グローエの水栓からの水漏れは直せる?蛇口交換でかかる費用は高い?
近年、住宅の設計段階からデザイン性にこだわる方が増えてきました。
これまで、どの住宅でも同じような型ばかりだった水栓器具も、デザイン性や機能性が求められるようになっています。
そこで注目を集めているのが、世界的にも優れた製品として評価の高いグローエです。
美しいフォルムは、これまでの水栓器具の概念を覆すデザインながら、高級家具よりも手ごろな価格で取り付けられるため人気です。
ただ、国内のメーカーほど普及しているものではないため、水漏れ時の対処法や交換に関する情報がまだまだ少ないのが現状です。
グローエの水栓から水漏れしたら自分で直すことができるの?蛇口交換にかかる費用は高い?という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこで今回は、グローエの水栓についての解説です。
グローエ水栓の水漏れでお悩みの方はもちろん、グローエ水栓への交換をご検討の方も、是非最後までご覧ください。
目次
グローエの水栓について
国際的な賞であるレッドドットデザイン賞を何度も受賞しているドイツ製のグローエ。
優れたデザイン性と機能性をもつ製品として世界中から長年、高い評価を受けています。
最大の特徴は、やはりそのデザイン性でしょう。
グローエの製品は外注のデザイナーを使わない、インハウスデザイナーによるもの。
チームによる一貫した製品づくりが、長い間変わらないデザイン性の高さとクオリティを維持しています。
グローエが長年支持され続けているのはデザイン性の高さだけではありません。
品質の高さこそが多くのユーザーに支持されているのです。
研究所ではサイクルテストや表面仕上げへの耐光・耐久テスト、第三者による認証試験など、高い品質を維持するための数々のテストが行われ、それをクリアしたものだけが製品化されているのです。
グローエの水栓器具が日本の一般住宅に多く採用されるようになったのはここ最近のこと。
そこには、限られた予算の中、一点豪華主義として最も目立つ水栓器具にこだわる人が増えたからでしょう。
対面型キッチンが主流となった今、水回りの空間がオープンになるため、使いやすさはもちろん、見え方にポイントを置く人が増えているのです。
海外製品にもかかわらず、日本のリピーターが多いのも頷けます。
日本の水道規格にも対応できる
グローエが国内でこれだけの支持を集めているのは、日本の水道規格にも対応できるからというのが大きなポイントでしょう。
グローエは2017年に、国内業界最大手のLIXILグループ会社となりました。
日本水道協会・電気安全環境研究所・日本工業規格の認証も取得し、日本の水道規格に合致する製品開発を行っています。
国内でも信頼の高い部品を使用するなど、日本のユーザーに向けた製品を作り出しているのです。
これまで、海外製品はおしゃれだけど、設置するには特別な工事が必要であったり、自身で調達する必要があるなど、手間や費用がかかるのがネックでした。
しかしグローエなら、特別な設置工事をせずに取り付けができるため、耐用年数を迎えて交換時期がきても、またグローエの製品を取り付けるという人が多くなっています。
グローエの水栓 水漏れはどこから?
グローエに限らず、水栓器具の内部は様々な部品によって構成されています。
ゴム製のパッキン、樹脂製のカートリッジなど、これらの部品は使用の度に摩耗し、経年劣化していきます。
水栓器具の耐用年数はおよそ10年程度。
毎日のように使用していれば、使用開始から10年を迎える頃にトラブルが起こり始めるでしょう。
水栓器具のトラブルは経年劣化によるものだけではありません。
レバーを強く操作してしまったことや大きな地震などによる強い衝撃も、水栓器具の内部部品を傷めるため、トラブルの原因となるでしょう。
グローエの製品は最高水準の素材をもって作られたものであり、それらはあらゆる耐久試験にクリアしています。
しかしながら、経年劣化や不意の衝撃によるトラブルを避けることはできません。
日本の水道規格に合わせたものではありますが、海外とは水質の大きく異なる日本では、海外製品ならではのトラブルに見舞われることもあるでしょう。
蛇口からのポタポタの原因
グローエ製に限らず、多くの水栓で多いのが、蛇口の先端からポタポタと水が滴るというもの。
吐水の操作ハンドルをしっかりと閉めているにもかかわらず、水がでてきます。
グローエ水栓のトラブルでも、こちらの症状が多くみられるようです。
蛇口からの水漏れの原因は、水栓内部にあるバルブカートリッジの不具合が原因だと考えられます。
バルブカートリッジとは、シングルレバー混合栓と呼ばれる水栓器具に内蔵されている部品のことを言います。
シングルレバー混合栓にとって、バルブカートリッジは心臓のようなもの。
なぜなら、この部品こそが水とお湯の量や温度の調節を担う部分だからです。
このような症状の水漏れを直すには、カートリッジの交換が必要となるでしょう。
グローエのシングルレバー混合栓
グローエ製の水栓器具には様々なラインナップがありますが、その中でシングルレバー混合栓として分類されるものは下記の通りです。
キッチン水栓 | 洗面台水栓 |
---|---|
ミンタ | リネア |
ゼドラ | エッセンス |
K4、K7 | ユーロプラス |
グローエブルー | ユーロスタイル |
ユーロディスク | ユーロコスモポリタン |
グローエ商品ラインナップの中のほんの一部ではありますが、これらのように、一つのハンドルで水と湯両方の流量を調節できるものをシングルレバー混合栓といいます。
蛇口本体からの水漏れ
ポタポタ水漏れの次に多いのが、水栓器具の本体からジワジワと水漏れするケースです。
この水漏れは、蛇口から水(湯)を出しているときに起こることが多いため、水漏れが発覚するまでに時間がかかります。
このような水漏れが起きるのは、水栓内部のパッキンの不具合によるものであることが多いです。
シングルレバー混合栓や2ハンドル混合栓など、器具の種類にかかわらず、水栓内部にはいくつものパッキンが内蔵されています。
これらは管や機械部品のつなぎ目にあり、気密性や水密性を保つ役割を持っています。
しかし、ゴム製のため経年劣化しやすく、耐用年数を前にトラブルの原因となる事も少なくありません。
蛇口本体からの水漏れを直すには、パッキンを新しいものに交換する必要があるでしょう。
シャワーヘッドからの水漏れ
シャワーヘッドの吐水口から水がポタポタと落ちてくる、この原因は吐水口の穴に塩素やミネラルが堆積したためだと考えられます。
水がでてくる穴を擦ると小さな白い粉が出てくるでしょう。
日本の水道水は軟水ですが、海外のヨーロッパ地域の多くは硬水のため、日本以上にシャワーヘッドにミネラルが溜まりやすくなります。
これを取りやすくするため、グローエ製のシャワー散水板にはシリコン製の突起が設けられています。
これはグローエスピードクリーンと呼ばれ、突起部分を指で軽くこするだけで穴に詰まった汚れやミネラルを簡単に除去できるというものです。
しかし、シリコンは劣化しやすい上、普段のお手入れとしてこの作業をしていなければ、シリコン内に汚れが溜まってしまいます。
汚れが溜まるとシャワーの水が抜けにくくなるため、ハンドルを閉めた後でもポタポタと水が滴ってしまいます。
このような状態ですと、シャワーの使い心地、肌あたりにも違和感が生じているでしょう。
シャワーヘッドが故障しているというわけはありませんが、衛生面を考えても、シャワーヘッドの交換をおすすめします。
シャワーヘッドにある操作ボタンから水漏れしている場合は、ヘッドの故障が原因と考えられます。
こちらの場合も新しいものとの交換を検討しましょう。
水栓器具は家電製品などと同じく、いつかは買替が必要になるものであると心得ておきましょう。
その場合、修理をしたら使い続けることができますか?
グローエの水漏れ修理方法
水栓器具からの水漏れの原因は様々ありますが、前項でお伝えしたものが原因の場合は自身で修理することができます。
ネット上には水栓器具の水漏れ修理方法が幾つも掲載されていますが、大半は国内メーカーのものばかり。
海外製品のグローエの修理方法を知りたい!という方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、グローエの水栓から水漏れが起こったときの直し方についてお伝えします。
ただし、留意して頂きたいことがあります。
例えば、車の修理や車検でも、外車は受け付けてもらえなかったり、国産車よりも高くつくもの。
これは水栓器具も同じです。
水道の水漏れを修理する業者はたくさんありますが、なかには海外製品であるグローエの修理を受け付けなかったり、費用が高くなるところもあります。
国産とは違う、それはつまり、部品の値段はもちろん、作業リスクも異なるということです。
自分で修理を行うと費用は部品代だけ。
業者に依頼するよりも格段に安く抑えることが出来ますが、その分リスクがあることを踏まえ、慎重に作業を行ってください。
シングルレバー混合栓の修理方法
シングルレバー混合栓の水漏れ原因の多くは、バルブカートリッジの不具合にあると考えられますので、新しいものと交換しましょう。
パーツには互換性はありませんので、公式HPまたはネット通販サイトで専用の物を購入する必要があります。
その際は型番を間違えないようにお気を付けください。
既に流通していない製品ですと部品を手に入れられない可能性もありますので、その場合は水栓器具の交換を検討しましょう。
- 止水栓又は元栓を閉め、ハンドルを操作しても水が出ないようにする
- 操作ハンドルの固定ネジを外し、ハンドルを引き抜く
- モンキーレンチでカートリッジ押さえを外し、カートリッジを引き抜く
- 新しいバルブカートリッジを入れる
- 外したときと逆の手順で部品を取り付ける
使用年数が経過し、パッキンも劣化していると考えられる場合は作業の過程でそちらも交換しておくと良いでしょう。
基本的な手順や方法は国産メーカーのものと変わりませんが、種類によってはカートリッジ押さえを外す際に専用器具が必要なものもあります。
また、レバーハンドルが固着していて、手で外せないこともあるでしょう。
無理に作業を進めると水栓器具自体を傷めてしまいますので、作業を中断し、グローエ製品の修理に対応している業者に連絡をして下さい。
inax製(LIXIL)シングルレバー混合水栓の水漏れハンドルの外し方や修理方法
2ハンドル混合栓の修理方法
2ハンドル混合栓(コスタ、アラベスク等)から水漏れが起こるのは、コマパッキンの劣化が一つの原因として考えられます。
ハンドルを分解し、新しいものと交換しましょう。
コマパッキンは公式HPやネット通販サイトで購入できますので、型番をよく確認し、合うものをご購入下さい。
- 止水栓又は元栓を閉め、ハンドルを操作しても水が出ないようにする
- ハンドルキャップを外し、中にあるネジをドライバーで外して取る
- モンキーレンチでハンドルカバーを外す
- ヘッドパーツを外す
- ヘッドパーツにあるコマパッキンのネジを緩めて外す
- 新しいコマパッキンを取り付ける
- 外したときと逆の手順で部品を取り付ける
ヘッドパーツが固着し、外れにくい可能性があります。
モンキーレンチ等で外そうとすると圧によって水栓器具が損傷するおそれがありますので、十分気を付けましょう。
シャワーヘッドの交換方法
シャワーヘッドの散水板に汚れがつまっている、ヘッドのスイッチ部分から水漏れしているという場合はシャワーヘッドの交換をしましょう。
グローエは海外製ですが、特殊工具等を使用せずに取り換え可能です。
グローエからグローエへの交換は、ホースが同じですので特にサイズ等を確かめなくても大丈夫です、
ただし、他メーカーからグローエへと交換する場合は、ネジの大きさや山の数が合わない可能性があります。
その際は専用の接続アダプタを購入すると良いでしょう。
- ホースとシャワーの接続部分を回し、シャワーヘッドを取り外す
- ホースと新しいシャワーヘッドのネジ山を合わせる
- ヘッドを右に、ホースを左に回して締める
こちらは止水栓を閉めなくても作業できます。
ネジ山等で怪我をしないよう、軍手を装着しておくと安心です。
業者の修理費用目安
グローエ製品の水漏れ修理を行った場合の費用目安は下記の通りです。
項目 | 水漏れ |
---|---|
キッチン | 9000円~ |
洗面台 | 9000円~ |
浴室 | 1万円~ |
こちらは、東京・神奈川・千葉・埼玉の一部エリアを出張範囲としているグローエ正規取扱店の修理費用(出張費+作業費)の一例となります。
水漏れの場合ですとパッキンやカートリッジの交換が必要になると考えられるため、この費用に加え、部品代も必要となるでしょう。
原因や水漏れの度合いによっては特殊料金など追加料金が加算されるかもしれません。
いずれにせよ、国内メーカーよりも3000円~1万円程度高い修理費用がかかると考えられます。
toto製シングルレバーの混合栓からの水漏れを修理や交換する費用は?
蛇口交換にかかる費用について
グローエの水栓はパッキンやカートリッジの交換でしたら、部品さえ調達できれば自身で直すことが出来ます。
しかし、水栓器具そのものの交換を自身で行うのは大変難しいでしょう。
国内メーカーの水栓交換は、DIYに慣れている方であれば一人で作業できます。
しかし、グローエ製の水栓器具はシャワーホースや浄水器等が付属されているものが多く、カウンター下の取り付け作業については難易度が高いです。
知識の無い人が作業を行い、接続パーツを間違えたり、ボルトを締め付けすぎたりすると、設置直後からあらゆるトラブルに見舞われてしまうでしょう。
リスクの高い作業となりますので、グローエ製品の設置作業実績のある業者に依頼しましょう。
修理費用と同じく、交換に関する費用も国内メーカーのものに比べ高いでしょう。
項目 | 国内メーカー | グローエ製品 |
---|---|---|
部品代 | 1万円~ | 3万円~ |
交換費用 | 5000円~1万円 | 1万~ |
国内メーカーの交換費用は部品代を含めて2万円程度でできますが、グローエの場合ですと部品代、交換費用共に通常よりも高いため、総額も高くなると考えられます。
作業前には必ず見積もりを取り、費用の内訳や総額をしっかりと確認しましょう。
水道代が高いのは漏水が原因?業者に修理を依頼して料金はいくらかかる?
まとめ
ここまで、グローエの水栓について解説してまいりました。
世界中から高い評価を受けているドイツ製のグローエは、高いデザイン性と機能性を兼ね備えた水栓器具です。
2017年に国内業界最大手のグループ会社となったことで日本の水道規格に合った製品の開発も行うようになり、近年、日本の一般住宅の水回りにも多く採用されるようになりました。
高品質の素材を使用し、いくつもの耐久試験をクリアしてきた製品ばかりですが、一般的な水栓器具と同じように耐用年数が近くなると水漏れ等のトラブルが起こり始めてしまいます。
海外製品だと修理も大変なのではと思われていたかもしれませが、国内メーカーのものと比べても、構造や水漏れの原因に大きな違いはありません。
本記事では、水漏れの原因となりやすいバルブカートリッジやパッキン、シャワーヘッドの交換手順をお伝えしました。
お使いの水栓器具に合うパーツさえ手に入れることが出来れば、自身で修理し、使い続けることが出来るでしょう。
ただし、水栓器具自体を交換するのは簡単ではありません。
自身では行わず、グローエ製品に精通した業者に依頼した方が良いでしょう。
部品代や修理費用、交換費用は国内メーカーのものよりも高いので、作業前に見積もり金額を確認し、納得した上で依頼することが大切です。