トイレの手洗い管からの水漏れは何が原因?自分で修理することはできる?
トイレの手洗い管から水漏れしてしまうことがありますが、何が原因になっているのでしょうか?
また、いざ水漏れしてしまった時に自分で修理することはできるのでしょうか?
トイレでよく起こるトラブルである水漏れについて詳しく解説していきます。
水漏れの原因はいくつかありますが、今回は手洗い管からの水漏れに絞って見ていきましょう。
原因を知り、対処法を覚えておけば自分で修理することも可能で、スムーズなトラブル解決につながります。
目次
手洗い管とは?
最初に手洗い管とは何かを把握しておきましょう。
手洗い管は手洗い場とも呼ばれていて、一般的な洋式トイレであれば付いていることがほとんどです。
トイレタンクの上部に蛇口のようなパイプがあり、水を流すとそこから水が出てきます。
この部分が手洗い管と呼ばれる部分です。
その名の通り出てきた水で手を洗うことができます。
ただ、手洗い管の役割は手を洗うことだけでなく、タンク内に水を貯めるという役割も持っています。
トイレを流すとのタンクに給水されますが、その水はキッチンの蛇口やお風呂の蛇口から出て来る水と同じです。要はキレイな水ということですね。
その水を直接タンクに給水するだけでは勿体ないという発想から、手洗い管を経由してタンクに水を溜めることによって、タンクに溜める水で手も洗えるというお得な機能が付くことになりました。
そんな手洗い管ですが、水漏れを起こしてしまうことも珍しくありません。
構造上いくつかの原因によって水漏れが引き起こされることがあり、注意しなければいけません。
ではどのような原因で水漏れを起こすのか見ていきましょう。
トイレの手洗い管から水漏れしてしまう原因は?
手洗い管から水漏れを起こしている場合、その原因は1つではなく複数考えられます。
そのためまずは何が原因で水漏れを起こしているのか把握し、原因ごとに適切な対処をしなければならないのです。
そこで重要になってくるのが水漏れの原因ですが、主に2つのことが考えられます。
- タンク内部のパーツ故障
- 手洗い管本体、タンクのフタ部分の故障
以上です。
手洗い管は水の通り道でパイプのような物です。手洗い管自体に給水、止水をする機能はありません。
なので、手洗い管から水漏れしている場合、基本的にはタンク内部のパーツが故障していることが多く、次いで手洗い管本体やタンクのフタ部分の故障が疑われます。
もし手洗い管から水漏れが見られる時は、こうした原因を疑いながら詳しいことを調べていきましょう。
原因さえわかれば対処もしやすくなります。
水漏れの症状に応じて考えられる原因をある程度絞り込むことができます。
症状 | 原因 |
---|---|
手洗い管から水が出続ける | タンク内部のパーツ故障 |
手洗い管の根元部分などから水が漏れている | 手洗い管、タンクのフタ部分の故障 |
以上のように、症状によって原因が違ってきます。
水漏れの状態をよく確認し、何が原因で水漏れしてしまっているのか突き止めましょう。
次の項目からはそれぞれの原因についてより詳しく解説します。
タンク内部のパーツ故障について
トイレのタンク内にはさまざまなパーツが取り付けられていて、トイレが正しく機能するために働いています。
こうしたパーツが故障してしまうと、手洗い管から水漏れを起こす原因になります。
手洗い管からの水漏れにつながるパーツとしては、以下のようなものが挙げられます。
- フロートバルブ
- シートパッキン
これらいずれかのパーツが故障すると手洗い管から水漏れが起きます。
水漏れの原因としてもっとも多いものなので、水漏れした際にはまずこれら2つのパーツをチェックしてみましょう。
まずフロートバルブですが、これは便器へと流れる水を管理する役割を持っています。
このフロートバルブが便器へとつながる排水口に栓をします。
つまりトイレの水を流すとフロートバルブが開栓して、タンクの水が便器に流れて行きます。タンクの水が空になるとフロートバルブは閉栓し、タンクに水が溜まる様になっています。
フロートバルブが故障すると、排水口に栓をするという機能が失われ水が止まらず流れ続けます。
フロートバルブから水が漏れるとタンク内の水が減る為、タンクへの給水が行われて手洗い管からも水が流れ続けることになり、水漏れの症状として現れる形です。
このように、手洗い管からの水漏れの多くはフロートバルブの故障が原因です。
次にシートパッキンですが、こちらもやはり水の流れを止める栓の役割を持っています。
タンク内のボールタップという部分に設置されていて、タンク内の水量が一定量になると栓を閉めて水が貯まりすぎないようにしています。
シートパッキンが経年劣化などで機能しなくなると、栓が閉められなくなりやはり手洗い管から水が漏れてしまいます。
手洗い管本体、タンクのフタ部分の故障について
タンク内部のパーツに特に異常が見られない場合、吐水口以外の部分から水漏れする場合は手洗い管本体やタンクのフタ部分の故障などが考えられます。
手洗い管はタンクのフタ部分から接続される形で伸びていますが、その根元部分から水がじわじわと漏れ出ているような場合、手洗い管が割れていたり、タンクのフタ部分が割れていたりすることもあり得ます。
物理的に破損していることでそこから水が漏れてしまうわけです。
タンク内部のパーツに異常がないにも関わらず手洗い管から水漏れしているとなると、こうした原因が考えられます。
強い衝撃などで破損してしまうこともありますので、手洗い管のパイプ部分やタンクのフタ部分をよく見てみましょう。
ただし、こうしたことが原因で水漏れするケースはあまり多くありません。
特殊な例だと考えておいても良いでしょう。
トイレタンクの水がたまらない時にチェックする箇所や考えられる原因
トイレの手洗い管から水漏れしたら自分で修理できる?
ここからは実際に手洗い管から水漏れしてしまった時に、自分で修理することは可能なのかを見ていきます。
結論から言うと、原因によっては修理も可能です。
原因 | 自分での修理 |
---|---|
タンク内部のパーツの故障 | 可能 |
手洗い管本体やタンクのフタ部分の故障 | 難しい |
このように原因によって自分で修理することができる場合もあれば、難しい場合もあります。
手洗い管本体やタンクのフタ部分が破損するなどして水漏れしている場合、それを自分で修理するのは非常に難しい作業になります。
手洗い管そのものを交換したり、新しいフタに交換したりしなければいけないこともあり、業者に依頼するのが無難です。
逆にタンク内部のパーツが故障している場合、故障の程度によっては自分で修理することが可能です。
ではどうやって修理するのか、具体的な方法も見ていきましょう。
修理前には必ず止水栓を閉めること
トイレの水漏れ修理をする場合は、原因に関わらず必ず最初に止水栓を閉めて水が出ないようにしましょう。
そうしないと急に水が出てしまったり、タンクや便器から水が溢れて水浸しになってしまったりする恐れがあります。
急に水漏れが起きると焦ってしまいますが、まずは止水栓を閉めて水がでないように対策することが大切です。
止水栓にはこれらのタイプがあります。ハンドルタイプは手で回し、マイナスタイプはマイナスドライバーを溝に差し込んで回します。どのタイプも共通しているところは、閉める時は右回しにし、開く時は左回しにすることです。 そして止水栓を回す時の一番の注意ポイントは、固くて回らない場合は無理をしないということです。築年数が新しい家ではあまり起きませんが、10年15年以上経つ家では良く起きる現象です。上のイラストを見ていただくとわかりやすいですが、止水栓が固い状態の時に力が加わると、その力は壁中と露出部の給水管の接続部付近(わん座の部分)にかかります。10年15年という年月が止水栓を固くする一方、同じ年月は部材を脆くします。そして、壁中給水管の接続部で折れてしまうことが良く起こります。水を止める為の行動で水漏れを起こしてしまったら本末転倒です。くれぐれも固い場合は無理をしないようにしましょう。
トイレ止水栓から水漏れ?原因と修理方法や止水栓が固い場合の閉め方
フロートバルブが原因の水漏れを修理する方法
フロートバルブの故障によって栓が正しく閉まらずに水漏れしている時は、まずフロートバルブにつながっているチェーンを確認してみましょう。
フロートバルブ本体が壊れているのではなく、単純にチェーンが絡まっている、別なパーツに引っかかっているなどの理由で栓を閉まらなくなっている可能性があります。
チェーンの正常な状態は少し緩みがある状態です。ピンと張っている場合はフロートバルブが閉じ切っておらず、水漏れしている可能性が高いです。レバーに引っ掛けてあるチェーンフックが絡まるとよくこの状態になります。
タンク内部を目で確認してみて、チェーンが絡まっていたり引っかかっていたりするようなら戻しましょう。
その場合はそれだけで水漏れが解消される可能性が高いです。
チェーンに問題がない場合、フロートバルブをチェックします。
もし破損などが見られる場合やゴム手袋を付けて触った時に黒くなる場合は、新しいフロートバルブに交換するのが適切な修理方法となります。
黒くなるということはゴムフロートが劣化により溶けているということです。溶けると体積が小さくなる為、しっかりと栓が出来なくなり、水漏れを起こします。
トイレで使われるフロートバルブは市販されていて、ホームセンターなどで購入出来ます。現在使っているものと同タイプのフロートバルブを購入して交換しましょう。
但し、メーカーによりフロートバルブの形状に違いがあります。TOTOのベーシックな防露式トイレとINAX(LIXIL)のベーシックな防露式トイレのフロートは大きく形状が違いますので間違えないようにしましょう。フロートバルブはトイレと違うメーカーの物でも取り付けることが出来ます(SANEI、カクダイなど)
また、同じ形状のフロートバルブでも大きさに違いがありますので、そちらも間違えないようにしましょう。例えばINAXで説明すると「取替用フロートゴム玉(大)TF-10R-L」と「取替用フロートゴム玉(小)TF-10R-S」というような大小のフロートがあります。分からない場合は店員に聞いてから購入した方が良いでしょう。
一般的なフロートバルブであれば手で簡単に取り外せるようになっていて、交換作業も決して難しくありません。
トイレの取扱説明書や、フロートバルブの取扱説明書などをよく読んで進めていきましょう。
メーカーによって交換手順が違っていることもあり、定められた手順で交換することが重要です。
交換が完了したら止水栓を開け、水を流すなどして水漏れが解消されているかを確認します。
シートパッキンが原因の水漏れを修理する方法
次にシートパッキンが原因で水漏れしている場合です。
シートパッキンが取り付けられているボールタップは、トイレのタンクを開けてすぐの所に設置されています。
手洗い管と接続されていますので、手洗い管のパイプの流れを追うことでボールタップ本体も見つけられるはずです。
シートパッキンを交換することになるのですが、まずはボールタップを分解して中にあるシートパッキンを取り出す必要があります。
ナットを使うことでボールタップを分解できます。
内部にパッキンがありますので、古いパッキンを外し、新しいパッキンを取り付けましょう。
これで水漏れも解消されます。
フロートバルブ同様、シートパッキンも市販されていますので新品はすぐに購入できます。
注意点としてはお使いのトイレのメーカーに適したシートパッキンを使うことです。
各メーカーで適したシートパッキンが用意されていますので間違えないようにしましょう。
また、劣化が進んでいる場合はボールタップ自体の交換をするケースも多くあります。
トイレの手洗い管からの水漏れを自分で修理するのが難しい場合はどうする?
手洗い管本体やタンクのフタ部分が破損しているなど、自分で修理することが難しいケースもあります。
フロートバルブやシートパッキンが原因だとしても、自分で交換するのは難しそう、不安だという人も多いはずです。
また、調べても原因がわからず対処のしようがないというケースも出てくるでしょう。
このように水漏れを自分で修理するのが難しい場合、やはりプロである業者に依頼するのが良い方法です。
水道業者に修理を依頼することでしっかりと対応してくれます。
自分で修理するのが無理な場合や、修理する時間がないといった時は業者に相談してみましょう。
ここからは業者選びのポイントなどを紹介します。
水漏れ修理を依頼する業者の選び方
トイレの水漏れを修理してくれる業者はたくさんありますので、私達はその中から1社を選ばないといけません。
選ぶ際の基準として多くの人がまず料金を思い浮かべるのではないでしょうか?
やはり安く修理してもらえた方がお得ですから、料金は気になるところです。
では実際に水漏れ修理を安く済ませるためにはどうすれば良いのでしょう?
うまく活用したいのが見積もりです。
見積もりをうまく活用することで料金を抑えることが可能だからです。
トイレの水漏れ修理を業者に依頼する場合、まずは見積もりが行われます。
業者が水漏れの状態をチェックするなどして、修理費用を計算します。
私達は提示された見積もり結果を見ることで具体的な修理費用を知ることができるわけです。
この見積もりをどう活用するのかというと、複数の業者に見積もりをしてもらいます。
たとえばA社、B社、C社という3つの業者に見積もりをしてもらうとしましょう。
結果、A社は5,000円、B社は10,000円、C社は7,000円という見積もり結果になりました。
1番安く修理してくれるのはA社ということになります。
このように、同じ修理をするのであっても料金は業者ごとに違います。
安く修理してくれる業者を簡単に見つけるには、複数の業者にまとめて見積もりしてもらうのが良い方法です。
面倒に感じられるかもしれませんが、できれば複数の業者に見積もりしてもらい、料金の比較を行いましょう。
料金の内訳は必ず説明してもらおう
見積もりを依頼すると具体的な修理料金が見られます。
この時、料金の内訳についても必ず説明してもらうようにしましょう。
たとえば修理料金として5,000円かかるという場合、いったい何に5,000円がかかるのかを詳しく聞くわけです。
どの部品を交換するのか、出張費などは発生するのかなどを説明してもらえば、こちらとしても納得して修理を任せられます。
逆に内訳の説明がない業者だと、なぜその金額になったのかこちらとしてわからず納得できません。
多くの業者は何も言わなくても内訳の詳細を教えてくれますが、中には内訳を説明しないままの業者もいます。
そうした業者だった時は説明を求めるか、その時点で依頼候補から除外しても良いでしょう。
信頼できる業者かを対応からチェック
料金が安いことも大事ですが、信頼できる業者かどうかも大事なポイントです。
どんなに料金が安くても修理が雑なら意味がありません。
最悪、修理後にすぐまた水漏れしてしまう、つまりしっかり修理できていないなんてこともあり得ます。
これではお金を支払っただけで損をしてしまいます。
業者選びをする時は、ただ安ければ良いと考えるのではなく、信頼できるかどうかもチェックしましょう。
電話で修理の相談をした時の対応、見積もりを依頼した時の対応などを見ることで、信頼できそうかをある程度見極められます。
話をしてみてこの会社なら問題ないと感じられるかどうか、この点が重要です。
もし話をしていて不安を感じたり、強引な営業で不愉快な思いをしたりするようであれば、別な業者を利用することを検討すべきでしょう。
不安を感じたまま修理を依頼する必要はまったくありません。不安を感じたまま修理を依頼してしまうと、後々トラブルになることがありますご注意ください。
見積もりを依頼した後だと断りにくいと感じるかもしれませんが、見積もりは最終的に依頼するかを判断する材料の1つです。
見積もりを見てから決めるのが普通なので、少しでも不明な部分や納得できない部分があれば説明を求めるか、別な業者を検討しましょう。
トイレの修理で起こりがちな業者とのトラブル事例や悪質な業者の特徴
まとめ
トイレの手洗い管から水漏れすることは決して珍しくありません。
パーツの故障などによって水漏れすることがあり、いざという時にしっかり対処できるかが重要です。
パーツの交換などによって自分で修理できる場合もありますので、まずは原因を探って正しい対処法を見極めましょう。
また、自分で修理するのが難しい場合は業者に依頼することになります。
複数の業者で料金を比較し、さらに対応が丁寧で信頼できるかなどもチェックしましょう。
そうすることで安心して修理を任せられる業者を見つけられるようになり、水漏れというトラブルもスムーズに解決できます。