トイレの詰まりを業者に依頼する相場は?見積もりはどの段階で取るべき?
トイレが詰まって水が流れないと、とても焦ってしまいます。
初めてトラブルに見舞われた方は、自分で直せるのか、それとも専門業者を呼んで修理してもらった方が良いかの判断すら難しいでしょう。
業者を呼んだら一体修理代はいくらかかるの?ぼったくりされたらどうしよう…と、修理費用に関して不安を抱く方も多いはず。
全国に数ある水道業者。
まだまだ悪徳業者が残っているとも言われる中、良心的な料金と信頼できるサービスを提供してくれる業者を選ぶためには、ユーザー自身がトイレ詰まり修理の作業内容や費用についての知識を備えておくことが大切です。
そこで今回は、トイレの詰まりを業者に依頼するときの相場についての解説です。
トイレ詰まりが起きたとき業者に依頼すべきタイミングや、詰まりの症状や原因別作業内容や費用相場についてお伝えしていきます。
悪徳業者につかまらないための業者選びのコツについてもお伝えしていきますので、是非最後までご覧ください。
目次
トイレの詰まり 業者に依頼すべきタイミングとは?
トイレ詰まりが起きたら、まずは自分で直そうとする方も多いはず。
ホームセンター等で購入できるラバーカップを使ったり、ネットでトイレ詰まり解消方法を検索して、なんとか直そうとしたりするでしょう。
しかし、詰まりの原因によっては自身で対処できないもの、してはいけないものもあります。
トイレで起こり得る詰まりトラブルのうち、自身で対処できないものは下記の通りです。
- 固形物や水に溶けないものを流してしまった
- ラバーカップではつまりが解消できなかった
- トイレ砂やオムツなど吸水性のあるものを流してしまった
固形物や水に溶けないものに関しては、自身での対処は困難です。
例えば、吸水性ポリマーを含むオムツがつまりの原因だとしましょう。
オムツは便器内で水を吸うとドンドン膨らみ、排水路を塞ぐほどにまでなります。
お湯や市販されているパイプ洗浄剤等の薬剤でも溶かせないため、専門的知識をもつ業者による作業によって物理的に取り出し、除去するしかありません。
他には携帯電話やメガネといった固形物も同様に、専門業者に依頼して直してもらうしかありません。
手で取り出せない位置でつまっている場合は、便器を外して取り出す作業となるでしょう。
そうとは知らずにラバーカップを使用したら詰まりが余計に酷くなってしまうこともあります。
もし便器内を抜け、排水管でつまってしまったら、便器脱着はもちろん、排水管内のつまり除去作業が必要になるなど事態が複雑化するおそれがあります。
状況が悪化すれば、排水管の損傷による水漏れリスクが高まるなど、自己解決が仇となるかもしれません。
固形物や水に溶けないものを流してしまい、トイレの詰まりが起きた場合は、早急に業者に修理を依頼しましょう。
小さなものならそのまま流れていくだろうと思いがちですが、トラップ部分や排水管内に留まる可能性があります。
長年使用している排水管であれば汚れが蓄積されている可能性が高く、その部分に引っかかるかもしれません。
たとえ小さな異物でも、結果的に排水管内の水の通りを狭めるものであれば、頻繁に詰まりが起こる原因となるでしょう。
固形物や水に溶けないものがトイレに流れた=重度の詰まりになる可能性があることを踏まえ、早急に対処することをおすすめします。
水に流せるものは自己修理できる
トイレ詰まりが起きる多くのケースは、大量のトイレットペーパーや排泄物、流せるウェットティッシュやお掃除シートを一度に大量に流してしまったことによるものです。
これらは本来水に溶けるものではありますが、量が多ければ溶けにくくなり、排水路の中で固まってつまってしまうのです。
ただし、これらは案外簡単に解消できます。
現在トイレが詰まっていて、その原因が水に溶けるものであるという確信がある場合は、ラバーカップを使って詰まりを直しましょう。
ラバーカップの使い方は広く知られていますが、正しい使い方を出来ている人はそう多くありません。ちなみにラバーカップには和式用、洋式用、節水型用という3種類のタイプが存在します。和式用は従来型のラバーカップでお椀をひっくり返したような形状です。洋式用は和式用の先端がすぼんでいる形状、節水型用は和式用の淵にツバが付いた形状のものです。使うトイレの選択は必要ですが、使用方法はどれも同じです。
ここでは、ラバーカップの効果な使用方法をご紹介します。
- 便器周辺が汚れる可能性があるため、ビニールシート等で養生しておく
- 便器内の水位が高い場合は灯油ポンプ等で汲みだして水位を調整する
- 排水口にラバーカップを置く(まだ押し込まない)
- カップ部分が水に浸っていない場合は、水を足す
- カップを排水口に密着させてゆっくりと押し込み、凹ませる
- 空気が抜けたら勢いよく引っ張る
- 詰まりが解消されるまで5.6を繰り返す
使い方のコツはゆっくりと押して勢いよく引くこと。
排水路内の空気をしっかりと抜くイメージで押し込み、十分な圧をかけられるよう勢いよく引っ張りましょう。
作業をしている時に圧力がかかっていない感じがする、軽い感じがする時はしっかりと密閉できていません。この業態で何十分続けても効果はありませんので気を付けましょう。
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トイレの詰まり 作業費用の相場はいくら?
業者が行うトイレ詰まりの除去作業は多岐にわたります。
便器内の詰まりを特殊な薬剤や専用器具で除去する方法もあれば、便器を外して下側から取り出したり、便器の排水路とつながっている排水管の中まで作業を行ったりすることもあります。
トイレ詰まりを解消する道具として最もメジャーなのはラバーカップですが、業者の場合は強力な吸引力を持つローポンプや強烈な水圧で汚れを除去する高圧洗浄機等を使って作業するのが一般的です。
業者がどのような道具を使って、どのような作業を行うかは、トイレ詰まりの原因と症状次第となります。
ここでは、業者が行うトイレつまり除去作業の内容と費用の相場について詳しくみていきましょう。
便器内のトイレットペーパーや排泄物は、タンクから流れてくる水の勢いによって複雑な形状の排水路を抜け、排水管へと流れていきます。
しかし、タンク内の部品に不具合が生じていれば、十分な量の水が溜まりません。
その結果、排泄物等を押し流す水が足りず、便器の詰まりへと発展してしまうのです。
明らかに異物を流した自覚がある場合は便器内に原因があると断定できますが、心当たりがない場合はタンクも含め、トイレの様々な器具や部品を確認し、原因を特定していきます。
トイレの詰まりが軽度の場合の料金相場
軽度のトイレ詰まりとは、水に流せるものによって起きたトラブルのことです。
トイレットペーパーや排泄物、水に流せる系のものなど、本来トイレに流して良いものがこれに該当します。
ただし水に流せるものでも、あまりに量が多い場合の詰まりは軽度のトイレ詰まりでは無くなることもあります。
業者が軽度の詰まり除去に使用するのは、薬剤です。
業者が使用する薬剤は、尿石溶解剤や配管洗浄剤といった特殊なものです。
ほとんどの場合は便器の脱着をすることなく、詰まりを解消できるでしょう。
詰まりが軽度の場合の料金相場は下記の通りです。
作業内容 | 料金相場 |
---|---|
特殊薬剤等による詰まり除去 | 4000円~6000円 |
トイレの詰まりが重度の場合の料金相場
重度のトイレ詰まりとは、固形物や水に流せない異物、水に流せる物でもあまりに量が多くて起こるトラブルのことです。
ラバーカップの吸引力では動かしたり取り出したりすることが出来ないもの、薬剤では水に溶けないもの、水に溶かせるものでも量が多すぎて溶けないものを指すと考えておきましょう。
重度の詰まりの場合はローポンプを使ってつまりを除去することになります。
ただし、詰まりの原因が何か、どの部分でつまっているのかによって料金は大きく変わります。
作業内容 | 料金相場 |
---|---|
ローポンプによる詰まり除去 | 8000円~1万5000円 |
便器脱着作業 | 2万円~3万円 |
トイレ詰まり除去を請け負う業者が必ずといってよいほど準備している道具が、ローポンプです。
ラバーカップの数倍の圧力を持っており、強い力で詰まりの原因を動かして流すことができます。
ラバーカップとローポンプの圧力の違いは動かせる水の量(真空時)の違いです。もちろんローポンプの方が断然多いです。また、ラバーカップは棒を引くのに対してローポンプは専用の取っ手を引く為、ローポンプの方が力は加わります。重度の詰まりの様に詰まっているものの量が多く強固だと引く力も強い力が必要になり、ローポンプの様に強い力で多くの水を動かせる道具でなければ解消することができません。
また、固形物の場合は、便器の排水口から詰まりの原因を引き出すことが出来なければ、便器を脱着して、取り出すことになります。
固形物以外でも、ローポンプ作業をしても解消しない場合は、便器脱着をして解消することになります。
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排水管に原因がある場合の料金相場
便器の排水路とつながっている排水管で詰まりが生じている状態、これも重度の詰まりに該当します。
排水管に詰まりの原因がある場合は、高圧洗浄機やトーラーなどの道具を使ってつまりを除去、洗浄します。
作業内容 | 料金(3mまで) | 1mあたりの追加料金 |
---|---|---|
高圧洗浄 | 1万5000円~3万円 | 3000円~5000円 |
トーラー | 1万5000円~2万5000円 | 2000円~4000円 |
上記表の料金相場は、戸建て住宅で高圧洗浄やトレーラーによる詰まり除去をした場合です。
戸建てでも集合住宅の場合は階数によりますが戸建て住宅よりも使用状況が複雑で、長さも必要になると考えられます。
そのため、戸建ての料金よりも1万円~1万5000円程度高くなると想定しておきましょう。
ただ戸建て住宅や集合住宅の1階部分で外部のマスからアプローチできる場合は、便器脱着の作業がしなくてもできる場合もあります。その辺りは現場の排水設備の状況によって変わってきます。
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トイレタンクに原因がある場合の料金相場
トイレつまりの原因が便器内や排水管ではなく、タンクにある場合はタンク内で不具合を起こしている部品の修理や交換が必要になります。
ここでは、トイレタンク内の部品代金についてお伝えします。
部品 | 部品代 |
---|---|
タンクのレバー | 1000円~2500円 |
フロートバルブ | 1000円~3000円 |
ボールタップ | 4000円~1万円 |
止水栓 | 1000円~3000円 |
密結パッキン | ~1000円 |
密結ボルト | ~1000円 |
トイレタンク内には上記表に記載された部品が入っています。
レバーを回すと水が流れ、次に流す時用の水を溜めるという一連の流れは、これらの部品が連動することによって起こるものです。
常に水の中に入っている部品ですから、劣化や錆が発生している可能性もあるでしょう。
場合によっては不具合が生じている部品だけではなく、今後のトラブル防止のために劣化が進んでいる部品を交換する可能性もあります。
作業費用だけじゃない! その他にかかる費用とは
実は、トイレ詰まりの修理には、詰まりを除去するのにかかる作業費用や部品代だけではなく、それ以外の費用も加算されることがあります。
これを知っているといないとでは大違い。
業者によって料金の特色が大きく反映されるところでもありますので、費用の内訳についてしっかり押さえておきましょう。
一般的に、トイレ詰まりの除去・修理費用の際にかかる費用内訳は下記の通りです。
総額=基本料金+部品代(材料費)+作業費(技術費)
基本料金は各社3000円~5000円程度となっていますが、キャンペーン等で無料と銘打っているところも多く見かけます。
その他、出張費、深夜早朝料金、特殊料金、見積り料金が加算される場合もあります。
その為、ローポンプでのつまり除去修理を依頼した場合(ローポンプ作業が1万円の場合)、
基本料金(4000円)+作業費(1万円)=1万4000円
最低でもこれだけの費用がかかるというわけです。上記はあくまでも色々な項目を追加してくる業者となり、弊社とは全く異なります。
この他、出張費や見積り料金等が加算されるため、さらに費用は高くなるでしょう。
トイレ修理業者選びのコツ
トイレの詰まり除去修理や水漏れ修理を専門的に行う業者。
水道修理業者の中には悪徳業者が多いというイメージをお持ちの方も多いでしょう。
実際、見積りよりも多い費用を請求された、広告では○万円といっていたのに実際は3倍以上を請求されたなど、費用に関するトラブル事例が多く挙げられています。
前項をご覧いただくと分かる通り、修理にかかる費用の内訳は複雑です。
最近はCMやマグネット広告で宣伝する大手も増え、クリーンなイメージが定着するとともに、費用の内訳を事細かに記載し、誤解を生まない配慮をしているところも多くあります。
しかしながら、ユーザーである私たち自身も、適正且つ納得できる価格で修理を依頼するために、費用の相場や仕組みについての知識を備えておく必要があるでしょう。
最後に、トイレ修理業者を選ぶコツについて解説いたします。
状況を整理してから依頼の電話をかけること
結局のところ、原因を目視確認できない詰まりトラブルなどは業者自身も実際に作業をしてみなければ修理費用はわかりません。
見積りの段階では薬剤で除去できると思っていても、実際は高圧洗浄機による作業が必要で、見積もりと実際の請求金額に数万円もの差が出ることもあります。
ある程度の誤差は致し方ないでしょう。
ただ、その乖離を小さくすることは可能です。
重要なのは、自身がある程度状況を把握しておくことです。
例えば、「今朝、トイレ掃除のときに掃除シートやトイレットペーパーをまとめて流してしまい、直後から水が全く流れない。
ラバーカップで修理しようとしたが、何度やっても直らない。
このように、いつ・なにを詰まらせたのか、現在の状況と自己修理の経緯や結果について整理しておきましょう。
この内容を依頼電話の際に伝えれば、業者は具体的な作業内容を想定でき、より現実的な費用見積もりを算出しやすくなります。
見積りは必ず書面でもらいましょう
水道修理は、通常は現地見積りとなり、作業員に実際の状況を見てもらってから見積もりを出してもらう形が一般的です。
この時の見積りは口頭ではなく、書面でもらうようにしましょう。どんな作業であれ書面でもらうようにしましょう。
上述しましたが、詰まりは原因を目視確認できない為、解消できる可能性のある作業、もしくは軽度の作業から段階を踏んで行なっていく事がほとんどです。
例えばトイレの詰まり解消には、薬剤、ローポンプ、便器脱着、トーラー、高圧洗浄というような作業があります。まずは薬剤作業を行ってみて改善すれば薬剤作業の料金、改善しなければローポンプ作業を行って改善すればローポンプ作業の料金、改善しなければ便器脱着を行って・・・というように段階を踏んで進めて行くことがあります。
口頭見積もりで進めてしまうと、高い料金を請求されることがあります。今回の詰まりは大変で別の作業も必要になった為、最初は3万円と言いましたが6万円になります、といったように見積り金額を訂正されて高額な修理費用を請求される例もあるようです。
書面で見積書をもらって承認のサインをしてからの作業でないと、このようなことが起こりかねません。見積書を作成して作業し、直らなければ新しい見積書を作成して作業、それでも直らなければまた新しい見積書を作成して作業というのは、手間をかけて業者に申し訳ない様に感じる方がいたり、時間がかかって嫌だと感じる方がいたりします。しかし、これが正式な段取りであり、都度都度見積書にサインをしてから作業してもらうことが一番のリスク回避になります。
もし書面での見積りをお願いして断るような業者であれば、依頼を断った方が良いでしょう。ちゃんと事前に確認して、見積書を出してくれる業者を選ぶことが大切です。
トイレの修理で起こりがちな業者とのトラブル事例や悪質な業者の特徴
まとめ
ここまで、トイレ詰まりを業者に依頼する場合の相場についてお伝えしました。
トイレ詰まりを業者に依頼するかの判断では、詰まりの症状や原因を見極める必要があります。
水に流せるものでしたらラバーカップ等で自己修理できますが、水に流せないものを自己修理するのは困難です。
ラバーカップ等を使うと状況が悪化し、大規模な水漏れや便器の破損に繋がる恐れがありますので、早急に業者に修理を依頼しましょう。
トイレの詰まり除去にかかる費用は、水に流せる軽度のつまり、水に流せない重度の詰まり、排水管の詰まり、トイレタンク内部品の不具合など、症状や原因によって大きく変わります。
修理費用は作業料だけではなく、基本料金や出張料、部品代など様々な費用項目によって構成されており、こちらについても各社料金設定が異なります。
業者に修理を依頼する場合は見積書を作成してもらい、金額に納得した上で依頼しましょう。