カランの修理は自分でできる?水道の蛇口から水が止まらない時の対処法
水道の蛇口から水が止まらないトラブルが起きた時、カランの修理を自分でしたいと思う人も多いのではないでしょうか。
簡単な部品交換であればカランの修理を自分で行うことは可能ですが、家庭で使われている水道の蛇口には様々な種類があります。
自分で修理を行うためには、先に蛇口の種類を知ってそれにあった対処法をすることがポイントになります。
そこで蛇口の種類と、簡単な水漏れを直すのに必要な道具を紹介します。
またカランの修理方法を蛇口の種類ごとに手順をまとめたので、参考にしてみてください。
目次
蛇口の種類とカランの修理で必須な工具アイテム
蛇口と一口にいっても、家庭で使われている蛇口には様々な種類があります。
そのため、まずは蛇口の種類について解説します。
また、自分でカランを修理するために必要な最低限の必須工具についても見ていきましょう。
多くの家庭で使われている蛇口の種類
昔の家で主流だったのは単水栓と呼ばれる水道ですが、今では用途に分けて使いやすいカランがそれぞれの場所に使われています。
今多くの家庭で使われているのは、以下のようなカランです。
蛇口の種類 | 特徴 | 使われている主な場所 |
---|---|---|
単水栓 | 銀色の水だけが出るタイプの水栓。 | 洗濯場や屋外、学校などで使用されている。 |
ツーハンドル混合水栓 | ハンドルがお湯と水の2個あり、ハンドル部分に赤と青の色がついているタイプ。 | 洗面所・キッチンなどで使用されている。 |
シングルレバー混合水栓 | レバーハンドルの水栓。左右に動かすとお湯と水が使い分けられる。 | 新しい住宅の台所や洗面所で使用されている。 |
開閉バルブ式水栓 | サーモスタット混合水栓とも呼ばれている。右側にレバー、左側に温度調節がついている。 | 主に浴室で使われている。 |
単水栓やツーハンドル混合水栓は古くからあるタイプのカランです。
水しか出ない、もしくは水とお湯の調節をする手間はありますが、構造が単純で壊れにくく修理の難易度も低いのが特徴です。
これらの蛇口の水が止まらない原因は、主に内部にあるコマのような形をしたケレップと呼ばれるゴムの劣化です。
次に新しい住宅のキッチンや洗面所についているのが、シングルレバー混合水栓です。
こちらの水漏れは、内部にあるカートリッジを交換することで水漏れ修理を行うことができます。
浴室にあるサーモスタット混合水栓の水漏れは、開閉バルブの劣化が考えられるので工具で外して交換すると改善することが多いでしょう。
水道のカランを修理する道具について
カランを自分で修理するためには、工具が必要です。
最低限用意しておきたい工具は次の通りです。
水漏れを直す道具 | 特徴 |
---|---|
モンキーレンチ・モーターレンチ | ボルトや固定ナットを回すための工具。シングルレバー混合水栓のカートリッジ交換はモーターレンチを使う。 |
精密ドライバー | ネジで固定されているものもあるので準備しておこう。 |
水栓レンチ | 蛇口を外すために必要な工具。 |
シングルレバーカートリッジ取り外し工具 | カートリッジの入ったパーツを取り外すために胴体を固定しておく工具 |
六角レンチ・トルクレンチ | ナットを閉めるための工具。 |
ピンセット | ゴムや小さな部品を取るための工具。 |
家庭に元々あるものもあれば、揃えないとない専門的なものもあるので初期費用はかかります。
全て揃えておくのが面倒だと感じる場合は、業者に依頼しましょう。
またこれらの外にも壁付け水栓を直すときに必要なシールテープや、給水管の掃除に便利なブラシ、タオルなどを用意しておきましょう。
モンキーレンチやドライバーは様々な大きさのボルトやネジを回せるよう、可変域が広いタイプを用意しておくと非常に便利でしょう。
単水栓・ツーハンドル混合水栓の修理方法
単水栓は屋外や庭などでも使用されている蛇口です。
また、ツーハンドル混合水栓はお湯と水が2つのハンドルで出せる蛇口で、キッチンやお風呂で使用されています。
単水栓とツーハンドル混合水栓は見た目は違いますが、蛇口が一つが二つの違いで、構造は似ていることが多いです。
そのため、単水栓やツーハンドル混合水栓が水漏れを起こす箇所ごとの修理方法を、同時に見ていきましょう。
修理を行う前に、必ず水道の元栓を閉めてから行うようにしましょう。
水道の元栓の場所は、家によって違いがありますが、一般的にマンションの場合は玄関のドアの周りにあります。
戸建ての場合は家屋の横や裏側についている場合が多いです。
修理を行った後は、必ず水道を出し水漏れ確認を行ってください。
カランの吐水口から水が漏れる
ハンドルを閉めても吐水口からポタポタしたり、チョロチョロと水漏れが起こる場合があります。
理由はハンドルの中にあるコマパッキンのパッキンが劣化していることが考えられます。
ハンドルを外して、ゴムが原因か調べますが、単水栓とツーハンドルの外し方が異なるので、チェックしておきましょう。
単水栓の場合
①ハンドルの下のナットをモンキーレンチで外してハンドルを取る(②へ進んでください)
ツーハンドル混合水栓の場合
(1)赤と青のハンドルのキャップを取り、ドライバーでネジを緩めて外す
(2)袋ナットをモンキーレンチで緩めて外す(②へ進んでください)
②コマの頭が見えるのでコマをピンセットで引き抜く
③コマについているパッキンを新しいものと交換する
④コマをハンドルに差し込む
⑤外した時と逆手順で本体を固定する
節水コマやエスコマも消耗品なのでコマそのものを交換しましょう。
ホームセンター等にいくと、セットで売られている場合が多いでしょう。
パイプの付け根から水が漏れる
蛇口の接続部にはパッキンが使用されていますが、その部分が劣化することで水漏れが起こります。
他にも接続部のナットの緩みでも水漏れが起こるので、以下の手順で修理を行いましょう。
①モンキーレンチでナットが緩んでいないかチェック(閉まっているのに漏れる場合は②へ)
②モンキーレンチでパイプの付け根のナットを外す
③パイプにあるナットをずらし、リングとUパッキンを取り外す
④Uパッキンを新しいものと交換し逆手順で閉める
Uパッキンを交換し、逆手順で閉める時にナットを閉めすぎるとパイプに不具合が生じる可能性があります。
ナットは閉めすぎに注意しましょう。
ハンドルの下から水漏れする
ハンドル下にナットがあり、その中にパッキンがありますがそれが劣化していると水漏れが起きます。
以下の通りに手順を追って、修理を行いましょう。
①ハンドルを全開にする
②モンキーレンチでハンドル下のナットを緩めハンドルを外す
③ハンドルを分解するとパッキンを押さえる三角パッキンがある
④三角パッキンを新しいものと交換する
⑤逆の工程でハンドルを元に戻す
ハンドルを取る場合は、水道の元栓を必ず閉めてから行うようにしましょう。
モンキーレンチ以外にもプライヤーを使用することもできます。
蛇口の取り付け部分から水漏れ
蛇口が取り付けられている壁から水が漏れる場合は、取り付け部分のパッキンやシールテープの劣化が考えられます。
まずは取り外して、パッキンやシールテープに不具合がないかを確認してみましょう。
①水栓レンチを蛇口本体に引っ掛けて回転させる
②手で回せるくらい緩めたら手で外す
③外した蛇口本体の根元のシールとパッキンを外す
④シールテープは根元から巻いていく
⑤逆手順で蛇口を取り付ける
シールテープはある程度テンションをかけながらまくのがポイントです。
蛇口本体を取り付けた後は、傾きが無いかをチェックします。
傾いている場合はシールテープを巻き付けて調節をしましょう。
シングルレバー混合水栓の修理方法
シングルレバー混合水栓は、主に新しい住宅のキッチンなどで使われている水栓になります。
レバーを左右に動かすことでお湯と水を変えられる便利なカランです。
シングルレバー混合水栓の水漏れを起こしやすい箇所や原因、修理方法を見てみましょう。
レバーの下から水漏れする原因
シングルレバー混合水栓の水漏れで最も多い水漏れの箇所がレバーの下です。
レバーを上げると水が漏れ、下げると水が止まるという特徴があります。
下げると水が止まるため放置しがちですが、水漏れを放置すると本体の不具合に発展することもあるため、早めになおしましょう。
この不具合の場合はバルブカートリッジを交換することで解消されます。
スパウト周りから水漏れする原因
スパウトはレバーの下にある銀色の金具のことで、この部分からの水漏れもハンドルを上げると水が漏れ、下げると水が止まる特徴があります。
スパウト周辺の水漏れは、バルブカートリッジかパッキンを交換すると解消します。
吐水口から水漏れする原因
レバーを下げてもなおカランの吐水口からポタポタと水漏れする場合があります。
その場合もバルブカートリッジの故障や劣化が考えられます。
カートリッジを新しいものと交換すると、解消されることが多いでしょう。
バルブカートリッジの修理方法
シングルレバー混合水栓が水漏れを起こしている場合、パッキンよりもカートリッジの不具合で水漏れが起こることが多くあります。
まずはパッキンではなくカートリッジと呼ばれる部分の交換を行いましょう。
カートリッジはどれでも良いわけではなく、メーカーや製品ごとに分かれています。
使用している蛇口のメーカーや型番などを把握してから修理を行うことがポイントです。
止水栓を閉めて、次の手順で行いましょう。
①レバーの中央部分の温水冷水マークを細い金具で取り外す
②六角棒レンチを差し込み回転させてハンドルを外す
③台付シングルレバーカーリッジ専用取り外し工具を胴体の下にある穴に差し込み固定する
④胴体を固定しながらカートリッジが入ったカバーパーツをモーターレンチで回す
⑤カバーパーツの中にあるカートリッジを外して交換する
⑥カバーパーツを手で回して締めた後再度モータレンチできつく締める
⑦逆手順でハンドルを元に戻す
シングルレバー混合水栓のカートリッジ交換での注意点は、下の胴体が一緒に回らないよう、専用工具で固定しておくことです。
新しいカートリッジに交換し、再度モーターレンチで締める際も、胴体部分は固定したまま締めましょう。
胴体パッキンの交換方法
シングルレバー混合水栓の水漏れは、多くがカートリッジの不具合ですが、パッキンの劣化も原因として考えられます。
Uパッキンと呼ばれるゴムで、上下2か所あるため2か所とも交換しましょう。
手順は以下の通りです。
①カートリッジカバーパーツを六角レンチで外す
②スパウトストッパーと呼ばれる丸いわっかを外す
③スパウトを左右に動かしながら上に引き上げる
④上下2か所にあるパッキンを外し新しいものと交換する
⑤スパウトを取り付け、逆手順でカートリッジ・ハンドルを取り付ける
Uパッキンはパッキンの向きを必ず確認して外し、同じ向きで取り付けましょう。
向きを間違えると水漏れが直らないので注意してください。
最後に止水栓を開けて、水漏れ確認を行って終了です。
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サーモスタット混合水栓の修理方法
サーモスタット混合水栓とは、主に浴室で使われている温度調整器がついた蛇口のことです。
カランとシャワーがついており、上下のレバーで切り替えを行うことでシャワーおよびカランから水やお湯が出ます。
サーモスタット混合水栓の蛇口の水漏れの症状は以下があります。
- サーモスタット混合水栓のカランの吐水口からポタポタ
- サーモスタット混合水栓のハンドル付け根から水漏れ
上記の水漏れはいずれも、お湯や水を出すためのハンドルの中にある開閉バルブユニットの不具合が考えられます。
開閉バルブユニットは、新しい設備であれば金属製ですが、中には樹脂製のハンドルがあります。
樹脂製は長年の使用で破損し、内部で漏れた水がハンドル付け根から出てくる場合があります。
また開閉バルブはカバーやストッパーなどで固定されていますが、経年劣化で破損すると、水漏れを起こす場合があります。
これらの場合はバルブ本体を交換することで解消されるでしょう。
修理する際は止水栓や元栓を締めてから行いましょう。
修理が終わったら、カランとシャワーの切り替えがきちんとできるかどうかを確認してください。
また水漏れ確認も忘れずに行いましょう。
開閉バルブの交換方法
サーモスタット混合水栓の開閉バルブの交換手順を説明します。
使用している水栓のメーカーや型番を調べ、それに合うものを買って用意しておきましょう。
手順は以下の通りになります。
①レバーを外す(手で引っ張ると取れるタイプとキャップを外しネジを外すタイプがある)
②開閉バルブ固定ガイドをモンキーレンチまたはモーターレンチで外す
③スペーサーと呼ばれる白い器具を引き抜く
④開閉バルブをペンチで引き出す
④新しい開閉バルブを取り付ける
⑤ガイドを取り付けレバーを元に戻す
レバーを外し、カランやシャワーのマークがついている表示リングを外す際は、力を入れすぎて折らないように気を付けてください。
また開閉バルブ固定ガイドは固着して回らない場合があります。
壁に取り付けてある蛇口の場合無理やり力を入れて回すと、壁の中の配管に不具合が出るので注意して取り外しましょう。
開閉バルブを取り付ける際は、正しい向きがあります。
部品を購入した時についてくる取扱説明書をきちんと読んで、取り付けを行いましょう。
パッキンの交換方法
サーモスタット混合水栓のハンドル部分や、吐水口から水漏れを起こす場合はバルブ交換で解消されることが多いです。
一方でサーモスタット混合水栓のスパウトの付け根から水漏れが起こる場合は、中にあるパッキンの劣化が考えられます。
そのため、パッキンの交換手順についても把握しておきましょう。
①サーモスタット混合水栓のナットを緩めパイプを引き抜く
②すぐに古いパッキンがあるので新しいものと交換する
③パイプを取り付けてナットを締める
パッキン交換を行っても、水漏れが直らない場合はスパウト自体の不具合があります。
大掛かりな交換になる場合は、水道業者に依頼をして修理をしてもらいましょう。
サーモスタットの水栓で起こりやすい水漏れ箇所は?交換の費用の目安
まとめ
カランの修理を自分でできるかも、と考える方にパッキン交換やカートリッジの交換など簡単な部品交換を紹介しました。
水道の蛇口から水が止まらない時の対処法として覚えておくと大変便利です。
蛇口にはキッチンやお風呂、洗面所など水を使用する目的で使われる蛇口の種類が変わります。
その蛇口の種類の違いによって、使われている部品も違えば、修理方法も異なることがお分かりいただけたでしょう。
蛇口の修理を行う際は、どこに水漏れが起きているのかをチェックすることがポイントです。
水漏れ箇所に合った修理を行い、水漏れを解消しましょう。
また修理を行う際は、必ず止水栓や元栓を閉めてからというのは、どの水栓でも必ず行ってください。
自信のない方は、水道業者に相談して水漏れを直してもらいましょう。