シングルレバー混合水栓の水漏れを修理や交換する方法をまとめました
シングルレバー混合水栓から水漏れが発生した時に、自分で修理できるかなと感じることがあるかもしれません。
水漏れの程度によっては自分で修理をすることや、問題の部品を交換することが可能です。
しかし修理を成功させるためには、前もってする準備や揃えておく道具について知っておかなければなりません。
シングルレバー混合水栓の水漏れを修理するために知っておきたい情報や、修理と部品の交換方法に関する情報をまとめました。
修理の際に役立つシングルレバー混合水栓の構造についても説明していきます。
目次
シングルレバー混合水栓の構造を確認しておこう
シングルレバー混合水栓は、ハンドルレバーが一つの水栓です。
新しい住宅や水回りのリフォームを最近した家で取り付けられる水栓のほとんどはシングルレバー混合水栓です。
ハンドルレバーを操作することで、水量と水温の調節ができる特徴があります。
一つのレバーで水量と温度の調節ができるため、片手で操作がしやすく使い勝手がよいと人気の水栓です。
シングルレバー混合水栓は様々なメーカーから販売されており、基本的な仕組みはどれも同じですが使われている部品は異なっています。
どのメーカーでも似たような形だから中の部品も同じだろうと考えないでください。
シングルレバー混合水栓の主要部品はバルブカートリッジです。
バルブカートリッジが水量と水温の調整を行っています。
シングルレバー混合水栓に水漏れなどの不具合が発生した時の原因はバルブカートリッジに起因することが多いです。
バルブカートリッジはインターネットショッピングやホームセンターで購入できます。
水栓の構造はどのようになっているのでしょうか。
シングルレバー混合水栓の土台部分が、水道が流れてくる給水パイプへ繋がっています。
給水パイプとの接合部にパッキンが付いており、パッキンには本体と給水パイプの接合箇所から水漏れが起きないようにする役割があります。
パッキンの上にはスパウトと呼ばれる部品があり、スパウト内部にバルブカートリッジが収納されます。
スパウトは本体の真ん中部分にあって、吐水口部分までを含んでいるパーツです。
シングルレバー混合水栓本体の上部とスパウトを繋げる部分にもパッキンが付いていて、その上にハンドルレバーが乗せられています。
スパウト内部のバルブカートリッジの下には3つの部品が取り付けられています。
- Oリング
- UVパッキン
- トップシールパッキン
上から順番に取り付けられていて、吐水口やスパウトとの接合部から水漏れが起きないようにしています。
シングルレバー混合水栓で水漏れしやすい箇所はドコ?
シングルレバー混合水栓で水漏れしやすい箇所はどこか説明します。
下の表から水漏れが多い箇所と考えられる原因をご覧ください。
水漏れしやすい箇所 | 原因 |
---|---|
吐水口 | バルブカートリッジに不具合、Oリングの破損 |
スパウト | バルブカートリッジに不具合、スパウト自体の経年劣化、接合部のUVパッキンが破損、 |
シングルレバー混合水栓本体 | バルブカートリッジに不具合、接合部のナットが緩んでいる |
シングルレバー混合水栓本体の根元 | 接合部のパッキンが破損、給水パイプとの接続不良 |
それぞれの水漏れしやすい箇所と原因について詳しく解説します。
吐水口
スパウト先端の吐水口から水漏れが発生している場合、バルブカートリッジに不具合があると考えられます。
バルブカートリッジに不具合が起きると水量の調節が上手く行われず、水漏れすることがあるのです。
シングルレバー混合水栓を取り付けてから10年以上経っていると製品寿命が近づき、バルブカートリッジに不具合が発生することがあります。
吐水口を含むスパウトと水栓の土台部分を繋げる箇所に、Oリングと呼ばれるパーツが使われています。
Oリングが劣化して破損している時にも吐水口から水漏れが起きます。
吐水口からの水漏れを修理する方法は、バルブカートリッジの交換かOリングの交換になります。
スパウト
スパウトと水栓本体の接合部から水漏れが起きている時には3つの原因を疑ってください。
- バルブカートリッジに不具合
- スパウト自体の経年劣化
- 接合部のUVパッキンが破損
吐水口の項でも説明しましたがバルブカートリッジに不具合があると水漏れします。
さらにスパウトは左右に動くタイプがあり、稼働するタイプだと徐々にパーツ自体の経年劣化が進みます。
動かす度に接合部が摩耗して隙間が空き、水漏れすることがあるのです。
長年使用してきてスパウトの素材そのものが劣化して破損するケースも見られます。
スパウトの経年劣化の場合は、部品交換で対応してください。
接合部に取り付けられているパッキンが破損していることが原因のこともあります。
UVパッキンの劣化が進み、ひび割れたり縮んだりすると隙間が空いて水漏れするのです。
修理するためにはUVパッキンを新しい物へ交換してあげましょう。
シングルレバー混合水栓本体
シングルレバー混合水栓本体から水漏れすることもよくあります。
水栓本体からの水漏れは、接合部のナットが緩んでいることや、バルブカートリッジに不具合があることが原因です。
ナットを締め直したり、バルブカートリッジを交換したりして対応します。
水漏れしている時には、最初に接合部のナットが緩んでいないか、ナットが破損していないかをチェックしてください。
レバーハンドルを左右に動かして、ぐらつきがあればナットが緩んでいる可能性があります。
ナットに問題が無ければ、バルブカートリッジが原因の可能性が大きいので部品を交換してください。
シングルレバー混合水栓本体の根元
別の水漏れしやすい箇所は、シングルレバー混合水栓本体の根元です。
根元から水漏れしている場合、接合部のパッキンが破損か給水パイプとの接続不良が原因でしょう。
10年以上使用している水栓だとパッキンが劣化して破損することがあります。
もしくは給水パイプとの接続が上手くいっておらず、水漏れしていることも考えられます。
台所のシンクを交換した後やシンク下の水道工事をした時に、水栓を一旦外し、工事後に再接続した際に上手く繋がっていないのかもしれません。
接続部分のナットを締め直すか、ナットを取り付け直すことで対応してください。
洗面所特有の水漏れしやすい箇所
シングルレバー混合水栓は台所で使われているだけではなく、洗面所でも使用されることが多いです。
水栓が設置されている場所によって水漏れしやすい箇所や原因が違ってきます。
洗面所に設置されるシングルレバー混合水栓には2つの種類があります。
- コンビネーション型
- シャワー付属型
コンビネーション型は水栓の右側にレバーが付いていて、左側に吐水口が取り付けられています。
シャワー付属型は、吐水口を引っ張るとシャワーホースが出てくる構造です。
それぞれの種類によって水漏れしやすい箇所が異なります。
例えば、コンビネーション型は右側のレバーと左側の吐水口の接続部分から水漏れしたり、ハンドルレバーの根元から水漏れしたりします。
シャワー付属型はホースが劣化して水漏れすることがよくあります。
シングルレバー混合水栓の水漏れを修理する方法とは?
シングルレバー混合水栓から水漏れが発生した時に修理する方法を説明します。
修理を失敗させないために、修理前に確認することや用意しておくと便利な道具についても解説していきます。
DIYで修理をする時の参考にしてください。
水漏れ修理前に確認すること
水漏れ修理の際は、いきなり水栓の部品交換をするのではなく、止水栓や元栓を閉めなければなりません。
もし閉め忘れると修理の時に水が勢いよく飛び出してきて水浸しになりますし、水道代も跳ね上がってしまいます。
必ず止水栓や元栓を閉め忘れないようにしてください。
止水栓は水栓の近くにあり、特定の水栓に水道が流れないように止める役割を果たします。
元栓は家全体の水道の流れを止めます。
止水栓と元栓は普段は使うことがないので、どこに設置されているか分からないかもしれません。
一般的な設置場所を表から確認してください。
止水栓 | 台所のシンク下、洗面台の下 |
元栓 | 戸建て住宅なら敷地内の水道メーターがある場所、マンションは玄関近くの箱の中 |
台所の場合、止水栓はシンク下に設置されています。
シンク下をのぞき込むとすぐに見えるタイプと、パネルの中に隠されているタイプがあります。
隠されているタイプは、パネルを外してあげると止水栓が出てきます。
パネルはネジで留められているのでプラスドライバーで外してください。
洗面台の下の止水栓は2種類あります。
- 給水パイプ
- 給湯パイプ
シングルレバー混合水栓の修理をする際は、両方の止水栓を止めてください。
元栓は戸建て住宅なら敷地内の水道メーターがある場所に設置されています。
大抵、敷地内の地面へ埋め込まれており、長方形の箱形をしていて蓋は青色なので見つけやすいです。
マンションの元栓は玄関近くの箱の中にあります。
壁に埋め込まれている箱で、扉を開けるとガスメーターや水道メーターと一緒に元栓が設置されています。
分からない場合には管理人へ確認してください。
止水栓と元栓を締める際には、どちらも時計回りに締めます。
レバーが付いていれば右へ回し、マイナス型の溝が付いていればマイナスドライバーを使って回してください。
水漏れ修理に必要な道具
水漏れ修理に必要な道具はいくつかあります。
- ウォーターポンププライヤー
- モンキーレンチ
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- 六角レンチ
- ピンセット
上記の道具はどれも特殊工具ではないので、ホームセンターや100均ショップなどで手に入れられます。
六角レンチやピンセットは用意できなくても問題ありません。
水栓のナットの種類によっては六角レンチがあると便利だったり、ピンセットがあるとパッキンなどの細かなパーツの扱いが楽だったりしますが無くても作業はできます。
水漏れ修理のためにパーツを正しく選ぶ方法
水漏れ修理のためにパーツを正しく選ぶ方法も知っておきましょう。
パーツ選びで失敗するといざ水栓を分解しても新しいパーツを取り付けられないことや、パーツを付けても水漏れが直らないことがあります。
正しいパーツ選びのコツは、水栓のメーカーへ型番を問い合わせることです。
水栓の説明書があればすぐに型番が分かりますが、説明書が見つからない時はメーカーへ直接連絡するのが簡単です。
型番さえ分かればホームセンターやインターネットショッピングで購入できます。
メーカーへ問い合わせる時には使用しているシングルレバー混合水栓の製品番号を伝える必要があります。
製品番号は、吐水口の根元や裏側にシールで張られていることが多いです。
バルブカートリッジの交換方法
道具とパーツを揃えた後は部品の交換をしていきます。
バルブカートリッジの交換方法を見てみましょう。
- 排水口に蓋をする
- ハンドルレバーを外す
- バルブカートリッジを取り出す
- 新しいパーツを取り付ける
- 試用運転する
交換作業中にパーツが排水口へ落ちてしまうことがあるので、排水口には蓋をしておきましょう。
ハンドルレバーを外す時は上部にある固定ネジを外し、マイナスドライバーをレバーの根元へ当てながらゆっくり上に引き抜いてください。
バルブカートリッジを取り出す時は、スパウトが外れないように固定しながらバルブカートリッジだけを抜き出すようにします。
古いパーツを抜き出したのと同じ向きで、新しいバルブカートリッジを設置してください。
次に、外したパーツを逆の順番で取り付けていき、水道を流しながら試用運転して問題が無ければ作業完了です。
ツーバルブ混合栓からの水漏れを自分で修理するための準備や手順まとめ
パッキンの交換方法
シングルレバー混合水栓のパッキンを交換する方法です。
ここではスパウト下部にあるパッキンを交換する方法を紹介します。
- 排水口に蓋をする
- ハンドルレバーを外す
- バルブカートリッジを外す
- スパウトを取り外す
- パッキンを交換する
- 試用運転する
バルブカートリッジを外すまでは上記の交換方法と同じです。
スパウトを取り外す時に水栓の根元がぐらつかないように片手でしっかり固定してください。
パッキンを交換する時の注意点は、パッキンの向きを間違わないことです。
どちらを上にするか決まっているので間違わないようにしてください。
新しいパッキンを取り付ける前に、接合部の汚れを掃除するようにしましょう。
水垢やカビ、苔などがそのままになっていると新しいパッキンを取り付けても、汚れとパッキンの間に隙間が空いてしまい再び水漏れすることがあります。
今説明しているパッキンの交換手順は、OリングとUVパッキン、そしてトップシールパッキンの交換時にも適用できます。
混合栓の蛇口のパッキンを交換する方法や選ぶ時の注意点を徹底解説
シングルレバー混合水栓の本体を交換する方法が知りたい
シングルレバー混合水栓の本体を交換する方法を紹介します。
- 排水口に蓋をする
- 給水パイプと給湯パイプを外す
- 水栓本体の固定ナットを外す
- 水栓本体を引き抜く
- 上面施工用アダプターを取り付ける
- 新しい水栓本体を設置する
- 給水パイプと給湯パイプを接続
- 試用運転する
給水パイプと給湯パイプを外す際は、ボルトやナットが硬く締まっているので、工具を使ってゆっくり緩めてください。
ウォーターポンププライヤーやモンキーレンチが役立ちます。
古い水栓本体を引き抜いた後は、接続部付近を掃除してください。
掃除をすることで新しい水栓を設置した時の建付けがよくなります。
続いて上面施工用アダプターを取り付けますが、水栓の種類によってアダプターをボルトで締めるタイプと、ナットで締めるタイプがあります。
新しい水栓を設置する際は、接合部のオスネジとメスネジのところにシールテープを巻き付けてください。
シールテープを巻くことで水漏れしにくくなります。
給水パイプと給湯パイプを接続した後に水道を流し、試用運転をしてください。
自分でできる水道水漏れ修理の方法や直らない時プロに依頼する判断基準
まとめ
シングルレバー混合水栓の水漏れしやすい箇所は、吐水口やスパウトです。
水栓本体や本体の根元から水漏れすることもあります。
いずれの箇所も水漏れの原因は、本体や部品の経年劣化ということが多いです。
バルブカートリッジやパッキンが劣化して、正常に機能しないことが原因で水漏れします。
水栓の各パーツの接合部や、給水パイプとの接合部のナットが緩んでいることが原因で水漏れすることもあります。
水漏れを修理する方法は、ナットの緩みを直したり問題の部品を交換したりすることです。
部品交換の際は止水栓や元栓を閉めるのを忘れないでください。
修理用の道具と部品が揃っている時や、交換する自信がある人は自分で作業できるでしょう。
上手に作業できるか不安な人は水道業者へ依頼すると安心です。
浄水器や食洗機が接続されていて、複雑な作業が必要になるケースも水道業者へ相談することをオススメします。