トイレの詰まりを修理するのに便利?ハンガーで修理を行う方法とは
トイレ詰まりが発生した時にハンガーで修理する方法を知っておくと便利です。
詰まりトラブルが急に起きた場合、専用の道具を持っていないことがあります。
スッポンと呼ばれるラバーカップを持っていない時、ハンガーなどの身近な道具を使って修理する方法を知っているのであれば、すぐにトラブルに対処できます。
ハンガーを使ってどのようにトイレ詰まりを直せるのか解説していきます。
家庭にあるハンガー以外の身近な道具を使って、トイレ詰まりを解消する方法も調べてみました。
自分で詰まりに対処する時に注意すべき点も掲載しているので参考にしてください。
目次
トイレの詰まりをハンガーで修理する方法を解説
トイレ詰まりが発生した時に、ハンガーを使って修理をすることができます。
ハンガーはラバーカップなどの道具がない時だけでなく、詰まっている物を取り出したい時にも使える便利な道具です。
どのようにハンガーを使って詰まりを修理できるか解説します。
ハンガーの加工方法
トイレ詰まりに使用できるハンガーは、クリーニング店で渡されるような針金ハンガータイプです。
針金ハンガーで使用されている針金は、ワイヤーブラシのように使用することができます。
適度な強度があるので詰まりの元を解消できますし、固すぎないので便器を傷つけません。
ハンガーを使って詰まりを解消するには形を変えなければなりません。
どのような形状へ加工したらよいか下の表からご覧ください。
加工する形 | 特徴 |
---|---|
U字タイプ | 便器の中へ入りやすい |
回転タイプ | 硬い異物を砕きやすい |
フックタイプ | 異物を引き抜くのに向いている |
U字タイプは、ハンガーのフックになっている部分を少し細くしてあげるだけで完成します。
尖った箇所がないので便器の中へ入って行きやすい特徴があります。
便器の奥の方にある詰まりの原因を探ったり、解消したりするのに向いている形です。
回転タイプは、ハンガーをまず引き延ばして先端をらせん状にします。
料理で使うめん棒などに巻き付けて加工すると、上手にらせん状を作れます。
回転タイプは詰まっている異物が硬い場合、粉砕するのに適した形です。
犬や猫の糞をトイレに流して詰まった時に使える形状になっています。
フックタイプは、ハンガーの先端を釣り針のように折り曲げて加工します。
先端を鋭角や直角にして詰まっている異物を引き抜くのに向いている形状です。
子供のおむつや生理用ナプキンを流してしまった時に使用するとよいでしょう。
ハンガーで詰まりを解消する手順
ハンガーを使ってトイレ詰まりを解消する手順を見ていきます。
- ハンガーの先端を加工する
- ハンガーを便器へ差し込む
- 異物を感じたら分解する
- バケツで水を流す
ハンガーの先端を加工する際は、何が詰まっているかを考えてどの形にするか決めてください。
加工後はハンガーを便器の排水管へゆっくり差し込んでいき、細かく動かしながら異物があるかどうか確認します。
上下左右にハンガーを動かしていくと異物を感じやすいです。
詰まりの原因の感触があれば、異物を分解したり崩したりしてください。
ただし、詰まっている異物が分解できないものや、水に溶けないものであれば引き抜くようにしましょう。
トイレに流してもよい異物だけ分解するようにします。
詰まっている原因を分解し終わった後は、すぐにトイレタンクから水を流すのではなく、バケツに水をくんで少量ずつ流し込んでください。
徐々に水を流すことで、詰まりが本当に解消されたのかチェックできます。
水が流れていけば詰まりが解消されたサインですし、便器にたまるようであればまだ何か詰まっています。
ハンガーで対応できる詰まりトラブルとは?
ハンガーを使って対応できる詰まりトラブルは、便器の浅いところに異物があるケースです。
手前の方におむつや排泄物が詰まっている時にハンガーで対応できます。
ハンガーは形状的に便器の奥まで入っていきますが、奥に入れすぎると排水管を破損させることがあるので注意してください。
基本的に便器の手前にある詰まりの原因を確かめ、解消するために使える方法です。
ハンガーを使った詰まり修理の方法は、和式トイレにも有効です。
和式トイレは洋式トイレと違って便器の中の排水路の形がシンプルです。
そのためハンガーで異物を見つけ分解しやすくなっています。
和式トイレは水たまりの部分が四角いため、ラバーカップがフィットしにくくなっており、異物の吸引が難しいことがあります。
しかしハンガーであれば、詰まっている原因を引き抜いたり水へ流したりできます。
ハンガー以外の身近な道具でもトイレ詰まりは修理できるの?
トイレ詰まりはハンガー以外の身近な道具でも対応することができます。
具体的に何を使って詰まりを直したらよいのか、どんな詰まりに対応できるのかを表から確認してください。
使用できる道具 | 対応できる詰まりのタイプ |
---|---|
食器用洗剤 | 人間の排泄物や紙による軽度の詰まり |
お湯 | ティッシュやトイレットペーパーなど水に溶けやすい詰まり |
重曹とお酢 | 排泄物や紙による軽度の詰まり |
ペットボトル | 排泄物や紙による軽度の詰まり |
ビニール袋 | スマホや子供のおもちゃなどの固形物 |
上記の道具を使った修理方法を詳しく説明します。
食器用洗剤を使う修理方法
一般家庭にある食器用洗剤を使って、トイレ詰まりを解消できることがあります。
使用するのは食器用洗剤とお湯です。
食器用洗剤は100CCほどを使用し、お湯は1.5リッターほどで、水温は40度から50度程度にします。
修理方法は以下の手順になります。
- 食器用洗剤を便器の水たまり箇所へ入れる
- お湯を流す
- 30分ほど放置
- お湯をさらに流す
食器用洗剤を流す前に、水たまり箇所の汚水を減らしておくと洗剤による詰まり解消の効果が高まります。
安全のために便器やウォシュレットの電源を抜いておくことを忘れないでください。
食器用洗剤以外にも使用できる洗剤があります。
- トイレ用洗剤
- お風呂用洗剤
- 洗濯用洗剤
アルカリ性洗剤や塩素系洗剤なら、排泄物のタンパク質を溶かせるので詰まり解消に役立ちます。
お湯に溶けやすい液体タイプの方が使い勝手がよいです。
洗剤を使う時の注意点は、複数の洗剤を混ぜないことと、有機ガラス製の便器は使える洗剤が限られていることです。
お湯を使う修理方法
お湯だけを使った詰まりを修理する方法があります。
実際に修理をする前にお湯の温度を40度から50度程度にし、バケツを2個用意してください。
温度が高い方が詰まりを溶かす効果が高いと思われるかもしれませんが、熱湯は便器を破損させる危険があるのでやめましょう。
お湯を使った修理方法は以下の通りです。
- 便器の汚水をくみ出す
- 高めの位置からお湯を少量ずつ注ぐ
- 1と2の手順を繰り返す
- お湯を40分ほど放置
便器の汚水をくみ出すことによってお湯だけが排水管に溜まり、詰まりを解消しやすくなります。
一つのバケツに汚水をくみ取り、もう一つのバケツに便器へ流すお湯を入れておきます。
汚水をくみ出す時に、灯油ポンプを使ってバケツへ水を移すと簡単です。
バケツがない時には洗面器やヤカンなどを使ってください。
お湯を40分ほど放置することで、詰まっている排泄物や紙がふやけて流れるようになります。
重曹とお酢を使う修理方法
トイレの詰まりを修理するのに重曹とお酢を使うことができます。
重曹は家の掃除に使われることが多いので、常備してあるという人がいるかもしれません。
もし重曹を持っていないのであれば下記の場所で購入できます。
- 100均ショップ
- ドラッグストア
- ホームセンター
- スーパー
比較的どこでも重曹は手に入り、トイレ以外の掃除に使えるので、持っていない人はこれを機会に用意しておいてもよいでしょう。
重曹を使った修理の手順を紹介します。
- カップ4分の1の重曹を水たまり箇所へ入れる
- カップ2分の1のお酢を注ぐ
- お湯を1リッターほど注ぐ
- 泡立ってきたら50分放置
- バケツで水を流す
重曹とお酢はティッシュやトイレットペーパーなど水に溶けやすい詰まりを解消するのに向いています。
アルカリ性の重曹にお酢を混ぜることで炭酸ガスが発生し、詰まりの原因を水へ溶けやすくします。
小便用の便器にたまりやすい尿石を溶かす効果もあります。
炭酸ガスが発生すると二酸化炭素の濃度が高くなるので、トイレの換気を十分してください。
ペットボトルを使う修理方法
ラバーカップが無い時に、ペットボトルを代用品として使うことができます。
ペットボトルは500ml用が便器の排水口にはまるので使い勝手がよいです。
使用の際に手が汚れてしまうので、ゴム手袋を用意してください。
ペットボトルを使う修理方法を説明します。
- カッターでペットボトルの下側をカットする
- ゴム手袋をしてペットボトルの上部を排水口へ差し込む
- ペットボトルを押したり引いたりする
ペットボトルをカットする時は底の部分だけを切り取ってください。
キャップは外し、フタの部分を手で塞いで排水口へ差し込み、ラバーカップを使う要領で押したり引いたりしていきます。
何度か出し入れすると詰まっている異物が動いて水が流れるようになります。
ペットボトルを引く時に、汚水が跳ね返ってくることがあるので気をつけてください。
便器の周りへ汚水が付かないように雑巾や新聞紙で養生することもできます。
上記の手順を繰り返しているとペットボトルの素材によってはへたってきますから、何本かペットボトルを用意しておくことをオススメします。
ビニール袋を使う修理方法
スマホや子供のおもちゃを便器へ落としてしまった時に使える方法が、ビニール袋を使った修理方法です。
ビニール袋を使った方法は、便器の奥へ自分の手を入れるため、人によっては嫌だと思うかもしれません。
抵抗がある時には他の方法を使うか、水道業者へ相談してください。
ビニール袋を使った修理方法と注意点を紹介します。
- ゴム手袋をしてビニール袋に手を入れる
- 便器の排水口へ手を突っ込む
手順としてはこれだけです。
詰まっている異物が手前にある時は引き抜き、異物が奥にある時は手をグーにして出し入れするとラバーカップの原理で異物が手前に来ることがあります。
手が大きい場合、排水口の奥に手が詰まって抜けなくなることがあるので注意してください。
ビニール袋は破ける可能性があるので2重にしておくとよいです。
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トイレ詰まりを修理する際に知っておきたい注意点
トイレ詰まりを自分で修理する際に知っておくべき注意点を説明します。
修理をする時に失敗すると、問題を悪化させたり便器を壊したりしてしまいます。
正しい知識が無いのに修理しても、全く効果が無いことがあるので気をつけてください。
熱湯はNG
すでに説明していますが、大切な点なので繰り返します。
トイレ詰まりを解消する時に熱湯を使うのは絶対にダメです。
便器が詰まった時の修理方法として、時々インターネットに熱湯を使って対処する方法が紹介されていることがありますが、危険なのでやめてください。
ぬるま湯より熱湯の方が詰まっている異物を軟化させる効果は高いですが、便器を破損させるリスクがあります。
熱湯で便器が割れることがあるのでやめましょう。
洗面台や台所のシンクは熱湯が使われることを設定して製造されていますが、トイレの便器は熱湯の使用が前提で製造されている訳ではありません。
便器の素材は熱湯が注がれるとヒートショック現象が起きてしまいます。
ヒートショック現象とは、物の表面に極度の温度差が生じた時に発生する衝撃のことです。
氷を入れたガラスのコップに水を注ぐと表面が割れることがあるのと似た現象です。
便器が割れると本体を丸ごと交換しなければならなくなり、数十万円の出費になりかねないので注意してください。
薬剤を過信しない
食器用洗剤や家庭にある洗剤で詰まりを修理できると説明しましたが、薬剤による詰まり解消効果を過信しないようにしましょう。
洗剤が効果を発揮するのはタンパク質を分解できる排泄物や、ふやかすことができる紙系の詰まりです。
それ以外の詰まりの場合に、薬剤だけで異物を動かすことは難しいです。
アルカリ性の業務用洗剤を使うと、排水管が変形してしまうことがあるので気をつけてください。
ただし男性用小便器に尿石が詰まっている時には酸性の洗剤が有効です。
業務用の尿石除去剤を使って尿石を溶かすことができます。
しかし業務用は酸性が非常に強い劇薬なので、使用の際には細心の注意が必要です。
もし洗剤を使う時には家庭用の洗剤を使い、それでダメなら水道業者へ依頼する方が安心です。
節水対策に注意
節水のために、トイレタンクの中にペットボトルを入れている家庭を見かけることがあります。
ペットボトルを使った節水はトイレ詰まりを誘発するのでやめてください。
トイレタンクの中にたまる水量は、排泄物を流すために必要な量が計算されて入っています。
最近のトイレは水量の計算が精密で、排泄物を流すのに最適な量だけをタンク内にためるようになっているのです。
トイレタンクにペットボトルを入れてしまうと必要な水量が流れないので、排泄物が汚水管まで届かず、手前にたまってトイレが詰まることがあります。
ペットボトルがタンク内の部品に接触し、水が流れっぱなしになったり、部品が壊れてしまったりすることがあります。
タンク内のボールタップや浮き球は、トイレを使用する度に動くため、ペットボトルに接触してしまう可能性が高いので気をつけましょう。
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まとめ
トイレの詰まりを修理するのに便利なのがハンガーです。
プラスチック製ではなく、針金タイプのハンガーがトイレ詰まり解消の道具として使えます。
ハンガーの先をU字にしたり、らせん状にしたりして詰まりの元を分解していけます。
詰まっている異物を引き抜きたい場合には、先端をフックの形へ加工してください。
ハンガーを便器の奥へ入れすぎると排水管を傷付けてしまうことがあるので注意しましょう。
トイレ詰まりはハンガー以外の身近な道具で対処することもできます。
食器用洗剤やお湯、そして重曹やお酢などを使って修理してみてください。
ペットボトルやビニール袋を使って詰まりを直す方法もあります。
自分で修理しても詰まりが直らない時には、水道業者へ相談してみましょう。