風呂の排水溝のつまりの原因は何?自分でできる解決方法や掃除のコツ
風呂の排水溝には、さまざまな汚れが溜まります。
気を付けていたとしても、髪の毛や体毛は抜け落ちますし、シャンプーなども完全には溶けきれません。
長期間使用しているうちに、自然とつまりが大きくなってしまうことがあり、水の流れに影響を与えます。
放置しているとどんどん状況は悪化するため、早めにつまりの原因を解消することが大事です。
つまりの状態や発生箇所次第で解決方法は変わりますので、どのように対処すべきか解説します。
目次
排水溝のつまり原因と箇所を特定
お風呂の排水溝がつまる原因はいくつかあります。
原因として多いのが普段の使用による汚れですが、軽度なものであれば自分自身でも対処可能です。
しかし放置してしまうと次第につまり状況も悪化し、改善するのがどんどん難しい状況になってきます。
また、どこの部分がつまっているのか、つまり箇所も重要です。
基本的に見える部分のつまりであれば自分自身で何とかできますが、見えない箇所のつまりは難しいです。
排水溝のつまり原因と、箇所の特定方法について詳しく見ていきましょう。
基本的には生活汚れがつまりの原因
普段お風呂を使っていると、知らず知らずのうちに排水溝に汚れが溜まっていきます。
たとえば髪や身体を洗った際に流れる毛髪は、排水溝に引っかかってしまいやすいです。
毎日のお掃除できちんと除去しているつもりでも、取りきれないゴミが積もっていくのは当たり前のことです。
また、お風呂場で髪や身体を洗う際には、シャンプーやボディーソープなどを使用します。
このような石鹸類なども、水で完全には溶けきれません。
先ほどの毛髪と油汚れが絡まりあって、核となる汚れが形成されます。
それが日を追うごとに大きく膨れあがり、ヘドロのような固まりとなり詰まりを引き起こすのです。
よって根本的なつまりの原因は、生活汚れにあるケースが多いかもしれません。
自然災害による排水管の勾配変化が原因の場合も
日々の生活由来の汚れが原因ではなく、突然の自然災害などで排水管の勾配が変わったことによりつまりが発生するケースもあります。
排水溝に流れた水は、排水管を通ってやがて下水へと合流します。
家にある排水管はなだらかな傾斜にて下水へと流れていくのですが、自然災害で地盤沈下が起こると傾斜が変わります。
傾斜が変化するとスムーズに水が流れていきません。
結果として排水管の途中でつまりを起こしてしまい、逆流を起こすこともあります。
このような排水管に原因があるケースですと、自分自身での対処は難しいです。
専門の業者を呼び、配管工事をおこなうしか手立てがありません。
つまり箇所の特定方法
つまりの原因を推測したら、どこがつまっているかに関しても特定する必要があります。
箇所により対処法が変わってくるからです。
見える部分のつまりですと自分で解決できる可能性が高いですが、見えない部分やつまり箇所を特定できないようなら業者を呼ぶことを考えなくてはなりません。
ではどのようにつまり箇所を判断したらよいのか、排水溝の構造を踏まえつつ解説していきます。
排水溝の構造
排水溝には、排水トラップと呼ばれるパーツが用意されています。
洗い場の髪などが引っかかる受け皿を外してみると分かりますが、水が常に溜まる状態です。
つまりが最も発生しやすいのは、この排水トラップ部分になります。
排水トラップ部分は狭く入り組んだ箇所があることから、髪や油汚れなどでヘドロを形成すると、水の通り道が塞がれてしまいます。
では、そもそもなぜこのような排水トラップが用意されているのかと言いますと、害虫などの侵入を防ぐためです。
また、ニオイを抑える目的もあります。
排水管は常に水がある状態ではなく、使用時に水が流れた後は空っぽになります。
そのため害虫が住み着くこともありますが、排水管を辿って室内まで侵入してくるのを防ぐために、排水溝には水が溜まる部分が設けられているのです。
排水トラップがあることで、害虫は上まで登ってくることができないようになっています。
排水トラップを外してみる
つまり箇所を確かめるためには、先ほど紹介した排水トラップが鍵となります。
洗い場のヘアーキャッチャーと排水トラップを外してみましょう。
この際にスムーズに水が流れるようなら、原因は排水トラップよりも上の部分に潜んでいる可能性が高いです。
ヘアーキャッチャーと排水トラップの掃除をしっかりとおこなえばつまりを直せるため、自分自身でも対処できるでしょう。
一方でヘアーキャッチャーを取り外したのに水が流れないようなら、原因はさらに奥だと考えられます。
排水管部分でつまりが発生している場合は難易度が高いです。
つまりが小さく柔らかいものであれば何とかなるかもしれませんが、大きな塊がこびりついているような状態ですと高圧洗浄が必要になります。
自分でできる排水溝つまりの対処法
ヘアーキャッチャーや排水トラップの浅い部分で起こったつまりなら、自分で解決できます。
また奥の方でつまりが起こっている場合でも、修理をおこなえば何とかなるケースもあるため、一旦は自分で対処してみてもよいかもしれません。
排水溝つまりの解消方法はたくさんあり、手軽に実施しやすいものが多いです。
どの対処法も道具を準備する費用はそこまで高くないため、負担なく実施しやすいでしょう。
それぞれの方法や掃除する際のコツについてご紹介します。
排水トラップを掃除する
まずは排水トラップの掃除です。
この部分を綺麗にしないことには、一旦つまりが解消しても再度つまりを繰り返します。
また、つまりの原因が排水トラップにあるケースは多いですから、一番最初に試してみるとよいでしょう。
用意するものとしては、お風呂用洗剤や不要な歯ブラシ、スポンジなどの一般的な掃除用具です。
出てきたゴミを捨てるためのビニール袋もあるとよいでしょう。
方法としては以下になります。
- 洗い場のカバーを外しヘアーキャッチャーの汚れを歯ブラシで落とす
- ヘアーキャッチャーの奥にあるパーツを分解していく
- 大きなゴミは手で取り除き、小さい汚れは歯ブラシやスポンジで綺麗にしていく
- 汚れ落としが完了したら、再度組み立て直す
日常のお手入れでヘアーキャッチャーのゴミは取る人が多いものの、その奥にある排水トラップ部分の掃除は後回しにしがちです。
水の流れが悪いように感じたら、まず排水トラップを綺麗にしましょう。
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パイプクリーナーで汚れ落としをする
排水トラップの掃除をしたついでに、パイプクリーナーも利用するとよいでしょう。
パイプクリーナーはつまりなどを溶かせる薬剤のため、固まってしまい取りにくい汚れにアプローチできます。
ドラッグストアやスーパーで購入でき、費用は数百円程度です。
やり方としては、排水トラップの掃除が終わったら、ヘアーキャッチャーや排水トラップを元へ戻す前にパイプクリーナーを注ぎましょう。
そのまま30分程度放置し、時間がきたら水で排水溝をよく洗い流していきます。
注意点として、放置する時間は製品によりけりです。
長時間放置しすぎると排水管を痛めてしまう可能性もあるため、指定時間を守るようにしましょう。
重曹とお酢を使う
パイプクリーナーを使用する方法の他に、重曹とお酢を使って掃除する方法もあります。
排水溝のヌメリや汚れを落とすことができるため、綺麗に仕上げたい時に有効です。
手順としては、まずは浴室内をしっかりと換気します。
その後でカップ1杯分の重曹を排水溝に注ぎ、その上からカップ2杯分のお酢を振りかけます。
両者が混ざるとブクブクとした泡が発生しますが、心配入りません。
そのまま1時間程度放置し、時間経過後にしっかりと水を注いで洗い流しましょう。
また、お酢ではなくクエン酸を代用することも可能です。
どちらも成分としてはほぼ一緒ですが、お酢の方がやや酸っぱい匂いがきついため、好みに合わせて使いましょう。
ラバーカップを使う
固形物が詰まっている場合は、ラバーカップを使う方法もあります。
ラバーカップとは、いゆわるスッポンです。
トイレのつまりに使うイメージが強いですが、風呂の排水溝つまりでも活用できます。
注意点として、排水溝は小さいためラバーカップもカップ部分が小さめのものを選ぶようにしましょう。
きちんとサイズが合っていないと、吸引できません。
手順としては、以下のとおりです。
- ヘアーキャッチャーや排水トラップのパーツを外しておく
- 水を多めに張ったら、排水溝にカップが垂直になるよう合わせる
- しっかりとカップを圧着させたら、一気に上にあげる
- 出てきたゴミを取り除く
コツとしては、カップを引き抜くときは勢いをつけて上げることです。
吸引力を上げるために、そっと抜くのではなくスパッと抜くようなイメージでおこないましょう。
真空式パイプクリーバーを使う
これまでの方法でもつまりが解消しないようなら、真空式パイプクリーナーを使うのも方法の一つです。
真空式パイプクリーナーとはスッポンよりさらに吸引力の強い道具で、ホームセンターやネットで2000円~3000円程度の予算で調達できます。
基本的な使い方としては、ラバーカップとほぼ一緒です。
カップ部分を排水溝に圧着させて、ハンドル部分を押し上げるというやり方になります。
ラバーカップとの違いとしては、ラバーカップを使う場合は水を張った方が吸引できますが、真空式パイプクリーナーは水を張る必要はありません。
注意点として強く吸いすぎてしまうと排水溝の破損につながりやすいため、ゆっくりと吸い上げるようにしましょう。
ワイヤーブラシを使う
つまりが強力な場合には、ワイヤーブラシを使うという方法もあります。
ワイヤーブラシは針金の先端にブラシがついた道具で、固まった汚れを削り落とすことができます。
細長い形状のため、排水管の奥部分までつまり除去できますが、力加減が難しいので少々テクニックが必要です。
手順としては、排水トラップを外しワイヤーを差し込み、ごみにぶつかったら削っていきます。
削り落としたらしっかりと水を流して、スムーズに流れるのを確認しましょう。
ワイヤーブラシもホームセンターやネットなどで2000円~3000円程度で売られていますが、上述のように扱いが少し難しいです。
また、頑固なつまりですとワイヤーブラシでも削れないため、その際は業者への依頼を考えた方がよいでしょう。
つまりの原因に合わせて対処法を決めよう
ここまでさまざまなつまり対処法を紹介しましたが、一体どの方法を選択すべきか悩むかもしれません。
基本的にはつまりの性質に合わせて選んであげるのがおすすめです。
以下の表を参考にして下さい。
つまり対処方法 | つまりの性質 |
---|---|
排水トラップの掃除 | 日々のちょっとした汚れ |
パイプクリーナー | 髪の毛などのゴミ |
重曹とクエン酸 | 皮脂汚れや垢、油汚れ |
ラバーカップ | 軽めの固形物 |
真空式パイプクリーナー | 重度の固形物 |
ワイヤーブラシ | 固形物や頑固なつまり |
状態に合った方法を選択しないと、思うようにつまりが除去できません。
無駄に色々な対処法を試すことになってしまうため、つまりの原因を見極めましょう。
重度の汚れや排水枡付近のつまりは業者へ依頼が必要
自分でつまり除去を実施してみても状況が改善しないようなら、業者にお願いするしかありません。
また、排水トラップではなく排水管の奥や排水枡でつまりが発生している場合も、自分自身で解決しにくいです。
業者を呼ぶ際には、しっかりと業者選びをおこなう必要があります。
つまりが発生した際には焦ってしまい業者の比較検討を疎かにしがちですが、業者には良し悪しがあるため注意が必要です。
ここからは業者に依頼する時のポイントについて解説します。
業者につまり除去をお願いした際の相場は?
つまり除去にかかる費用は業者によりけりです。
安めに設定している業者もあれば、追加費用などを課す業者もあるため一概に比較は難しいのですが、おおよその相場としては以下になります。
作業名 | 費用の相場 |
---|---|
簡単なつまり除去作業 | 6000円~1万円程度 |
トーラー作業 | 1万円~2万円程度 |
高圧洗浄 | 1.5万円~3万円程度 |
このように機材の使用が伴うと、費用は高くなります。
注意点として、この相場はあくまでも基本料金です。
状態が悪く別途作業が必要な場合ですと追加料金が発生することもあるため、あくまでもケースバイケースではあります。
排水口のつまりの除去を水道業者に依頼してかかる料金の相場はいくら?
マンションや2階でつまりが発生した場合は要注意
トーラー作業や高圧洗浄作業は、メートル単位で料金設定されていることが多いです。
たとえば3メートルまでは1万円で、その後1メートル追加につき3000円加算といった具合です。
よって距離が長くなればなるほど、費用が増える傾向にあります。
一戸建ての1階にある浴室ですと基本料金で収まることが多いですが、マンションや2階に浴室があるような住宅は要注意です。
追加費用が高くなる可能性があるため、追加料金の設定がどのようになっているのか見ておきましょう。
マンションですと全戸一斉に高圧洗浄をおこなう機会なら、割安でできることがあります。
そのようなタイミングを見計らってお願いすると良いかもしれません。
業者選びのポイントは?
業者にも良し悪しがあるため、信頼できる業者にお願いしなければなりません。
つまり除去を依頼する業者選びのポイントとして、なるべく料金体系がシンプルなところがおすすめです。
業者の中にはそれとらしい名目で、さまざまな追加費用を請求する業者もあります。
いわゆるぼったくり業者も世の中には存在しますので、きちんとお客様目線で料金設定をしているかという点はチェックしておきたいところです。
きちんと分かりやすく妥当な金額になっているか、よく確かめましょう。
提示された料金に不安がある場合は、相見積もりを取るのがおすすめです。
複数の業者と比較することで、ハズレの業者を選んでしまうリスクは大きく軽減できます。
水道工事を業者に依頼してかかる料金は?工事店の選び方のポイント
まとめ
浴室は毎日使う場所ですから、排水溝には以下のような汚れが蓄積しやすいです。
- 髪の毛
- 皮脂汚れ
- シャンプーやボディーソープなどの汚れかす
また、詰め替え用シャンプーの切れ端やヘアピンなどを思いがけず落としてしまうこともあります。
固形物や髪の毛のまとまりが核となり、そこに皮脂汚れなどがくっつくと、簡単には取れない大きなつまりを形成してしまいがちです。
つまりが蓋となり排水の流れを塞ぐため、水が流れにくい現象が生じますが、初期であればちょっとしたお手入れでも対処できます。
また、真空式パイプクリーナーやワイヤーブラシを使えばある程度固まったゴミでも取り除ける可能性があります。
ただしあまりに頑固な汚れやつまりの箇所次第では、自分自身で対処しにくいです。
一通り掃除をしても除去しきれないようなら、業者に頼る方向で検討しましょう。