混合栓の蛇口のパッキンを交換する方法や選ぶ時の注意点を徹底解説
一般的に混合栓の蛇口のパッキンは素人でも簡単に交換できます。
パッキンが使われているのは主に蛇口の接続部分です。
例えば蛇口スパウトと蛇口上部の接続部分や蛇口とシャワーホースの接続部分などから水漏れがある場合は、パッキンが劣化している可能性があります。
そのためホームセンターやインターネットなどでパッキンを購入して新しいパッキンと交換しましょう。
ただしパッキンの種類に注意して購入しなければなりません。
混合栓の種類によって一部のパッキンの種類が違う他、同じ蛇口内でもパッキンが使用されている場所によってパッキンのサイズや形が異なることもあります。
そのため必要なパッキンの種類をよく確かめなければなりません。
パッキンの種類を間違えると蛇口が使えなくなるため注意しましょう。
また必要な工具をすべて揃えてからパッキンの交換をすることも重要です。
最低限の工具は揃っているから大丈夫だろうと見切り発車すると、修理が終わった後に蛇口から水が溢れてしまうこともあります。
そのため自分の混合栓の修理に必要な工具とパッキンを一通り揃えてからパッキンの交換に取り掛かりましょう。
目次
パッキンのサイズと形を確認することが重要
蛇口のパッキンを交換する際は、今使っているパッキンと同じサイズと形のパッキンを用意する必要があります。
以下のようにパッキンには様々なサイズや形があるため、間違えないようにしましょう。
- サイズ…呼び径13mm、呼び径20mm
- 形…Oリング、Uパッキン、三角パッキン、コマパッキン、偏心菅パッキン
サイズは主に呼び径13mmと20mmの2種類で、家庭用の蛇口には呼び径13mmが使われていることが多いです。
ただし呼び径20mmのパッキンが使われている可能性もゼロではないため、サイズをきちんと確認することが大切です。
パッキンの種類は蛇口を分解しなくてもわかる
パッキンの種類は蛇口を分解しなくても調べることが可能です。
そのためには以下の2点を確認する必要があります。
- メーカー名
- 品番
メーカーや品番は大体蛇口の右側や正面、下部に記載されています。
もし品番が記載されていない場合はメーカーのホームページで検索してみましょう。
新しいパッキンのパッケージには、どの部分に使うパッキンなのかが記載されています。
そのためメーカー名と品番がわかれば蛇口を分解しなくても必要なパッキンを購入できます。
サイズがわからない場合は蛇口パイプを計測しよう
古い蛇口の場合は品番がわからないこともあるでしょう、
その場合は蛇口のパイプの外径をノギスで測ればパッキンのサイズがわかります。
例えば蛇口スパウトと蛇口上部の接続部分のパッキンを交換したい場合は、蛇口スパウトの根本部分のサイズを測りましょう。
壁と蛇口の接続部分のパッキンを交換する場合は、接続部分近くのパイプのサイズを計測します。
サイズを計測すれば何ミリのパッキンを選べば良いのかがわかります。
以下のサイズを参考にしましょう。
- 蛇口スパウトと蛇口上部の接続部分のサイズ…16mm(呼び径13mm)、19mm(呼び径20mm)
- 壁と蛇口の接続部分のサイズ…21mm(呼び径13mm)、26mm(呼び径20mm)
パッキンには水が漏れるのを防ぐという役割があります。
サイズを間違えると蛇口を締めても水が漏れてしまうため、ノギスで正確なサイズを測って蛇口にピッタリ合うパッキンを見つけましょう。
形を間違えると蛇口が使えなくなる
パッキンを購入する際はサイズを間違えないだけでなく、形も間違えないようにしなければなりません。
メーカー名と品番がわからない場合は蛇口のどの部分にどのパッキンが使われることが多いのかを確認して、蛇口に合うパッキンを見つけましょう。
以下でそれぞれのパッキンがよく使用されている場所を紹介します。
パッキンの形 | パッキンが使用されている主な場所 |
---|---|
Oリング | シャワーヘッドの根本 |
Uパッキン | 蛇口スパウトと蛇口上部の接続部分 |
三角パッキン | ハンドルの下 |
コマパッキン | ハンドルの下 |
偏心菅パッキン | 蛇口と壁を繋ぐパイプの接続部分 |
コマパッキンは他のパッキンと形が違うため間違うことはないでしょう。
その他のパッキンは形が似ているため、パッキンが使用されている場所と形をよく確認することが大切です。
混合栓の種類を確認しよう
自分が使っている混合栓の種類を明確にすることも大切です。
混合栓の種類によってパッキンの種類が違うこともあるからです。
特にメーカー名や品番がわからない古い混合栓の場合は、なるべく多くの情報を得る必要があります。
ここでは混合栓の種類を確認しましょう。
- ツーバルブ混合栓
- シングルレバー混合栓
- サーモスタット混合栓
ツーバルブ混合栓は洗面所や築年数が経過した家のキッチンなどによく使用されています。
シングルレバー混合栓はキッチンや洗面所で使われていることが多く、サーモスタット混合栓は主に浴室で使用されています。
ツーバルブ混合栓のパッキンが入っている場所
ツーバルブ混合栓はハンドルを捻るとお湯と水の両方が出る混合栓です。
ツーバルブ混合栓では以下の場所にパッキンが使われています。
パッキンが使われている場所 | パッキンの種類 |
---|---|
ハンドル部分 | 三角パッキン、コマパッキン |
蛇口スパウトと蛇口上部の接続部分 | Uパッキン |
蛇口と壁の接続部分 | 偏心菅パッキン |
ハンドルの下から水漏れがある場合はハンドル部分のパッキンを交換する必要がありますが、ハンドル部分には2種類のパッキンが使用されています。
どちらも同じように劣化していることが考えられるため、どちらか一方のパッキンを交換するのではなくこの機会に2種類のパッキンを交換するのが望ましいです。
シングルレバー混合栓のパッキンが入っている場所
シングルレバー混合栓は1つのレバーハンドルを動かして水とお湯の両方を出す混合栓です。
シングルレバー混合栓でパッキンが使われている場所を以下で確認しましょう。
パッキンが使われている場所
蛇口の胴体部分
パッキンの種類
Oリング、UVパッキンなど
シングルレバー混合栓ではレバーハンドルの下から水漏れをするケースが多いですが、蛇口の胴体部分から水漏れをすることもあります。
その場合はまずバルブカートリッジの劣化が疑われるため、バルブカートリッジを交換しましょう。
それでも水漏れが収まらない場合はパッキンの劣化が考えられます。
胴体部分には2種類から3種類のパッキンが使用されているため、すべてのパッキンを交換しましょう。
サーモスタット混合栓のパッキンが入っている場所
サーモスタット混合栓は左側にあるダイヤルで温度を調整し、右側のレバーで水やお湯の量を調整します。
一般的にパッキンが使用されているのは以下の4カ所です。
パッキンが使われている場所 | パッキンの種類 |
---|---|
蛇口スパウトと蛇口上部の接続部分 | Uパッキン |
蛇口と壁の接続部分 | 偏心菅パッキン |
蛇口とホースの接続部分 | Oリング |
ホースとシャワーヘッドの接続部分 | Oリング |
サーモスタット混合栓にはシャワーがついているのが一般的です。
シャワーの接続部分には大体Oリングが使用されています。
ツーバルブ混合栓のパッキン交換に必要な工具
ツーバルブ混合栓のパッキンを交換する場合はパッキンの他に以下の工具が必要です。
- ドライバー
- モンキーレンチ
- ウォーターポンププライヤー
- ピンセット
ツーバルブ混合栓は長い間使用されているケースが多く、ナットが回りにくいことも考えられます。
そのためウォーターポンププライヤーを用意しておくと良いでしょう。
モンキーレンチでは回らない固くなったナットを回すのに役立ちます。
ハンドル部分のパッキン交換
ハンドル部分の上部には三角パッキン、下部にはコマパッキンが使用されています。
2種類のパッキンの交換手順を以下で見ていきましょう。
①止水栓か元栓を締めます。
②手で蛇口の上部にあるキャップを外しましょう。
③ドライバーでビスを外し、ハンドルを取り外します。
④三角パッキンとコマパッキンを取り出します。
⑤新しい三角パッキンとコマパッキンを入れましょう。
⑥部品を外したときと逆の手順で元通りにします。
ハンドル部分には細かい部品が複数入っています。
元に戻すときにスムーズに戻せるように、部品は取り外した順番でわかりやすい場所に置いておきましょう。
蛇口スパウトと蛇口上部の接続部分にあるパッキンを交換する方法
蛇口スパウトと蛇口上部の接続部分にはUパッキンが使用されています。
Uパッキンの交換方法は次の通りです。
①止水栓か元栓を締めます。
②モンキーレンチでナットを緩め、蛇口スパウトを取り外します。
③古いUパッキンを取り出して新しいUパッキンを入れましょう。
④蛇口スパウトをつけてナットを取り付けます。
ナットが固い場合はウォーターポンププライヤーを使いましょう。
壁と蛇口を繋ぐ部分にあるパッキンの交換方法
壁と蛇口の接続部分には偏心管パッキンが使用されています。
次の手順でパッキンを交換しましょう。
①止水栓か元栓を締めます。
②モンキーレンチでナットを緩めます。
③蛇口本体を取り外し、偏心管パッキンを交換しましょう。
④蛇口本体を取り付けてナットを締めます。
ナットを締める際は手である程度ナットを回してからモンキーレンチでナットを回せばスムーズに蛇口を取り付けられます。
ツーバルブ混合栓からの水漏れを自分で修理するための準備や手順まとめ
シングルレバー混合栓のパッキン交換に必要な工具
シングルレバー混合栓のパッキンを交換するときに必要な工具を以下にまとめました。
- ドライバー
- 蛇口の固定用レンチ
- 六角レンチ
- モンキーレンチ
- ピンセット
蛇口の固定用レンチはパイプがねじれて水漏れが起こるのを防ぐために必要な工具です。
蛇口の胴体部分に入っているパッキンを交換する方法
蛇口の胴体部分には2種類から3種類のパッキンが使用されています。
パッキンを交換する際は以下の手順で交換しましょう。
①止水栓か元栓を締めます。
②ドライバーや六角レンチでレバーについているネジを外し、レバーを取り外します。
③固定用レンチを蛇口の下部に引っ掛けます。
④モンキーレンチや六角レンチを使ってナット、もしくはネジを外し、カートリッジカバーを外しましょう。
⑤カートリッジと蛇口スパウトを取り外します。
⑥古いパッキンをすべて取り外し、新しいパッキンを入れましょう。
⑦部品を外したときと逆の順番で部品を取り付けます。
固定用レンチを使う際は蛇口の下部にある穴に固定用レンチの突起部を入れるとしっかり固定できます。
シングルレバー混合水栓の水漏れを修理や交換する方法をまとめました
サーモスタット混合栓のパッキン交換に必要な工具
サーモスタット混合栓のパッキンを交換する際は以下の工具を準備しておきましょう。
- ドライバー
- モンキーレンチ
- ピンセット
サーモスタット混合栓には手で外せる部品もあります。
そのため修理をする場所によっては楽に修理できるでしょう。
蛇口とホース接続部のOリングの交換方法
蛇口スパウトと蛇口上部の繋ぎ目にあるパッキンや蛇口と壁の接続部分にあるパッキンの交換方法は、ツーバルブ混合栓の交換方法を参考にしましょう。
蛇口とホースの接続部分のパッキンを交換する手順は以下の通りです。
①止水栓か元栓を締めます。
②蛇口とホースの接続部分にあるパッキンを緩めてホースを外します。
③ネジを反時計回りに回してエルボ部分を取り外しましょう。
④古いOリングを取り出して新しいOリングを入れます。
⑤エルボ部分とシャワーホースを取り付けます。
エルボ部分は手で取り外せるケースもあります。
その場合はエルボ部分を横向きにしてから引っ張りましょう。
ホースとシャワーヘッドの接続部にあるOリングを交換する方法
ホースとシャワーヘッドの接続部分のパッキンを交換する際は以下の手順を参考にしましょう。
①止水栓か元栓を締めます。
②シャワーヘッドを捻ってシャワーヘッドを取り外します。
③ホース側にあるOリングを取り出し、新しいOリングを入れましょう。
④シャワーヘッドを取り付けます。
ホース内にはカルキ汚れなどがついていることが考えられます。
汚れはパッキンの劣化を早める原因になるため、Oリングの交換と一緒にホース内についている汚れも歯ブラシなどを使って落としましょう。
サーモスタットの水栓で起こりやすい水漏れ箇所は?交換の費用の目安
まとめ
パッキンを選ぶときは正しいサイズと形のパッキンを選ぶ必要があります。
サイズや形の違うパッキンを選ぶと水漏れが収まらないだけでなく、水漏れがよりひどくなる可能性があるからです。
古いパッキンをホームセンターに持参するのも良いですが、劣化が激しくてパッキンの種類がわからないケースも少なくありません。
そのため蛇口の外側に記載されているメーカー名と品番からパッキンの種類を突き止めましょう。
メーカー名や品番がわからない場合は、パッキンを交換したい部分のパイプの外径を計測すればパイプのサイズが明確になります。
作業をする際は水が溢れるのを防ぐために必ず止水栓か元栓を締めてから作業することが重要です。
パッキンを交換するのは難しくないため、手順通りに作業すればスムーズに交換できるでしょう。
ただしシングルレバー混合栓のパッキン交換は難易度が高いと感じる人も少なくありません。
作業中に部品が外れないなどのトラブルが起きた場合は、自分で作業するのを中断して業者に相談しましょう。