トイレタンクの水がたまらない時にチェックする箇所や考えられる原因
トイレタンクの水がたまらないことや、水がたまるのが遅いと感じることがあるかもしれません。
タンクの中が空になっているとトイレを使用できないので日常生活に支障が出てしまいます。
すぐに水道業者へ連絡したくなるかもしれませんが、原因によっては自分で簡単に対応できます。
トイレタンクに水がたまらないトラブルが発生した時、どこをチェックしたらよいのか調査してみました。
チェックすべき箇所と考えられる原因、そして原因に応じた対処方法を紹介していきます。
目次
トイレタンクに水がたまらない時のチェック箇所と原因を徹底解説
トイレを使用して水が流れないと焦るものです。
タンクに水がたまらない時にどこをチェックしたらよいのか、水がたまらない原因は何なのか解説します。
水がたまらない時に問題となる箇所を表にしたので、まずは下記をご確認ください。
チェック箇所 | 主な原因 |
---|---|
水道管 | 水道管の断裂、凍結、水道工事 |
止水栓 | 止水栓の開け忘れ |
浮き球の位置 | 浮き球が上がった状態 |
ボールタップのフィルター | フィルターが詰まっている |
ダイヤフラム | ダイヤフラムの経年劣化 |
ストレーナー | ストレーナーの目詰まり |
各チェック箇所と考えられる原因について詳しく説明していきます。
水道管
トイレタンクに水がたまらない時の最初にチェックすべき箇所は水道管です。
水道管に発生しやすい問題は以下の通りです。
- 水道管の断裂
- 水道管の凍結
- 水道工事
水道管が断裂すると、住宅へ水道が供給されないのでトイレタンクに水がたまりません。
地震があった時や水道管が劣化した時に断裂することがあります。
トンネル工事の際中に道路が陥没して水道管が破損することや大規模工事で使用される重機の振動で水道管に不具合が発生するケースも見られます。
水道管が何らかの理由で断裂すると住宅全体へ給水されないためトイレで水が使用できなくなります。
寒冷地でよくある現象として水道管が凍結することも覚えておきましょう。
凍結すると水道管が断裂してしまい、住宅へ給水が止まることがあります。
寒冷地でトイレタンクの水がたまらない時には凍結を疑ってみてください。
家の周辺で水道工事をしているために給水されないケースもあります。
水道管の交換や新設をする工事があると、水道が流れなくなります。
給水が止まる水道工事の前には水道局から連絡があるので、トイレタンクに水がたまらない時には水道局からの事前に連絡が来ていないか確認してください。
郵便受けに水道局からのお知らせハガキが入っているかもしれませんし、家族の誰かがハガキを持っているかもしれません。
水道工事がある時の断水は長い時間は続かないので安心してください。
工事の最中も水道が使えるように、たいてい仮の配水管を設置してくれます。
仮の配水管へ切り替えたり工事後に本来の配水管へ戻したりする時に断水する程度で、工事の最中は普段通り給水されます。
止水栓
トイレの止水栓が閉まっていることもタンクに水がたまらない原因になります。
掃除の時やトイレの修理の時に止水栓を閉めることがありますが、作業後に止水栓を開け忘れてしまうとトイレタンクに水がたまりません。
止水栓を開けたと思っても開度が足りないと、流れる水量が少なくてタンクにすぐ水がたまらないことがあります。
トイレの水回り作業をする時、元栓を閉めているのであれば家全体に水が供給されないのですぐ気づきますが、止水栓はトイレへの給水だけが止まるので気づきにくい箇所です。
水道業者へトイレの修理を依頼した時に止水栓を開け忘れることもあるので、タンクに水がたまらない時には確認してください。
引っ越し後も止水栓が閉まったままというケースもありますから念のために止水栓は必ずチェックしましょう。
浮き球の位置
浮き球の位置が原因のことがあります。
トイレタンクの中に水がたまる仕組みは、浮き球が下がることでボールタップが動いて給水されタンク内へ水がたまります。
定位置まで水がたまると浮き球が上がり、ボールタップが閉まって水が止まる仕組みです。
しかし何らかの理由で浮き球が浮いたままで下がらないと給水されず、トイレタンクに水がたまらなくなります。
浮き球がタンク内の壁や給水パイプへ引っかかって上がったままの状態だと水が流れません。
ボールタップと浮き球を繋げるアームが錆びて動かなくなり、浮き球が下がらないこともあります。
ボールタップのフィルター
ボールタップのフィルターが理由で、トイレタンクに水がたまらないケースも時々見られます。
水道管から流れてくる水の不純物を取り除くため、ボールタップの中にはフィルターが設置されています。
長年使用しているとフィルターの中に砂やサビがたまり、水を通しにくくなることがあります。
家の近くで水道工事があった時や、長年人が住んでいなかった家へ引っ越しした時に起こりやすい問題です。
ダイヤフラム
トイレタンクの水がたまらない時には、ダイヤフラムもチェックしましょう。
ダイヤフラムとはボールタップ内の部品で、給水パイプの水圧を調整する役割があります。
部品の内部にゴムパッキンが設置されており、ゴムパッキンが劣化してくるとトイレタンク内へ十分に給水されず、水がたまらなくなるのです。
ストレーナー
色々な箇所をチェックしても問題が分からない時は、ストレーナーが付いているトイレかどうか確認してください。
トイレのモデルによって、ストレーナー付きとそうでないタイプがあります。
ストレーナーとは、給水パイプとトイレタンクの間に設置されているフィルターです。
トイレタンクと給水パイプの接合部のナット内に、ストレーナーが設置されていることが多いです。
もしストレーナーが付いているならフィルターが目詰まりしているのかもしれません。
水道に含まれるゴミや錆び、砂などがフィルターに詰まっていることがあります。
フィルターが目詰まりしているとトイレタンクへ水が十分に供給されません。
トイレタンクに水がたまらない時の対処方法を紹介
トイレタンクに水が足らない時に、どのように対処したらよいのか考えていきます。
問題箇所を見極めた後にすべき対処方法を紹介します。
水道管の問題に対処する方法
水道管の断裂など水道管自体に問題がある時には、自治体の上水道課へ相談してください。
住宅の敷地内は民間の水道業者が対応できますが、敷地外の水道管に関わる修理や工事は自治体が対応しなければなりません。
水道管が凍結している場合、対処方法は2種類あります。
- 解凍するまで待つ
- 水道管を温める
寒冷地でよくある例ですが、朝方に水道管や敷地内の給水管が凍結してしまいます。
気温が低い夜中に水道管内部の水が凍結してしまう状態です。
水道管が凍結してしまった時の対処法は、解凍するまで待つことです。
太陽が出て気温が上昇してくるのを待ってください。
解凍するまで待てない人は水道管を温めて問題を解消できますが、無理に水道管を温めると破裂するリスクもあるので十分注意しましょう。
少しでも不安な時には水道業者へ相談してください。
自己責任となりますが自分で水道管を温める場合、どのような方法で作業ができるでしょうか。
最初に、蛇口を必ず開放してください。
蛇口を開放して作業しないと、水道管が温まった時に内部のパッキンが破損する恐れがあります。
次に水道管にタオルを巻き、ぬるま湯を注いでください。
早く温めようとして熱湯を注ぐことは、水道管を破裂させてしまうので絶対にしてはなりません。
低い温度のお湯を少しずつ注ぎ、徐々に温度を上げてきます。
水道管に巻いてあるタオルを通して段階的に水道管が温められ、内部の水道が解凍されていきます。
蛇口から水が出なくてお湯が用意できない場合、ホッカイロやドライヤーを使って温めることもできます。
ホッカイロやドライヤーを使う時でも、水道管にタオルを巻くようにしてください。
止水栓の問題に対処する方法
止水栓の問題に対処する方法は、閉まっている止水栓を開けるだけです。
しかし止水栓には3種類あり、それぞれ形状が異なります。
下の表から止水栓の種類と開け方を確認してください。
止水栓の種類と形状が分かると、トイレのどこに止水栓があるかすぐに見つけられるでしょう。
止水栓の種類 | 形状 | 止水弁の開け方 |
---|---|---|
マイナス溝型(突起あり) | 配管の接合部で溝の部分が突出している | 溝を左に回して開放する |
マイナス溝型(突起なし) | 水の部分が突出しておらず、全体が平らな形状 | 溝を左に回して開放する |
ハンドル型 | 操作ハンドルが付いている | ハンドルを給水パイプと同じ縦方向にする |
マイナス溝型の突起ありタイプも、突起なしタイプもマイナスドライバーで回すことができます。
溝の部分にマイナスドライバーを当てて左に回してください。
止水栓を開ける時の注意点は開放しすぎないことです。
開放しすぎると水が勢いよくトイレタンク内へ流れ込み、内部の部品を破損させることがあります。
ボールタップで止められずに、タンクの外へ水が流れ出してしまうこともあるので気をつけてください。
止水栓を開く時のコツは、徐々に開放することです。
タンク内へ適度な速さで水が流れることを確認しながら調整してください。
ハンドル型の止水栓は簡単に開閉ができるため、いつの間にか閉まっていたというケースがあります。
トイレタンクに水がたまらない時には、まずチェックしたい箇所が止水栓です。
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浮き球の問題に対処する方法
浮き球が上がったままの状態だとタンクの中に水がたまりません。
よくある浮き球が下がらない原因は、ペットボトルです。
節水するためにトイレタンク内へペットボトルを入れている場合、浮き球がペットボトルに引っかかり下がらなくなることがあります。
この場合の対処法は、ペットボトルを回収することです。
浮き球とボールタップを繋ぐアームが錆びて下がらないこともあります。
サビが原因の時には歯ブラシを使ってサビを落とすか、部品を交換してください。
ホームセンターやインターネットショッピングで部品を購入する際、アーム部分だけを見つけることは難しいかもしれません。
見つけられない時は、ボールタップと浮き球がセットになっている商品を買ってください。
ボールタップと浮き球を交換する手順は以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- トイレタンクの水を抜く
- ボールタップと浮き球を外す
- 新しい部品を設置する
- 止水栓を開ける
止水栓を閉める際、何回くらい回したか覚えておくようにしてください。
作業後に開放する時、同じ回数だけ回せば今までと同じ水量を給水することができます。
トイレタンクの水を抜く方法はレバーを引いて便器へ水を流すだけです。
ボールタップと浮き球を外す方法は、タンクと部品を繋げている給水パイプのナットをまず緩めます。
モンキーレンチを使って、ゆっくりナットを緩めてください。
タンク外側の給水パイプが外れたなら、ボールタップをタンクの内側へ動かしながら外していきます。
新しいボールタップと浮き球を設置する時には、ボールタップを手で固定しながらタンクの内側へ取付け、次に外側の給水パイプと繋げます。
最後に止水栓を開ける際には、開放しすぎないよう注意してください。
締めた時と同じ回数だけ回すと、ちょうどよい水量で給水できます。
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フィルターの問題に対処する方法
ボールタップ内のフィルターが目詰まりしていることが原因なのであればフィルターを掃除しましょう。
フィルターの掃除方法は以下の手順になります。
- 止水栓を締める
- フィルターロックを外す
- ボールタップからフィルターを外す
- フィルターを洗浄する
- キレイなフィルターを設置する
- 止水栓を開ける
ボールタップのモデルによって、フィルターロックが付いています。
ロックを解除した後に、フィルターキャップを左に回しながら取り外していきます。
フィルターキャップはプラスチック製で、色が付いていることが多いのですぐに見つけられるでしょう。
取り外す時は片方の手でボールタップをしっかりと押さえ、フィルターを外す時の力でボールタップが破損してしまわないようにします。
フィルターは網目状になっており、小さなゴミや砂が詰まっているので水洗いしてください。
網目を破いてしまわないよう優しく洗浄していきます。
キレイになったフィルターを再度取付け、止水栓を開ければ作業完了です。
ダイヤフラムの問題に対処する方法
ダイヤフラムが原因なのであれば、新しい部品へ交換する必要があります。
新しい部品はホームセンターやインターネットショッピングで購入できます。
今使っている部品と同じモデルを手に入れるために、便器のメーカーと型番を必ずチェックしてください。
型番が違うと形状が違うため取り付けられなかったり、正常に機能しなかったりします。
ダイヤフラムの交換方法を紹介します。
- 止水栓を閉める
- 浮き球をボールタップから外す
- ボールタップの接合ナットを外す
- ダイヤフラムを取り外す
- 新しいダイヤフラムを設置
- ボールタップと浮き球を設置
- 止水栓を開ける
ボールタップから浮き球を外す方法は、アームごと引き上げると簡単に外れます。
続いてボールタップの接合ナットを外しますが、左に回していくとナットを外せます。
ナットを外すとすぐにダイヤフラムが見えます。
ダイヤフラムを持ち上げると外せますが、経年劣化で割れていることがあるため、必ずダイヤフラムの全てのパーツを外すようにしてください。
割れたかけらが残ると詰まりの原因になってしまいます。
ストレーナーの問題に対処する方法
ストレーナーの汚れが原因でトイレタンクの水がたまらない場合、パーツを取り出して掃除してください。
パーツの取り外し方と掃除の方法は以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- トイレタンク側のナットを緩める
- ストレーナーを取り出す
- ストレーナーを掃除する
- キレイなストレーナーを設置
- ナットを締める
- 止水栓を開ける
ストレーナーは給水パイプとトイレタンクの接合部分に設置されています。
トイレタンク側のナットを緩めるとストレーナーを取り出せます。
歯ブラシを使って水で丁寧に洗ってください。
ナットを緩めたり締めたりする作業はモンキーレンチだけで行えます。
まとめ
トイレタンクの水がたまらない時に、まずチェックする箇所は水道管です。
水道管に断裂や凍結がないか確認したり、家の周辺で水道工事が行われていないかチェックしたりしてください。
次にトイレ内の止水栓が閉まりっぱなしになっていないかを見ます。
止水栓は種類によって形状や開け方が違うので気をつけましょう。
もし止水栓に問題が無いのであれば、トイレタンク内の浮き球の位置をチェックしてください。
浮き球が上がったままだと水が給水されません。
ボールタップと繋げているアームが錆びていないか、節水のために入れているペットボトルに浮き球が引っかかっていないかを確認しましょう。
他にもボールタップのフィルターやストレーナーが目詰まりしていないかをチェックし、ダイヤフラムが経年劣化していないかも確認してください。