グリストラップって何?構造から詰まり原因・予防方法を徹底解説!

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グリストラップって何?構造から詰まり原因・予防方法を徹底解説!

グリストラップって何?構造から詰まり原因・予防方法を徹底解説!
グリストラップの詰まりは、詰まりの中でも一番ヘビーな詰まりって聞いた事があるんですが、本当ですか?
子レンジャー
子レンジャー
親レンジャー
親レンジャー
そうですね、一番かどうかは別としても、グリストラップの詰まり解消作業は大変な作業になることが多いですね。詰まった時のリスクも大きいので、グリストラップは詰まらせない為の予防が大切になります。

今回はグリストラップの詰まりについて、グリストラップの仕組み、なぜ詰まるのか?どうやったら詰まりを解消できるのか?詰まりを起こさない為の予防方法は?等を詳しく解説して行きます。グリストラップが身近にある方も「知らなかった」という内容があるかもしれませんので、ぜひ最後までご覧ください。

グリストラップとは何か?

グリストラップの英語表記はgreese trapと表記されますが、その意味は「グリスgreese (油)」「trap(捕まえる)」で、直訳すると「油を捕まえる」ということになります。

グリストラップは厨房・キッチンの排水設備で、シンクから流れた排水を「ゴミ」「油」「水」等に分けて、水のみを下水管に流す為の設備です。

では、グリストラップは何処に設置されていて、どんな種類があるのかを見て行きましょう。

グリストラップが設置されている場所

グリストラップは飲食店に設置されています。

飲食店は一般の家庭より調理や洗い物の量と回数が多い為、油やゴミ等を含んだ大量の排水が流れます。それをそのまま流すと環境衛生上、良くないですし、下水管が詰まりやすくもなります。大量の汚れた排水を、極力きれいな排水にして流す為の設備がグリストラップなのです。

飲食店ではグリストラップの設置が法律や条例で定められています。これは一店舗型の飲食店でもビルの一室の飲食店でも同じです。ただしグリストラップの大きさには違いがあり、業種や店舗の面積、営業時間や利用人数などをふまえて、その店に合ったグリストラップの大きさが決まります。

この法律や条例に違反すると業務改善命令を受けることもあります。

グリストラップの種類

グリストラップの大きさは大型の物から小型の物までいろいろとありますが、種類は主に、以下の3種類に分けられます。

  • 屋内埋設型
屋内埋設型グリスト
  • 屋外埋設型
  • 屋内床置型
屋内置き型グリスト

それでは、それぞれの特徴を見て行きましょう。

グリストラップの種類設置状態特徴
屋内埋設型厨房内の床面に埋設されている・一店舗型の店や建物1階の店に適している ・大きいタイプが多い ・設置している店が多い
屋外埋設型敷地内の外部地面に埋設されている・一店舗型の店や建物1階の店に適している(ビルの場合は周囲のスペースも必要) ・大きいタイプが多い ・設置している店が少ない
屋内床置型厨房の床上に置かれている・建物2階以上の店に適している ・小さいタイプが多い ・交換や後付け設置が比較的容易にできる

グリストラップにはこの様に3つの種類(設置状態)がありますが、グリストラップ内部の仕組みはどれも同じようになっています。

それでは次に、グリストラップの仕組みを見て行きましょう。

グリストラップの仕組み

まず、飲食店の排水の流れをご説明いたします(屋内埋設型を例に説明)

蛇口から水を流す → シンク排水口 → 排水栓から蛇腹ホース

排水塩ビ管(床上) → 床下の排水塩ビ管 → グリストラップ

下水管 → 排水桝 → 公共下水管

このような経路を通って排水は流れて行きます。

ちなみに厨房内で流した水は全てグリストラップを通ってから下水管に流れて行きます。
シンクが4つ5つあっても全て一つのグリストラップに流れ、床を掃除して流した水も全てグリストラップに流れてから外に排出されます。

次に、飲食店の厨房ではどのようなものが排水として流れるのかを見て行きましょう。

・調理器具を洗った時の油分を含んだ排水
・食器を洗った時の油分、汚れを含んだ排水
・食べ残しの油分、食材を含んだ排水
・食材を切った時の細かな食材を含んだ排水
・床をブラシ掃除した時のカビ、ヌメリ汚れ、サビ、砂、土を含んだ排水

シンク排水

主にこれらのものがグリストラップに流れて来ます。

まとめてみると、「水」「油分」「食材カス」「残飯」「カビやヌメリ汚れ」「サビ、砂、土などの汚れ」といったところでしょうか。これらの中で「水」だけを先の下水管に流す為の排水設備がグリストラップなのです。

では、水、油、食材カス、残飯、カビやヌメリ汚れ、サビ、砂、土などの混ざった排水の中から、どうやって水だけを排水するのかを見て行きましょう。

グリストラップは長方体の形状で、中が3槽に分かれています。第1槽、第2槽、第3槽と分かれていて、排水塩ビ管(床下)を流れて来た排水が第1槽→第2槽→第3槽の順で流れて行き、第3槽から下水管に排出されて行きます。

各槽にはそれぞれの役割がありますので、解説して行きたいと思います。

第1槽

第1槽はグリストラップの一番手前側の槽で、厨房内から流れて来た排水が最初に入る部分です。第1槽にはゴミ受け用のバスケットが設置されていて、大きめの食材カスや残飯などを集め取る役割があります。バスケットは取り外しが自由なカゴなので、回収したゴミを簡単に捨てることができます。

第1槽で取り除ける物

油分食材カス
残飯カビやヌメリ汚れサビ、砂、土などの汚れ

バスケットを通り抜けた水や油、小さな食材カスなどは次の第2槽に送られます。

第2槽

第2槽はグリストラップの真ん中にある槽で、第1槽と第2層の間には仕切り板があります。仕切り板は下部が空いている為、第1槽からの排水が下から流れ込んで来ます。また、仕切り板があることによって水流が抑えられる為、排水は第2槽の中をゆっくり流れて行きます。この第2槽では水、油、小さなゴミなどを分離させていきます

まず、油は水よりも比重が軽い為、水面に浮きます。水面に浮いた油は、最初は膜状になりますが徐々に固形物化して行きます。浮き上がってくる油の量が多ければ多い程、水面の固形物化した油はどんどん体積を増やし、水面で塊となったり周囲の壁面にこびり付いたりして行きます

次に、バスケットを通り抜けた小さな食材カスやゴミの内、水より比重の重いゴミは底に落ちて行きます。第2槽は水の流れが緩やかなこととグリストラップには深さがある為、底の部分は流れがあまり無く、ゴミは底に沈殿して行きます。更に第2槽の底の真ん中には小さな仕切り板がある為、沈殿したゴミは仕切り板に止められて次の槽に流れにくくなっています

第2槽で取り除ける物

油分食材カス
残飯カビやヌメリ汚れサビ、砂、土などの汚れ

ちなみに、第2槽が2つあるグリストラップもあり、そのタイプは4槽式のグリストラップとなります。尚、3槽式よりも4槽式の方が、より油やゴミを分離しやすくなっています。

主だった油と小さなゴミが分離した排水は次の槽に流れて行きます。

第3槽

第3槽はグリストラップの一番奥にある槽で、第2槽と第3層の間にも仕切り板があります。第3槽は下水管と接続しており、汚れを取り除かれた排水は下水管に流れて行きます。

第3槽には下水管と接続しているトラップ管が設置されています。このトラップがあることによって、下水管からの臭気や害虫が上がって来るのを防いでいます。

以上のように、第1槽から第2槽、第2槽から第3槽へと排水から汚れを分離させて取り除いて行くのがグリストラップなのです

グリストラップ詰まりが起きた時のリスク

グリストラップの詰まりには2パターンあります。

  • グリストラップ自体が詰まっているパターン
  • グリストラップ先の下水管が詰まっているパターン

どちらもグリストラップが流れないということに変わりはありませんが、詰まっている場所が違うということですね。

では、グリストラップはなぜ詰まるのか、詰まるとどんなリスクがあるのかを解説して行きます。

グリストラップはなぜ詰まるのか?

厨房の全ての排水が流れて来るグリストラップは油やゴミを分離させる設備ですが、定期的に清掃をしないとどんどん汚れやゴミが溜まって、最終的に詰まってしまいます。

第1槽にあるバスケットは、定期的にバスケットのゴミを取り除いたりバスケットを清掃したりしないと、バスケットに流れ込んできた排水は残っている食材カスや残飯等によってバスケットを通らずにバスケットから溢れるようになります。溢れた排水は汚れやゴミを取り除けないまま、次の槽に送られます。

第2槽は水、油、ゴミなどを分離させる部分ですが、第1槽からの排水が汚れ過ぎていると効果的に分離させることが出来ず、汚れを伴ったまま次の槽に送られます

そして第3槽のトラップの部分で詰まってしまうのです。これがグリストラップ内での詰まり方です。そして、汚れの混ざった大量の排水が下水管に流れて行き、下水管を詰まらせてしまいます。これがグリストラップのもう一つの詰まり方です。

どちらもグリストラップから水が溢れるという詰まり症状になります。

グリストラップの清掃は「した方が良い」ではなく、「しなければいけない」  

普通の排水と違い、グリストラップは意図的に汚れを分離させてグリストラップ内に留めるという排水設備なので定期的な清掃が必須になります。これは一般家庭のキッチン排水口の清掃などとは意味合いが違います。キッチンの排水口清掃はやったほうが良いというレベルなのに対し、グリストラップ清掃は定期的にやらなければいけないというレベルの内容です。ここは間違えないようにしなければいけません。

このようにグリストラップ詰まりの原因は「清掃をしていない」、または「清掃の頻度が足りない」ということになります。

グリストラップが詰まるとどんなリスクがある?

グリストラップが詰まると厨房で水を使えなくなります。水が使えないと調理はもちろんですが、洗い物が出来なくなってしまいます、ということは店の営業が出来なくなるということです。飲食店で営業が出来なくなるということは大変なリスクです

グリストラップの清掃を怠ると営業を停止せざるを得なくなるのでくれぐれも気を付けましょう。

もう一つのリスクは修理費用です。グリストラップ詰まりの解消作業は修理費用も高くなる傾向にあります。詰まりの状態や店の状態にもよりますが、料金相場としては5万円~10万円位になることが多いようです。

このように、営業できない、修理費用が高くつくというリスクは回避したいものです。

グリストラップ詰まりが起きやすい業種とは?

飲食店にグリストラップがあるということですが、業種によって詰まりやすい詰まりにくいということはありますか?
子レンジャー
子レンジャー
親レンジャー
親レンジャー
はい、あります。飲食店であればどの業種も同じということはなく、グリストラップが詰まりやすい業種はあります。では、詰まりやすい業種を3つ紹介いたします。
詰まりやすい業種理由
ラーメン店ラーメンのスープにはかなり油分が含まれています。特に豚骨系ラーメンのスープは油の量、質共に詰まりになりやすい素材が使われています。
中華料理店中華料理は調理に沢山の油を使います。調理が終わった調理器具や食事の済んだ食器にも油が多く付いているので、洗うとその油が全部グリストラップに流れて行きます。
洋食店洋食では揚げ物やフライ、またクリームソースなどで油が多く使われています。また洋食の場合、食材の脂も多くグリストラップに流れて行きます。

今回ご紹介した業種はもちろんですが、それ以外でも油を多く使うお店はグリストラップの清掃頻度を多めにした方が良いでしょう。

グリストラップ詰まりの解消方法

グリストラップが詰まった場合はどうしたらいいのでしょうか?業者への電話?DIYで直す?いくつか方法はあると思いますが、効果的な方法を紹介して行きます。

①グリストラップの中のゴミを取る

最初に行った方良いことはグリストラップの中のゴミを取るということです。

本来はグリストラップの清掃をした方が良いですが、詰まっていると水が使えないので、バスケットのゴミ、浮いている油、淵にこびり付いている油、沈殿したゴミ等を取り除きます

取り除いたゴミは袋に入れて廃棄します。決して他の場所で流さないようにしましょう。また、油などの塊りは産業廃棄物になりますので専門業者に引き取ってもらう必要があります

②水道業者に修理依頼をする

次に水道業者に修理を依頼しましょう。グリストラップ詰まりはヘビーな詰まりになることが多いのでDIYでの作業はお勧めしません。

最初のグリストラップの中のゴミを取ることは詰まりの解消ではありませんが、やっておくことで水道業者の費用を抑えることができます。何もせずに呼んだ場合はその清掃作業にも費用はかかりますし、汚れたままだと見た目のインパクトが大きいので費用も高くなりがちです。

ちなみに、水道業者はどのように詰まりを解消するのかをご紹介いたします。
使う工具は2つで、電動トーラー機高圧洗浄機です。
電動トーラーはワイヤーの機械で、油の塊に穴を開けたり砕いたりします
高圧洗浄は洗管ホースを配管内に入れ、油の塊りに直接噴射して溶かして行きます

高圧洗浄は洗管ホースを配管内に入れ、油の塊りに直接噴射して溶かして行きます

やってはいけないこと

グリストラップが詰まった時にやってはいけないことがあります。それはお湯を大量に流すことです。一般家庭のキッチン排水詰まりの場合は50~60℃のお湯を流すことで油の塊や汚れを溶かしたり柔らかくしたりして流して行く方法もあります。しかし、グリストラップではこの方法があてはまりませんのでご注意下さい。

なぜ、お湯で詰まりを解消しようとしてはいけないのか?  

それは、大量のお湯はグリストラップの中に溜まった油の塊を溶かしてしまうからです。 グリストラップはその機能により、第2槽の水面に油を集めます。集まった油汚れが固形物化することによって取り除きやすくなっていますが、大量のお湯を流してしまうとせっかく集めた油の塊がまた水の中に溶け出してしまいます。そして、第2槽で回収できるはずだった油が下水管まで流れて行きます。そして、最終的には下水管内で詰まりとなってしまうのです。  

くれぐれもお湯で解消しようとしないでください。

グリストラップ詰まりの予防方法

グリストラップは、詰まった時にどうするかよりも如何に詰まらせないかが大事です。その予防のポイントは「定期的に清掃をする」ということです。

では、どのような清掃をして行けば良いのかを見て行きましょう。

グリストラップの定期清掃と頻度

最初のポイントは清掃頻度です。先ほどもご説明しましたがグリストラップという排水設備は定期的な清掃が必要不可欠です。家のキッチンとは全く違いますので、その辺りを混同しない様にしましょう。なので、流れがおかしくなったら清掃するという考えではなく、決まった日に清掃をするという取り組みが必要になります。

清掃の頻度は、業種や店によっても汚れ方が違うので統一は出来ませんが、まずは月に1回、決めた日に行うようにしましょう(毎月15日や毎月第2月曜日など)

月に1回では間に合わない場合は2週間に1回、それでも間に合わない場合は1週間と自分の店の最適なペースを見つけて行きましょう。

グリストラップの清掃方法

次にグリストラップの清掃方法を紹介して行きます。

第1槽の清掃方法
バスケットに溜まったゴミをゴミ袋に入れます。バスケットはそのまま戻すのではなく、キレイに洗ってから戻しましょう。

第2槽の清掃方法
水面に浮かんだ油の塊を網ですくい上げてゴミ袋に入れます。壁と水面の淵にも油が溜まっているので、ヘラなどで削ぎ落し、網ですくい上げてゴミ袋に入れましょう。 底に沈殿したゴミはスコップなどで取り除き、ゴミ袋に入れます。ゴミが舞わない様に静かに持ち上げましょう。

第3槽の清掃方法
トラップにある点検口を外して中を確認します。中が汚れている様であれば細長いブラシなどでキレイにしましょう。

尚、グリストラップの清掃は清掃業者に任せるという方法もあります。1回、清掃業者を呼んで清掃をしてもらい、掃除の仕方を見て次回からは自分でやってみるということも出来ます。

グリストラップ下水管の定期高圧洗浄

グリストラップは水と油やゴミを分離させるものですが、グリストラップを通って下水管に流れた水はキレイか?というと決してそんなことは無く、排水は排水です。ろ過をしている訳では無いので思い違いしないようにしましょう。

なので、グリストラップ先の下水管にも、少ないですが油やゴミが混ざった排水が流れて行きます。グリストラップの清掃をしていなかったら下水管はすぐに詰まりますが、ちゃんと定期的に清掃していても年単位では詰まってしまうこともあります。

その予防としては水道業者の高圧洗浄が効果的です。ちゃんとグリストラップの清掃を定期的にしていれば下水管の高圧洗浄は1年に1回、または2年に1回という頻度で良いかもしれません。こちらも定期清掃のスケジュールに組み込めると詰まりのリスクを遠ざけることが出来ます。

まとめ

グリストラップの詰まりについていろいろと紹介してきましたが、グリストラップ詰まりは修理よりも予防が大切です。定期的な清掃さえしていれば、詰まりのリスクは大きく下がります。

そして、グリストラップの機能を知っておくことも大事です。グリストラップ内ではどこで何を分離させているのかも知っておくと、清掃も効果的に出来ます。

それでももし、グリストラップが詰まってしまった時はアクアレンジャーまでご相談ください。


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