排水溝つまりは自分で解消できる!台所のお掃除と詰り解消のポイント
台所で洗い物をしているとき、最近シンクの水が流れるのに時間がかかるなと感じた事はありますか?
もし以前より遅いと感じるのであれば、台所の排水溝がつまってきてる可能性があります。
ゴミが溜まるカゴを掃除している方は多いようですが、その下にある丸い部品(ワン)を開けて掃除したことのある方は意外と少ないようです。
台所の排水溝は他の水回りに比べ、内部に汚れが蓄積されやすく、つまりが発生しやすい場所の一つです。排水のつまりの原因を除去しつつ、今後つまりを発生させないためには日頃から対策が必要となるでしょう。
ここでは、台所の排水溝のつまりに関する知っておきたい情報をお伝えします。
台所で良くあるつまりの原因や排水溝つまりの直し方から日頃できるお掃除方法についてもご紹介しますので、是非最後までご覧ください。
目次
台所の排水溝はつまりの原因はこれ!
台所にある排水溝のつまりは、ある日急に起こることはあまり多くありません。
多くのケースでは、シンク内の水が徐々に抜けにくくなっていき、そのまま使い続けてると完全に水が流れなくなります。
トイレのつまりの場合は、大量のトイレットペーパーなどを流した後すぐにつまりが起きるのが一般的。では、どうして台所とトイレではつまりの症状が異なるのでしょう。
それは、つまりの原因が違うからです!
台所つまりのほとんどの原因は油汚れ
台所と他の水回りとでは、排水溝に流れるものに決定的な違いがあります。それは油です。
台所では料理を作ったり、調理や食事の際に使った鍋やフライパン、食器などを洗いますね。
その際に流れていった油が、台所排水溝のつまりの原因の大半でしょう。
台所排水溝のつまりは、徐々に水が流れにくくなるのが特徴だとお伝えしましたが、台所の排水溝へ流れていった油が排水管内に溜まっていくからです。
そして、一度排水管で固まった油は水やお湯で簡単に流すことが出来ないでしょう。
冬場に台所つまりが増えるって本当?
油は冷えると固まる為、排水管内に留まりやすくなってしまい冬場は油汚れが原因の排水溝つまりが起きやすくなると報告されています。
ただ、調理や洗い物の際に多少油が排水溝に流れてしまうのは仕方のない事ですので、多めのお湯で排水管内に油が留まらないように流しましょう。
洗い流す時も冷水だと油が排水管内で冷え固まりやすいので、油を拭き取ってから十分な量のお湯で流すことがつまりの予防に良いです。
排水溝のゴミ受けカゴをすり抜けた食材カス
台所排水溝のつまりで油の次に原因となりやすいのが食材カスなどです。
ゴミ受けの隙間を細かい食材カスが流れていき、排水溝内の既に蓄積した汚れに引っかかり、つまりの原因となってしまう事があります。
台所の排水溝にはゴミ受けカゴがあるはずなのに、食材カスが流れるの?と疑問に思う方も多いはず。
でも実は、排水溝内に食材カスが溜まるケースはとても多いのです。
最近のキッチンのゴミ受けカゴは目が細かく、小さな食材を通しにくいものばかりですが、古いシンクやゴミ受けカゴの目が粗いタイプの場合は、小さな食材であればするりと通り抜けてしまいます。
米粒、ピーマンの種、パスタ、すりおろした食材などといったものは簡単に排水溝へと流れてしまうでしょう。
たとえ小さなものであっても油断は禁物です。食材は腐敗してしまうため、つまりの原因だけではなく、悪臭の原因にもなり得るのです。
ゴミ受けカゴに目の細かいネットをして定期的に交換すれば詰まりを予防できるでしょう。
異物が流れ込んで台所が詰まる
例えば、スプーンやフォーク、箸などのカトラリーやスポンジ等が、誤って流してしまったことで排水溝がつまってしまうケースも少なからずあります。
ゴミ受けカゴやトラップを掃除しようと外している間に落としてしまったり、排水溝の流れが悪いからと言ってワントラップを外して洗い物をしてたら流れてしまうことが多いようです。
ワントラップを外しているときに流してしまうとそのまま排水管の方へと流れてしまい、途中で引っかかり、水の流れをせき止めるためつまりの原因となってしまうのです。
油や食材カスは薬剤やお掃除等で溶かしたり綺麗にしてつまりの予防ができますが、このような異物は、排水ホースなどを外したりして落としてしまった異物を取り出す以外方法はありません。異物が詰まってる場所によっては壁や床を開口して排水管から取り出さないといけない場合もありますので、お掃除の際やワントラップを外しての洗い物をしないように注意しましょう。
それ以外に台所シンクが詰まる時ってどんな時?
上記以外でシンクに水が溜まって流れていかない場合、排水管の勾配が悪くなってる場合や排水枡が原因での詰まり等も考えられます。排水枡が原因の場合ですとマスが沈下してしまったり、排水枡と排水管の隙間から入り込んだ木の根っこが成長して水を止めてしまう事もあります。
もし排水管の勾配不良や排水枡の沈下が原因の場合は排水工事をしないといけません。必ず複数の水道業者に見積もりを取って工事するようにしましょう。
台所排水溝の構造について
この後、台所の排水溝を掃除する方法やつまりの直し方についてご紹介していきますが、適切な対処をするためにつまりが起こりやすい部分や汚れが溜まりやすい部分について理解しておく必要があります。まずは、台所排水溝の構造について詳しくみていきましょう。
一般的な住宅にある台所排水溝の構造にそこまでの違いはないと思います。
だいたいは上から排水バスケット(ゴミ受けカゴ)→排水トラップ→蛇腹の排水ホースという形でしょうか。ゴミ受けカゴを外すと、丸い部品の周囲に水が溜まっているのが見えるでしょう。この部分が排水トラップと呼ばれる部分です。
排水トラップに溜まっているのは水封の水で、下水道管から上がってくる悪臭や虫を防ぐ役割を持っています。
トイレの便器内に常時溜まっている水や風呂場の排水溝も同じ仕組みとなっています。
シンクから流れていく水はゴミ受けカゴを通り、水封の水を通って排水トラップへと流れていきます。
その後はシンク下に見える蛇腹の排水ホースを通って排水管へと流れます。
台所の排水溝の詰まりの対処や予防方法
ここをご覧の方の中には、すでに排水溝つまりが起きてしまって調べている人もいれば、最近水の流れが悪いから対策方法が知りたいという人もいらっしゃるでしょう。
ここでは、現在の排水溝の状況に合わせた適切な対処方法をご紹介します。
シンク内の水が流れていくのに時間がかかる、今までよりも流れが悪いと感じる方は下記表をご覧ください。
現在の状況 | 原因と考えられる部分 | 対処方法 |
---|---|---|
定期的に掃除している | 排水ホースや排水管に問題ありの可能性 | パイプ洗浄剤の使用 ラバーカップを試してみる |
これまで掃除をしたことがない | バスケット・ワントラップに問題ありの可能性 | バスケット・ワントラップを掃除する |
すでに排水溝がつまり、水が流れない方は下記表をご覧ください。
現在の状況 | つまりの原因と考えられるもの | 対処方法 |
---|---|---|
排水溝の掃除はしていない | 排水ホースや排水管に問題ありの可能性 | ラバーカップ ワイヤー式パイプクリーナーなどを試す |
誤って異物を流してしまった | 流してしまった異物 | 排水ホースを外して異物を取り除く |
つまりの状況によって適切な対処法は異なります。現在の状況と照らし合わせて対処できそうならつまり除去を試してみましょう。もちろん、皆さんが思ってる状況と実際に起こってる詰まりの状況が違う事もありますので必ず自分でできるとは限りません。
特に台所が原因だと思っていたらその先の排水管が原因だった!なんてケースも多々あります。台所以外の排水溝からもポコポコと音がする場合は、一度水道業者に見てもらった方が良いでしょう。
キッチンの排水溝は業者しか直せない?つまり予防のお掃除方法を伝授
皆さんができる排水溝の掃除方法とつまりの直し方
さて、ここからはつまりの原因や症状に応じた対処方法についてご紹介します。
- 日頃から排水溝のお手入れをしているにもかかわらず水の流れが悪い場合
- これまで排水溝の掃除をしておらず、水の流れが悪い(つまりぎみ)場合
- 誤って異物を流してしまった場合
以上、3つのケースの対処法について詳しくみていきましょう。
排水管のお手入れ方法
排水バスケットやワントラップ部分を掃除しているのに水の流れが悪い場合は、排水ホースや排水管に蓄積した汚れが原因かも知れません。普段の排水溝のお手入れに、排水ホースや排水管の洗浄を加えましょう。
お手入れにはパイプ洗浄剤が効果的です。ドラッグストアやホームセンターで手軽に購入できます。
ただし、売られてるパイプ洗浄剤も種類があり、どれでも良いというわけではありません。
台所の汚れに対して効果的な成分が含まれているものを選ばなければ十分な効果を得られないでしょう。
パイプ洗浄剤を購入する際のポイント
パイプ洗浄剤には様々な種類があります。
購入する際には製品情報を確認し、主成分に注目してみてください。
主成分 | 効果が期待できる汚れ |
---|---|
水酸化ナトリウム | 油汚れ |
次亜塩素酸ナトリウム | 髪の毛 |
上記表にあるように、主成分によって効果が期待できる汚れが異なります。
台所排水溝の場合は、油汚れに良い水酸化ナトリウムが多く配合されたものを選びましょう。
台所でのパイプ洗浄剤の使い方
普段からあらゆる排水溝のお手入れにパイプ洗浄剤をお使いの方は多いでしょう。
ただ流し込むだけでも一定の効果は見込めますが、ちょっとした使い方をすることでより洗浄力を高められます。
- パイプ洗浄剤のボトルをぬるま湯に入れてあたためる
- 排水バスケット、排水トラップ(ワン)を外し、排水管が見える状況にする
- 排水管内の内側に沿うように流し入れる
- 30分~1時間程度放置する(使用上の注意も良く読む)
- お湯(40~50℃くらい)を勢いよく流す
完全に詰まってる場合はパイプ洗浄剤を使わないように!使用する際は換気をしっかりしてゴム手袋などを使用して直接触れないようにしましょう。
最後のシンクにお湯を一気に流し込むと、勢いによって浮いた汚れが流れていきます。
この方法は台所以外のあらゆる排水溝に活用できますので、是非覚えておいてくださいね。
水が溜まってる状態のつまり除去と排水溝の掃除方法
これまで排水溝の掃除をしてきた事がない方は、排水口はもちろん、排水ホース内や排水管内に汚れが溜まっている可能性が高いです。そこの油汚れに食材カス等が付着し、水の流れを悪くしているのかもしれません。
まずはつまりの原因を除去し、今後のつまり防止のために排水溝のお手入れをしましょう。
ラバーカップでつまりの原因を除去する
スッポンとも呼ばれることのあるラバーカップ。えっ?トイレのつまりに使う道具でしょ?と思った方も多いはず。実はラバーカップはあらゆる水回りのつまり解消に使える道具なのです。
ホームセンターで、キッチンや浴室で使いやすいコンパクトサイズの物が売ってるので探してみてください。
- フタ、排水バスケット、排水トラップ(ワン)を外す
- 排水口にカップを置き、カップ先端のゴム部分が浸るくらい水を溜める
- ゆっくりとカップを押して空気を抜く
- 勢いよく引き抜く
- つまりが解消されるまで3~4を繰り返す
軽度のつまりであれば数回繰り返せば解消できるでしょう。
コツは、空気を全て押し出すようにゆっくりと押し込み勢い良く引っ張ることです。ただし、トラップ部分や排水ホースなどが古い場合は負荷が掛かって漏水する危険性があるので注意して下さい。
キッチンの排水のつまりは重曹やラバーカップで対応可能?解消ワザ4選
ワイヤーブラシで物理的に汚れを除去する
ラバーカップを使ってもつまりが解消されない場合、排水管内に汚れがひどく固着している可能性が考えられます。その為、つまりの原因を直接取り除く作業が必要となるでしょう。
使用するのは、排水管に使用するワイヤーブラシという道具です。
ワイヤーブラシの先端にはブラシや螺旋状のドリルが付いています。
これらはホームセンターで数千円で購入できます。また種類もいくつかあるのでご自宅の排水管に合ったものを購入しましょう。
- フタ、排水バスケット、排水トラップ(ワン)を外す
- 螺旋状のヘッドを排水溝に入れる(カーブがある場合は角度を変えながら押し込んでいく)
- これ以上押し込めないところまで来たらハンドルを回し、汚れを削り取る
- 螺旋状ヘッドを抜き取り、ブラシヘッドを入れる
- 汚れを剥がすように動かしながら奥へ入れていく
- スムーズに動くようになったら引き抜いて水を流してみる
ヘッドを押し入れていき、これ以上進むことができないところがあれば、そこがつまりの原因となっている可能性が高いです。ハンドルを回して汚れを掻き出しましょう。
ワイヤーブラシの使い方はそれほど難しくありませんが、加減を間違えれば排水管を傷付け、水漏れや抜けなくなる等のトラブルにつながる恐れがあります。使用する際は無理な力で動かすことのないよう気を付けください。
お手軽!クエン酸と重曹を使った台所排水溝のお掃除方法
普段、台所の排水バスケットや排水トラップ部分を掃除していないと、油汚れや食材カスが蓄積してヘドロ状になって溜まっている可能性があります。今後のつまり防止のためにも、定期的にお掃除しておきましょう。
排水バスケットの網目が汚れやヌメリで塞がってしまうとシンクからの水が抜けにくくなり流れが悪くなります。
ゴミが溜まって汚れやすい部分となりますので、中性洗剤と使い古した歯ブラシ等を使ってマメに掃除しましょう。排水溝用のネットをかぶせ、それをこまめに取り換えたりするとヌメリの発生が少なくなります。
排水トラップのお掃除方法は下記手順をご確認ください。
- 重曹(計量カップ1/4)、クエン酸(計量カップ1/2)を用意する
- フタ、排水バスケット、排水トラップを外す
- 2で外した部品と排水溝内に重曹をかける
- 次にクエン酸をかける
- 軽くお湯をかけて発泡したら、30分程度放置する
- 古歯ブラシ等で汚れを擦り落とす
- 40℃~50℃程度のお湯で洗い流す
重曹とクエン酸を合わせると炭酸ガスが発生し、発泡によってこびりついた汚れを浮き上がらせることができます。
長年掃除をしていなかった場合は落ちきれない汚れもありますので、古歯ブラシを使って残った汚れを除去しましょう。
排水ホース内の異物を取り除く方法
キッチンの排水トラップの先のホース内に異物(スポンジ・プラスチック・食器金属等)が流れてしまった場合は、排水ホースを外して確認しないといけません。
普通であれば排水溝のトラップ部分より先にはいきませんが、お掃除中や流れが悪いからと外して排水トラップのワンを外してると起こりやすいですね。
基本的に排水ホースは排水トラップと排水管にそれぞれ接続されてますね。
- まずシンク下の物を取り出し軽く養生をする
- 排水管との接続部分の化粧板(排水プレート)を外す
- 防臭キャップを外して排水ホースを抜く
- 排水トラップと排水ホースを繋ぐナットを緩めて外します
- ホース内に異物があるようなら取り出す
- ない場合は排水管の方を覗いて異物が見えるか確認する
- 排水管内の取れる位置に異物があれば回収する
- 異物が除去できなかった場合でも逆手順で戻していく
- 戻したら水漏れがしないか確認する
異物が除去できなかったとしても、排水ホースはしっかり戻して水漏れが無いか確認しましょう。また防臭キャップがしっかりついてないと下水などの臭いが上がってくる原因となります。また排水ホースや防臭キャップが古い場合は取外しをする際に合わせて交換すると良いでしょう。
異物に手が届かない、異物が目視できない場合の詰まりは、速やかに専門業者に連絡しましょう。
24時間対応してくれる所もありますので、ネット等で近くの業者を探してみましょう。
異物がある場所を特定し、専用の道具を使って取り出したり、排水ホース等を外して取り出してくれますよ。
キッチンの排水つまりは業者に依頼するべき?判断基準や今後の予防策
まとめ
ここまで、台所の排水溝のつまりについてお伝えしてきました。台所の排水溝がつまる原因の多くは、油汚れによるものです。また台所の排水溝詰まりは突然起こると言うよりは、徐々に汚れが溜まっていき流れなくなる事がほとんどでしょう。日頃のお掃除はもちろんですが、キッチンの流れが悪くなってきたと感じた段階で早めに対処しておく事が大切ですね。
軽度のつまりが発生している場合は、真空式パイプクリーナーやラバーカップ、ワイヤーブラシを使ってつまりを除去し、その後は定期的にお掃除をしてつまりの予防をしましょう。
ただし、異物を流してしまい、それが取り出せない位置にある場合や排水枡や排水管内でのつまりの場合はご自分で対処するのは難しいでしょう。そのような詰まりの時は水道業者にご相談ください。