気づくと床まで被害に合う?蛇口の根元からの水漏れの直し方まとめ
水漏れは蛇口の様々な部分から起こりますが、蛇口の根本から水漏れをしている場合は被害が大きくなることもあるため注意が必要です。
例えば洗濯機まわりやトイレに備え付けられている蛇口から水漏れをした場合は、床にまで影響が及ぶこともあります。
床まで水が流れると、床が腐ったりカビが生えたりするなどの二次被害が起こる可能性もあります。
そのため蛇口の根本の水漏れに気づいたらすぐに対処しなければなりません。
ひとまず水を止めるための応急処置を行ってから蛇口の修理をしましょう。
蛇口には様々な種類があり蛇口の種類や設置方法によって水漏れの原因は異なるため、まずは蛇口の種類と設置方法を確認して原因を突き止めることが大切です。
水漏れの原因がわかったら修理に必要な道具を用意して修理をはじめましょう。
蛇口の修理をする際は事前の準備を怠ると大きなトラブルを起こす可能性があります。
そのため修理をはじめる前に準備を万全にしておく他、手順もしっかり確認してから修理をはじめなければなりません。
今回は蛇口の根本からの水漏れの直し方を詳しく解説していきます。
目次
蛇口の種類を特定しよう
蛇口には以下の2種類のタイプがあります。
- 単水栓
- 混合栓
単水栓とは1つの蛇口から水かお湯のどちらかが出る金具です。
庭や洗濯機周りに取り付けられていることが多く、新しい建物のキッチンや浴室に取り付けられることはほとんどありません。
一方混合栓は1つの蛇口から水とお湯が出る金具でキッチンや洗面所、浴室などに取り付けられているのが一般的です。
まずは単水栓と混合栓のどちらの蛇口かを見極めましょう。
混合栓の種類を特定しよう
混合栓はさらに以下の3種類に分かれます。
- ツーバルブ混合栓…2つのハンドルやレバーを回して水とお湯を出したり水やお湯の量を調整したりする
- シングルレバー混合栓…1つのレバーを操作して温度調整や水量の調整を行う
- サーモスタット混合栓…左右のダイヤルとレバーを使って温度調整や水量調整、シャワーの切り替えを行う
蛇口の根本からの水漏れの原因は混合栓の種類によって違うこともあるため、混合栓から水漏れが起きている場合は混合栓の種類を明確にすることが大切です。
設置方法も確認しよう
蛇口の根本からの水漏れを修理する際は蛇口の設置方法も確認する必要があります。
設置方法によって水漏れの原因が異なるケースが多いからです。
蛇口の設置方法は以下の2種類です。
- 壁付けタイプ
- 台付けタイプ
壁付けタイプとは名前の通り、蛇口の根本が壁にくっついているタイプの蛇口のことを言います。
洗濯機まわりに取り付けられている水栓の多くは壁付けタイプの水栓です。
台付けタイプはカウンターなどの台につけられている水栓で、キッチンや洗面所などに取り付けられていることが多いです。
パイプの根本から水漏れが起こる原因
蛇口のパイプの根本から水漏れをしている場合は、以下のいずれかの原因によって水漏れを起こしていることが考えられます。
- ナットの緩み
- 台座ビスの緩み
- パッキンの劣化
長く使用している蛇口はナットや台座ビスが緩んでいる可能性があります。
そのためナットや台座ビスを締め直してみましょう。
ナットや台座ビスを締め直しても水漏れが収まらない場合は、パッキンの劣化が考えられます。
ツーバルブ混合栓は比較的簡単にパッキンを交換できます。
しかしシングルレバー混合栓とサーモスタット混合栓のスパウトパッキンを交換する場合は、作業をする際に力が必要になるケースも珍しくありません。
また少しでも水栓の土台が動くと水が溢れる可能性もあるため、修理が苦手な場合は無理をせずに修理業者に修理を依頼したほうが良いです。
蛇口本体の根本から水漏れが起こる原因
次に蛇口の根本から水漏れが起こる原因を見ていきましょう。
蛇口の設置方法 | 水漏れが起こる原因 |
---|---|
壁付けの蛇口 | シールテープの劣化、偏心管パッキンの劣化 |
台付けの蛇口 | ナットの緩み、パッキンの劣化 |
壁付けタイプの蛇口の場合はシールテープの劣化か偏心管パッキンの劣化によって水漏れが起きている可能性が高いです。
台付けタイプの場合はナットの緩みやパッキンの劣化によって水漏れを起こしていることが考えられます。
蛇口の水漏れの修理をする際に最初にやるべきこと
水漏れをしている正確な場所や原因がわかったら修理をはじめましょう。
すぐに修理に取りかかるのではなく、まず次の作業をしなければなりません。
- 止水栓を締める
- 元栓を締める
止水栓や元栓を締めずに作業をすると、水が溢れたり吹き出したりしてしまいます。
そのため必ず止水栓か元栓を締めてから作業しましょう。
蛇口の根本から水漏れが起きている水栓だけの水を止めたい場合は、止水栓を締めるのが望ましいです。
ただし止水栓がない場合やわかりにくい場合もあります。
その場合は元栓を締めましょう。
止水栓がある場所と止水栓の締め方
止水栓がある場所は主に水栓がついている場所の下部です。
キッチンや洗面所の場合は扉の中に隠れている可能性があるため、扉を開けて確認してみましょう。
止水栓を締める部分の形はハンドルタイプとマイナスタイプの2種類です。
マイナスタイプの場合はマイナスドライバーを用意しておきましょう。
止水栓の締め方は次の通りです。
①蛇口の根本にタオルや雑巾を巻いておきます。
②止水栓のハンドルを右回りに回します。マイナスタイプの場合はドライバーを使って時計回りに回しましょう。
止水栓を締めても少しの間は蛇口の根本から水が流れる可能性があるため、蛇口の根本にタオルを巻いておくと安心です。
止水栓とは?設置場所や構造と水道から水漏れする原因と対処方法
元栓がある場所と元栓の締め方
元栓がある場所は建物の種類によって異なります。
建物の種類別に元栓がある場所をまとめました。
建物の種類 | 元栓がある場所 |
---|---|
戸建て住宅 | 建物の外(敷地内)の道路側 |
集合住宅 | 玄関脇のメーターボックスの中 |
築年数の経過した集合住宅 | 建物の外(敷地内) |
元栓が外にある場合は量水器と書かれている水色の蓋がついたボックスの中にあります。
蓋を開けてハンドルやレバーを時計回りに回して水の流れを止めましょう。
水道の元栓から水漏れが起きた時の正しい対処法と止水栓との違いについて
パイプの根本からの水漏れの直し方
パイプの根本からの水漏れは、主にナットの緩みやパッキンの劣化が原因です。
ナットに緩みがある場合はモンキーレンチを使ってナットを締め直しましょう。
シングルレバー混合栓の場合は蛇口の下部にある台座ビスを確認します。
以下の手順で台座ビスを確認し、もしビスが緩んでいるようならビスを締め直しましょう。
①レバーの下部にあるキャップを外します
②キャップを外すと穴が見えるため、その穴に六角レンチを当ててビスを締め直しましょう
③作業が終わったら穴にキャップをかぶせます
ナットや台座ビスを締め直しても水漏れが改善されない場合は、パイプの根本のパッキンが劣化している可能性があります。
パイプの根本のパッキンを交換する方法
パイプの根本のパッキンを交換する際は以下の道具が必要です。
- モンキーレンチ
- ドライバー
- 新しいパッキン(UリングやOリングなど)
- 爪楊枝もしくはピンセット
ツーバルブ混合栓とサーモスタット混合栓のパッキンを交換する手順は以下の通りです。
①モンキーレンチを使ってナットを外します
②蛇口パイプを外します
③古いパッキンを取り出して新しいパッキンを入れましょう
シングルレバー混合栓のパッキンを交換する場合の手順は次の通りです。
①ドライバーを使ってレバーの下部にあるネジを外します
②レバーを外します
③シングルレバー混合栓用の固定器具を使って蛇口の根本を固定します
④カートリッジを外します
⑤2つのパッキンを外し、新しいパッキンをつけましょう
パッキンを購入する際は今使っているものを1度確認して、同じパッキンを用意するようにしましょう。
蛇口の根本の水漏れを直す方法
壁付けタイプの蛇口の場合は、シールテープの劣化や偏心管パッキンの劣化が原因で水漏れを起こしている可能性が高いです。
まずはシールテープの交換方法を紹介していきます。
必要な道具を以下にまとめました。
- モンキーレンチ
- 水栓取り外しレンチ
- シールテープ
単水栓の場合は水栓取り外しレンチを蛇口に引っ掛け、時計回りと逆方向に回します。
混合栓の作業手順は以下の通りです。
①モンキーレンチを使ってクランクナットを緩めます
②蛇口を外したらクランクを時計回りと逆方向に回しましょう
③クランクに巻いてある古いシールテープを外し、新しいシールテープを巻きます
シールテープを巻き終わったらクランクを外したときと逆の順番で部品を取り付けましょう。
偏心管パッキンの交換方法
偏心管パッキンを交換する場合は以下の道具が必要です。
- モンキーレンチ
- 新しいパッキン
- ピンセット
偏心管パッキンの交換方法を以下で確認しましょう。
①モンキーレンチを使ってクランクナットを緩めます
②蛇口を外したら古いパッキンを取り出して新しいパッキンを入れます
古いパッキンが金属にくっついていることもあるため、その際はピンセットや爪楊枝を使って取り出しましょう。
台付けの蛇口の直し方
台付けの蛇口の根本から水漏れが起きている場合は、蛇口の根本のナットの緩みやパッキンの劣化が考えられます。
先に紹介した蛇口パイプの根本から水漏れを起こしているときの修理方法を参考にして、ナットを締め直したりパッキンを交換したりしてみましょう。
ただしシングルレバー混合栓とサーモスタット混合栓の場合はカートリッジが劣化している可能性もあります。
そのためナットを締め直したりパッキンを交換したりしても水漏れが収まらない場合は、カートリッジを交換してみましょう。
シングルレバー混合栓のカートリッジを交換する方法
シングルレバー混合栓のカートリッジを交換する際は以下の道具が必要です。
- ドライバー
- モンキーレンチ
- シングルレバー混合栓用の固定器具
- 新しいカートリッジ
以下の手順でカートリッジを交換していきましょう。
①ドライバーでレバーの下部にあるネジを緩めます
②レバーを外し、シルバーの蓋のような部品を外します
③蛇口の根本にシングルレバー混合栓用の固定器具をセットし、モンキーレンチを使ってカートリッジを外します
④新しいカートリッジをセットします
⑤これまでとは逆の順番で部品をセットして元通りにしましょう
シングルレバー混合栓のカートリッジを外す際は、蛇口の根本の部分をしっかり固定するのがポイントです。
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サーモスタット混合栓のカートリッジを交換する方法
サーモスタット混合栓のカートリッジを交換する際に必要な道具は以下の2点です。
- マイナスドライバー
- 新しいカートリッジ
カートリッジの交換手順は次の通りです。
①マイナスドライバーを使って止水栓を締めます
②蛇口を外します
③筒状になっている蛇口の横にある温度調整ハンドルを外しましょう
④次にストッパーやナットを取り出します
⑤最後に古いカートリッジを取り出して新しいカートリッジを入れましょう
サーモスタット混合栓の場合は蛇口本体に止水栓がついていることもあります。
止水栓を締める際はドライバーで回す回数を数えておき、止水栓を緩める際に同じ回数だけドライバーで回すようにしましょう。
まとめ
蛇口のパイプの根本から水漏れがある場合は、まずナットの緩みや台座ビスの緩みを疑いましょう。
ナットや台座ビスを締め直しても水漏れが改善されないようならば、蛇口パイプの根本のパッキンが劣化している可能性があります。
蛇口本体の根本から水漏れをする原因は、台付けの蛇口か壁付けの蛇口かによって異なります。
壁付けの蛇口の場合はシールテープや偏心菅パッキンの劣化を疑いましょう。
台付けタイプはナットや台座ビスの緩みの他に、パッキンの劣化が考えられます。
水漏れの原因は様々ですが、いずれも修理をするのはそれほど難しくありません。
しかし台付けのシングルレバー混合栓を修理する場合は、水漏れがひどくならないように根本の部分をしっかりと固定する必要があります。
そのため必ずシングルレバー混合栓用の固定器具を用意しておかなければなりません。
また古い蛇口は固くなっていたり部品がなかったりすることもあります。
このように少しでも修理をするのが難しい状況になった場合は修理業者に相談しましょう。