購入すれば失敗するリスクを減らせます。
ナットの緩みを改善する方法
ナットがゆるい場合はモンキーレンチを使ってナットを締め直しましょう。
モンキーレンチを時計回りに動かせばナットが締まります。
モンキーレンチを使う際は以下の点に注意しながら使うようにしましょう。
- モンキーレンチの口をナットのサイズに合わせる
モンキーレンチの上部にある調整ネジを動かせば、レンチの口をナットのサイズに合わせることができます。
モンキーレンチとナットの間に少しでも隙間があるとナットを締め直せないだけでなくナットが破損することもあるため、ナットにモンキーレンチの口をピッタリと合わせることが重要です。
キャップナットの締め直し方
単水栓やツーバルブ混合栓のハンドルがゆるい場合は、キャップナットがゆるくなっていることが考えられます。
キャップナットは外に露出していないため、ナットを締め直すためには1度ハンドルを取り外さなければなりません。
以下の手順でハンドルを取り外し、キャップナットを締め直しましょう。
①ドライバーを使ってハンドルの上にあるハンドルビスを外します。
②ハンドルを取り外します。
③モンキーレンチを使ってキャップナットを締め直しましょう。
④ハンドルとハンドルビスを取り付けます。
ツーバルブ混合栓のハンドルの表面にはキャップがついています。
そのため手でキャップを外してからハンドルビスを取り外しましょう。
三角パッキンの交換方法
キャップナットを締め直してもハンドルがぐらつく場合は、三角パッキンの劣化が疑われます。
以下の手順で三角パッキンを交換しましょう。
①ハンドルビスを外します。
②ハンドルを取り外します。
③キャップナットを左側に回してキャップナットを取り外します。
④古くなった三角パッキンをピンセットで取り出しましょう。
⑤新しい三角パッキンを入れます。
⑥キャップナットを締めハンドルとハンドルビスを取り付けます。
三角パッキンを交換する際は必ず型番が同じパッキンを購入しましょう。
Uパッキンを交換する方法
蛇口スパウトと蛇口の上部をつなぐ部分がゆるい場合は、まず袋ナットの緩みを疑いましょう。
先に紹介したナットの締め直し方を参考にすればナットをしっかり締め直せます。
それでも緩みが改善されないようなら、Uパッキンが劣化している可能性があります。
以下の手順でUパッキンを交換しましょう。
①モンキーレンチを使い、袋ナットを左側に回して袋ナットと蛇口スパウトを取り外します。
②ピンセットを使って古いUパッキンを取り出します。
③新しいUパッキンを入れましょう。
④蛇口スパウトと袋ナットを取り付けます。
新しいUパッキンを入れる際は、古いパッキンと同じ向きで入れることが大切です。
ツーバルブ混合栓からの水漏れを自分で修理するための準備や手順まとめ
シングルレバー混合栓の修理方法
シングルレバー混合栓の修理もそれほど難しくありません。
レバーの緩みならば誰でも簡単に修理できるでしょう。
蛇口本体の緩みが気になる場合も、ビスを締め直すことで改善されることが多いです。
そのためまずはネジやビスの緩みを確認することが大切です。
シングルレバー混合栓の緩みの原因を以下でおさらいしましょう。
- 固定ネジの緩み
- 根本ビスの緩み
- シンク下のナットの緩み
- 台座の腐食
上記のうち自分で修理しても失敗が少ないのはネジやビス、ナットの緩みの修理です。
固定ネジと根本ビスの締め直し方
蛇口のレバーがゆるいと感じる場合は、ドライバーを使って固定ネジを締め直してみましょう。
固定ネジは大体レバーの下やレバーの頭の部分にあります。
蛇口本体がぐらついている場合は、以下の手順でビスを締め直しましょう。
①蛇口の根本にある小さいキャップを外します。
②ドライバーや六角レンチを使ってビスを締め直します。
③蛇口を触ってぐらつきが改善されているか確認しましょう。
④ぐらつきが改善されたらビスの部分にキャップをかぶせます。
蛇口の根本にあるビスを締め直しても緩みが改善されない場合は、シンク下のナットの緩みを疑いましょう。
シンク下のナットの締め直し方
シンク下のナットを締め直す前に、本当にシンク下のナットがゆるいのかを確認しなければなりません。
シンクや洗面台の下に荷物がある場合はすべて外に出してから確認しましょう。
シンク下のナットを触ってみてナットの緩みが確認できた場合は、次の手順でナットを締め直す必要があります。
①専用のレンチをナットにかけて時計回りに回します。
②レンチの持ち手についている穴にドライバーを入れて時計回りに回しましょう。
自分の手だけで回すのではなく、最後にレンチの穴にドライバーを入れてナットをしっかり締めるのがポイントです。
まとめ
ゆるい蛇口を放置していても、水漏れなどのトラブルが見られないのならばそのまま使い続けることも可能です。
しかし蛇口の使用頻度は高いです。
特にキッチンや洗面所の蛇口は1日に何度も使うでしょう。
そのため劣化するのも早く、今は大丈夫でもすぐに状況が悪化する可能性があります。
一般的に蛇口の緩みは簡単に改善できることが多いため、蛇口がゆるいと感じたらすぐに修理するようにしましょう。
蛇口の緩みの原因として最も多いのがナットの緩みです。
ナットの緩みは修理業者に依頼しなくても自分で修理できますが、ナットをしっかり締め直す必要があります。
簡単なようですが工具を使い慣れていない場合は作業がなかなかはかどらないこともあるため、工具の使い方を習得してから修理をはじめることが大切です。
単水栓もツーバルブ混合栓もシングルレバー混合栓も基本的に自分で修理をすることが可能ですが、シングルレバー混合栓の中には蛇口を1度取り外さなければならないものもあります。
このようにもし作業中に複雑な作業が必要になった場合は、すぐに蛇口の修理業者に連絡しましょう。