サーモスタットの水栓で起こりやすい水漏れ箇所は?交換の費用の目安
サーモスタット水栓で水漏れを起こしやすい箇所とはいったいどこなのでしょうか?
ここでは水漏れを起こしやすい箇所の紹介をはじめ、パーツなどを交換する際の費用について、目安も紹介していきます。
現在、浴室を中心にサーモスタット水栓を使用している家庭は非常に多く、いつ自分の家でも水漏れが起こるかわかりません。
いざ水漏れが起きた時、どこから水漏れしているのか箇所を特定するほか、自分で交換したり、業者に交換してもらうなど、適切な対応をしなければなりません。
スムーズにトラブルを解決するためにも、サーモスタット水栓の水漏れについて詳しく知っておきましょう。
目次
サーモスタット水栓とは?
まずはじめにサーモスタット水栓とはどういったものかを確認しておきましょう。
サーモスタット水栓は、簡単に言うと温度調節が可能な水栓器具のことです。
一般的な水栓、蛇口では基本的に温度調節をすることができないのですが、それを可能にしたのがサーモスタット水栓というわけです。
どのような仕組みかと言うと、水栓内部にカートリッジが取り付けられていて、このカートリッジが水とお湯の量と温度を調整します。
サーモスタット水栓のハンドルを回すことで温度が調整できますが、カートリッジがあるからこそ設定した温度に自動で調整してくれるのです。
一般家庭では主に浴室で使われていて、浴槽にお湯を張る時やシャワーを浴びる時などに活躍してくれます。
サーモスタット水栓ではない、混合水栓と呼ばれるタイプの場合、水とお湯の両方を出せるという点ではサーモスタット水栓と共通ですが、細かい温度調節ができません。
自分でハンドルを調節して水とお湯の量を変え温度調節しなければなりません。
こうした手間がかからず、短時間で簡単に適切な温度のお湯を出せるのがサーモスタット水栓の特徴です。
サーモスタット水栓のタイプについて
サーモスタット水栓は大きく2つのタイプに分けることができます。
- 壁付サーモスタット水栓
- 台付サーモスタット水栓
以上の2タイプです。
どちらもサーモスタット水栓ですので、基本的な性能や仕組みに関しては同じです。
違いとしては名称の通りで、壁付サーモスタット水栓は、浴室の壁などに水栓本体が取り付けられています。
一方で台付サーモスタット水栓の場合、壁ではなく台の上に水栓本体が取り付けられています。
設置の方法が違うわけです。
基本的にはどちらも同じものですが、水漏れする可能性のある箇所の数が違ってきます。
サーモスタット水栓で起こりやすい水漏れ箇所
ここからはサーモスタット水栓で起こりやすい水漏れの箇所について紹介していきます。
水漏れは一箇所から起こるものではなく、原因によって複数の箇所から水漏れを起こします。
つまりどこから水漏れしているかで原因とその後の対策なども変わってくるのです。
迅速に原因を突き止め、適切に対応するためにもどこから水漏れするものなのかを知ることが大切です。
まずは壁付サーモスタット水栓と台付サーモスタット水栓について、それぞれ水漏れが起こりやすい箇所を表にまとめておきます。
壁付サーモスタット水栓 | 台付サーモスタット水栓 |
---|---|
蛇口 | 蛇口 |
クランク | シャワー |
シャワー | パイプ部分 |
パイプ部分 | ーーー |
壁と水栓本体の境目 | ーーー |
以上がそれぞれの水漏れが起こりやすい箇所です。
壁付サーモスタット水栓の方が、構造上水漏れを起こす箇所が多いのがわかります。
箇所ごとに原因は違うものの、いずれにしてもパーツの故障や劣化などで水漏れが発生します。
水漏れが起きた時はどこから水が漏れているのかをよく確認し、なぜ水漏れしているのかを判断することが大切です。
次の項目では各箇所について、より詳しく水漏れの原因などを見ていきましょう。
蛇口からの水漏れ
サーモスタット水栓は浴室で使われることが多く、そのためカランとシャワーに分かれていることがほとんどです。
蛇口というのはカランの蛇口のことで、先端部分から水がポタポタと漏れてしまうケースが多く見られます。
蛇口からの水漏れの場合、原因は水栓内部のカートリッジだと考えられます。
温度調節をするために必要なカートリッジですが、故障したり劣化することで水漏れを起こします。
カートリッジが水漏れの原因になることは非常に多く、サーモスタット水栓で水漏れが起きたら、まずカートリッジを疑ってみるのもよいでしょう。
なぜそれほど原因になるのかというと、基本的にカートリッジは交換せず使い続けるからです。
そのためメンテナンスされることがまずなく、寿命を迎えて壊れた時に初めて交換することになります。
結果として壊れやすく、水漏れの原因にもなりやすいのです。
特に蛇口から水漏れしてしまう場合はカートリッジの故障を考えましょう。
クランクからの水漏れ
クランク部分から水漏れを起こす場合、パッキンの劣化が主な原因として考えられます。
クランクにはパッキンが使われていて、水漏れを起こさないようになっているのですが、時間の経過などでパッキンは少しずつ劣化していきます。
最終的には水を完全に止められなくなり、水漏れが起きてしまいます。
こうなるとパッキンを新しいものに交換するしかありません。
幸いパッキンの交換はそれほど難しい作業ではないので、自分で対応できるということも多いでしょう。
シャワーからの水漏れ
シャワーからの水漏れの場合、どこから水が漏れているかで原因も変わってきます。
たとえばシャワーの先端、水やお湯が出てくる部分から水漏れしている場合、蛇口と同様にカートリッジの故障・劣化が原因として考えられます。
シャワーのホース部分から水漏れしている場合だと、ホースに穴が空いているなど、ホースそのものに異常がある可能性が出てきます。
また、ホースと水栓本体を繋ぐ部分や、ホースとシャワーヘッドを繋ぐ部分から水漏れしている場合、ナットが緩んでいたり、パッキンが劣化しているといった原因が考えられます。
水漏れ箇所によってさまざまな原因が想定されますので、まずはどこから水漏れしているかをはっきりとさせましょう。
箇所がわかれば原因も絞り込めます。
パイプ部分からの水漏れ
パイプ部分から水漏れする場合の多くはパッキンの劣化が原因です。
クランク同様にパッキンを交換することで改善します。
パッキンの状態を確かめ、劣化していないかなどを見てみましょう。
もしパッキンに異常がなければ他の原因ということになりますが、こうしたケースは稀で大抵はパッキンが劣化してしまっています。
壁と水栓本体の境目からの水漏れ
壁付サーモスタット水栓は水栓本体を壁に取り付けています。
この時、水栓と壁の境目部分にはシールテープという特殊なテープを使われています。
このシールテープが劣化することで水漏れを起こすことがあります。
本来、シールテープは何重にもぐるぐると巻きつけられていて水漏れを起こすこともないのですが、何年も経過すると徐々にシールテープが劣化していき、隙間が生まれてしまいます。
やがて隙間から水が漏れるようになるわけです。
シールテープを新しいものに交換し巻き直すことで対応可能です。
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故障・劣化部分を交換する方法について
サーモスタット水栓の水漏れ箇所と原因がわかったところで、対処法についても見ていきましょう。
ここでは業者にお願いするのではなく、自分で必要なパーツなどを交換し修理する方法を解説します。
水漏れ箇所によって交換手順も変わってきますので、1つ1つ個別に見ていきます。
注意点として、これから紹介する交換方法はどれも一般的な方法です。
各メーカーによって細かい部分で交換方法・手順が違うことも十分に考えられます。
あくまでも一般的な方法として捉え、もし実際に交換してみて手順通りでは修理できないような場合は無理をせず業者に相談しましょう。
カートリッジ交換
蛇口やシャワー先端部分からの水漏れは、カートリッジの交換で修理できることが多くなります。
カートリッジの交換方法を見ていきましょう。
まずは水の元栓を閉めて水が出ないようにします。
次にサーモスタット水栓本体から温度調節のハンドル部分を取り外し、中にあるカートリッジを取り出します。
新しいカートリッジを取り付け、ハンドル部分を取り付け直しましょう。
最後に水漏れがないかどうかを確認し、問題なければ完了です。
ハンドル部分を取り外す際にはネジを回す必要があります。
ドライバーを用意しておきましょう。
パッキン交換
クランクやパイプ部分から水漏れしている場合、多くはパッキンの劣化が原因です。
パッキンの交換手順を見ていきましょう。
まずは水の元栓を閉めておきます。
次にレンチなどを使ってクランクやパイプ部分・水栓本体などをを取り外し、内部にある劣化したパッキンを取り除きます。
新しいパッキンを取り付け、水栓を取り付け直せば完了です。
やはり交換後は水漏れが完全に収まっているかを確認しましょう。
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シャワーホース交換
シャワーホースに穴があくなどして水漏れを起こしている場合、ホースそのものを交換することになります。
水の元栓を閉めて水が出てこないことを確認します。
レンチを使って古いシャワーホースを接続部分から取り外します。
次に新しいシャワーホースを取り付けるだけで完了です。
作業としては比較的簡単で、水栓本体に合ったシャワーホースを用意できれば自分で交換することも十分に可能です。
ただし各メーカーに合ったシャワーホースでないと取り付けられないことがあるので、新しいシャワーホースを購入する場合は十分に注意しましょう。
シールテープ交換
最後にシールテープ交換の手順です。
まず水の元栓を閉めましょう。
次にレンチを使ってサーモスタット水栓本体を取り外し、続けてクランク部分も取り外します。
クランク部分を取り外すと、壁との接続部分にテープが巻かれているのがわかるはずです。
これがシールテープですので、古いシールテープは完全に取り除きます。
新しいシールテープをぐるぐると巻きつけていき、十分に巻けたらクランク・サーモスタット水栓本体をそれぞれ取り付け直しましょう。
これで交換完了です。
ポイントとしては、シールテープは緩みがないようにしっかりと巻きつけることです。
巻きつける回数ですが、10回前後くらいが目安となります。
最後に水を出してみて水漏れがなければしっかり修理できたことになります。
業者に修理をお願いする場合
自分でパーツを交換し水漏れ修理する方法を見てきました。
しかし必ずしも自分で修理できるとは限りません。
パーツを交換するだけで良いと考えると、すぐに自分で修理できると感じられますが、実際にはそう上手くいかないことも多いのです。
実際に作業してみるととても難しくて自分ではできなかったり、必要なパーツを用意できないことも出てきます。
特に古いタイプのサーモスタット水栓だと、使われていたパーツが生産終了となっていて、もう入手できないなんてことも珍しくありません。
こうなるとサーモスタット水栓本体ごと新しいものに買い換える必要が出てきて、さすがに自分で交換作業をするのは大変です。
こうした理由から、水漏れが起きた時に業者にお願いする機会も多くあります。
ここからは業者にお願いした場合の費用について、詳しく見ていきましょう。
水漏れ修理を業者に依頼する場合の費用はどのくらい?
業者に修理をお願いする場合、費用がどのくらいかかるのかが気になる部分です。
水漏れ修理では費用はどのくらいになるのでしょう?
サーモスタット水栓からの水漏れでは、原因によって修理方法も違うため費用も違ってきます。
たとえばパッキンを交換するだけで修理できるなら費用も比較的安く抑えられます。
作業が簡単で手間もかからないからです。
これが複数からの水漏れでパッキン交換だけでなく他のパーツも交換したり、サーモスタット水栓本体ごと交換が必要なケースだと費用も高くなっていきます。
具体的にどのくらいの費用が目安となるのか、表にまとめておきます。
修理箇所一覧です。
パッキン交換 | カートリッジ交換 | 本体交換 |
---|---|---|
5,000円 | 10,000円~15,000円 | 25,000円~40,000円 |
あくまでも目安ですが、おおよそこのくらいの費用がかかると想定されます。
やはり本体ごと交換するようなケースでは、費用も30,000円前後と高くなっているのがわかります。
一方でパッキン交換であれば5,000円前後でやってくれる業者が多いようです。
この費用を目安として、実際に業者に相談してみて費用を確認しましょう。
目安さえ把握しておけば、業者が提示してきた金額が適切かどうかも判断しやすくなります。
業者に依頼する場合は事前に見積もりをしよう
水漏れが起きると焦ってしまいますが、まずは慌てずに見積もりから始めましょう。
業者に状況を伝えれば修理費用がいくらになるか見積もりを提示してくれます。
見積もりの金額をしっかりと確認したうえで、実際に業者にお願いするかどうかを決めましょう。
修理にかかる費用は業者ごとに違います。
同じ内容の修理であっても業者ごとに費用が違うわけです。
できれば費用は安く抑えられた方が良いので、理想としては複数の業者に見積もりを依頼し、費用を比較したいところです。
そうすればもっとも安く修理してくれる業者がわかり、無駄な費用を抑えられます。
水漏れはすぐに直したいものですし、放置するわけにはいきません。
ですが慌てずにじっくりと業者選びをすることも大切です。
自分で交換できるかも含めて、水漏れ修理では対応を冷静に判断しましょう。
水道の修理を業者に依頼する時に気を付けるべきポイントや注意点まとめ
まとめ
サーモスタット水栓を長く使っていると水漏れを起こすことがあります。
劣化したパーツを交換するなどして修理可能ですので、まずは原因を探りましょう。
原因がわかったら自分で交換作業をしたり、業者に依頼することで対処できます。
業者に依頼する場合は費用を抑えるためにも見積もりをお願いし、そのうえで依頼するかを判断しましょう。
慌てて業者を決めてしまうと高い費用を支払うことにもなりかねません。
トラブルが起きたら冷静に動くことも重要なポイントです。