トイレの配管から水が垂れるのは何故?水漏れの原因を調べる方法まとめ
長く使用しているトイレでは、トイレの配管から水漏れすることがあります。
配管の寿命は素材によって異なりますが、おおよそ15年から20年で寿命を迎えるからです。
配管と配管や配管と他のパーツをつなぐ部品はさらに劣化のスピードが早いです。
そのため使用年数が長いほど配管からの水漏れのリスクは高まります。
しかしトイレは複雑な構造になっており多くのパーツが使用されているため、すぐに配管からの水漏れだと決めつけることはできません。
配管からの水漏れだと思っていても他のパーツから水漏れしていることもあります。
また水漏れだと勘違いしていたということも少なくありません。
配管からの水漏れだった場合でも配管には給水管と排水管の2種類あるため、どちらの配管から水漏れしているのかも見極める必要があります。
配管の種類や位置を把握し、水漏れの正確な箇所をしっかり確認して水漏れの原因を明確にしましょう。
目次
本当にトイレの配管からの水漏れ?
トイレの配管から水が垂れていてもすぐに配管の不具合だと決めつけないほうが良いです。
次のようなことが原因で水が垂れることもあるからです。
- 結露
- 手を洗ったときの水や尿が飛び散っている
そのためまず結露の可能性や水や尿が飛び散っている可能性はないかを考えましょう。
原因を明確にするためには、あやしいと思う点を一つずつつぶしていくことが大切です。
冬は結露が原因で水が垂れることがある
トイレの給水管には結露ができやすいです。
給水管の内部には常に水が入っています。
さらに金属製のため水の冷たさが伝わりやすく、室温との差で結露しやすいのです。
そのため水漏れだと思っていたけれど実は結露だったということも珍しくありません。
水漏れか結露かをはっきりさせるためには、水を拭いて換気をした後に以下の方法を用いるのが効果的です。
- 止水栓を締める
もし止水栓を締めても水道メーターが動いているようであれば水漏れの可能性が高いです。
手洗いの水や尿が飛び散っている可能性も
床に水が垂れている場合は手を洗ったときの水や用を足したときの尿が飛び散っている可能性もあります。
後で詳しく解説しますが、配管は目に見える給水管だけではありません。
便器の下に埋まっていたり便器の後ろから出ていたりする排水管も含まれます。
便器の下に埋まっている排水管に不具合が起きると、便器と床の隙間から水漏れすることがあります。
そのため手を洗った後の水や尿と排水管からの水漏れを勘違いする可能性もあるのです。
複数人で暮らしている場合はその可能性がより濃厚になります。
まず床に垂れている水を拭き取り、自分以外の人に手を洗うときと用を足すときのマナーを伝えましょう。
もしその後も床に水が垂れているようであれば排水管からの水漏れが疑われます。
水が垂れている正確な場所を特定する
結露や手を洗ったときの水などでない場合は、配管から水漏れを起こしている可能性が高いです。
水漏れの原因を明確にするために水漏れの正確な箇所を特定しましょう。
水漏れの箇所を確かめる前に配管の場所を把握する必要があります。
以下に配管の種類についてまとめました。
トイレの配管の種類 | 配管がある場所 | 配管の役割 |
---|---|---|
給水管 | 壁とタンクの間、床とタンクの間 | 水道管からトイレ本体に水を供給する |
排水管 | 便器の下、便器の後ろ | トイレから流れてきた汚水を公共下水道に流す |
壁や床とタンクをつないでいる金属のパイプが給水管です。
タンクがついているトイレの給水管は見える場所にあるため、水が垂れていることに気付きやすいです。
便器の後ろにある排水管も同様です。
一方便器の下にある排水管の場合は排水管から水漏れがあることを直接確認できませんが、便器の下部からの水漏れによって排水菅からの水漏れに気付けることがあります。
給水管の接続部分からの水漏れ
給水管からの水漏れで多いのは給水管の接続部分からの水漏れです。
給水管の接続部分は大体2カ所から4カ所あります。
そのためすべての接続部分を確認しましょう。
水漏れの確認をするときの手順を以下にまとめました。
①床に雑巾を敷きます。
②接続部分の下にバケツを置きましょう。
③レバーをひねって水を流します。
④水漏れの箇所を目視で確認します。
給水管の下部の接続部分から水漏れをしていると思っても、実は上部から水が流れていることもあります。
そのため下部の接続部分を確認する際は上部の接続部分を雑巾などで巻いてから、上記の手順で水漏れの確認をすると良いでしょう。
給水管本体からの水漏れ
給水管から水が垂れる場合は給水管の接続部分から水が垂れることがほとんどです。
しかし給水管本体から水漏れすることもあります。
そのため給水管の接続部分以外の場所も確認しましょう。
水漏れの確認方法は次の通りです。
①床に雑巾を敷きます。
②水漏れが疑われる箇所の下にバケツを置きます。
③給水管の接続部分に雑巾を巻きましょう。
④レバーをひねって水を流します。
⑤水が垂れている箇所を確認します。
ただしレバーをひねると大量に水が流れる場合は、レバーをひねり過ぎないように注意しなければなりません。
止水栓からの水漏れ
止水栓から水漏れが起きることもあります。
止水栓とは水道管から供給される水を一時的に止めるための栓です。
以下に代表的な止水栓の種類をまとめました。
止水栓の種類 | 特徴 |
---|---|
マイナスタイプ | 突起部分の先端がマイナス型になっている |
ハンドルタイプ | 三角型のハンドルがついている |
一般的に上記の止水栓は給水管にくっついていることが多いです。
マイナスタイプは給水管の接続部分と混同しやすいため、接続部分と止水栓のどちらから水が垂れているのかしっかり見極めましょう。
水漏れの箇所の確認方法は、給水管の接続部分からの水漏れを確認するときと同様です。
トイレ止水栓から水漏れ?原因と修理方法や止水栓が固い場合の閉め方
トイレタンクとトイレをつなぐ排水パイプからの水漏れ
古いタイプの洋式トイレには、トイレタンクとトイレの間に排水パイプが通っているものもあります。
このタイプのトイレは三角タンクと呼ばれており、タンクが三角の形をしているためすぐにわかるでしょう。
排水パイプと言ってもトイレから出た汚水を流すためのパイプではありません。
タンクに溜まっている水を便器に供給するためのパイプです。
そのため給水管の水漏れを確認するときと同じ方法で水漏れのチェックをすれば、排水パイプのどの部分から水漏れしているのかがわかります。
特に接続部分から水が垂れることが多いため、接続部分を重点的に確認しましょう。
便器と床の隙間からの水漏れ
便器の下に排水管が通っている場合は、便器と床の隙間から水漏れすることがあります。
便器と床の隙間から水漏れするのは主に便器を新しく設置した際です。
便器と排水管の接続部分がずれたときに便器の隙間から水漏れが起こります。
しかし排水管の接続部分が劣化している場合も便器と床の隙間から水漏れすることがあります。
排水管の接続部分が劣化している場合は水に色がついていることが多いです。
そのため水漏れの水が茶色っぽい色をしている場合は排水管からの水漏れを疑いましょう。
ただし排水管からの水漏れが濃厚だったとしても、床排水の場合は自分で修理できません。
便器を取り外すなどの大掛かりな作業が必要になるからです。
そのため排水管からの水漏れが疑われる場合は業者に相談しましょう。
トイレのタンクから水漏れが原因で床を張り替える時の修理の料金は?
便器と壁の間の排水管からの水漏れ
便器と壁の間に排水管がある場合は、その排水管から水が垂れることがあります。
一般的には便器の下に排水管が通っている床排水のトイレがほとんどですが、築年数の経過した集合住宅などには壁排水のトイレが設置されていることもあります。
大体便器の後ろから壁に向かって排水管が通っているため、便器の後ろに水漏れがある場合は排水管からの水漏れを疑いましょう。
排水管から水漏れする場合は色や異臭のある水が漏れるのが一般的です。
そのため色とニオイを確かめましょう。
ただし床排水のトイレと同様に壁排水の排水管から水漏れしていた場合も修理をする際は便器を移動させなければならないため、自分で修理をするのは難しいです。
配管から水漏れが起こる原因
ではなぜ配管から水漏れが起こるのでしょうか?
配管の水漏れの主な原因を以下で見ていきましょう。
水漏れしやすい配管の場所 | 水漏れの原因 |
---|---|
給水管の接続部分 | ナットの緩み、パッキンの劣化 |
給水菅本体 | 給水管本体の劣化 |
排水管の接続部分 | ナットの緩み、パッキンの劣化 |
排水管本体 | 排水管本体の劣化 |
配管はパッキンの劣化によって水漏れをするケースがほとんどです。
しかし何十年も同じ配管を使用している場合は、配管が破損して給水管本体や排水管本体から水漏れすることもあります。
水漏れの原因で多いのはパッキンの劣化
給水管や排水管の接続部分から水漏れがある場合はナットが緩んでいるか、もしくはパッキンが劣化しているかのどちらかが疑われます。
給水管や排水管のナットが緩むケースはそれほど多くありませんが、稀にナットが緩むこともあります。
給水管は触れる場所にあるため念のためにナットが緩んでいないか確認しましょう。
ナットが緩んでいないのならばパッキンの劣化の可能性が高いです。
パッキンは10年から15年ほどで寿命を迎えるため、パッキンが割れるなどして水漏れするケースは多いのです。
給水管のパッキンは自分で交換できるため、接続部分からの水漏れを発見した場合は自分で修理してみましょう。
三角タンクの排水パイプも自分で修理することが可能です。
給水管のパッキンを交換する方法
給水管のパッキンを交換する手順を以下にまとめました。
①止水栓を締めます。
②タンク側と壁側もしくはタンク側と床側のナットを緩めます。給水管に残っている水が垂れる可能性があるためバケツを用意しましょう。
③給水管を外し、接続部分に使用されているパッキンを取り出します。
④新しいパッキンを入れましょう。
⑤給水管をはめ込みナットを締めます。
⑥止水栓を開けます。
⑦レバーをひねって水漏れしないか確認しましょう。
三角タンクの排水パイプのパッキンを交換する際は、止水栓を締めた後にタンクの水を抜いてからその後の作業をしましょう。
同じ給水管を長期間使用している場合はナットが回りにくくなっていることが考えられます。
その場合はナットを回しやすくするための専用のスプレーを使用すると良いでしょう。
給水管や排水管の劣化が原因で水漏れすることもある
給水管や排水管本体から水漏れしている場合は給水管や排水管の劣化が疑われます。
一見配管は傷ができにくい材質に見えますが、給水管や排水管にも寿命があります。
以下で給水菅と排水管の寿命を確認しましょう。
配管の種類 | 配管の寿命 |
---|---|
給水管 | 約10年から15年 |
排水管 | 炭素鋼鉄管約25年、硬質塩ビライニング鋼管約30年、鋳鉄管約40年 |
頑丈そうに見える配管でも長期間使うとサビなどによって破損しやすくなります。
しかし給水管や排水管の本体を自分で修理するのは困難です。
そのため給水管や排水管の本体から水漏れしているのを発見したら業者に連絡しましょう。
トイレの修理で起こりがちな業者とのトラブル事例や悪質な業者の特徴
まとめ
トイレで水漏れを発見したらどこから水が漏れているのかよく確認しましょう。
給水管は見える場所にあるため、給水管から水が垂れている場合はすぐ給水管からの水漏れだと判断しやすいです。
しかし結露や手を洗った際の水、もしくは他のパーツから漏れている水が給水管に流れている可能性もあります。
そのため結露などが原因ではないということをはっきりさせてから給水管の水漏れの正確な箇所を見つけましょう。
タンクのレバーをひねって水を流した際に給水菅の接続部分や給水管から水が垂れるようであれば、給水管からの水漏れということがわかります。
一方排水管が便器の下にある床排水から水漏れしているときのサインは、便器と床の隙間からの水漏れです。
また一般的に色やニオイもあるため、排水管からの水漏れだということに気付けるでしょう。
配管の水漏れはパッキンの劣化によるものがほとんどですが、配管そのものが破損しているケースもあります。
配管が破損している場合は業者に修理を依頼したほうが良いです。
また排水管の場合は比較的簡単なパッキン交換であっても自分で交換できないため、業者に交換してもらいましょう。