天井からの水漏れは何が原因?業者の修理費用の相場や応急処置の方法
天井から水漏れした場合、考えられる原因はいくつかあります。
最も疑わしいのは雨漏れですが、集合住宅では上階に問題があるケースも珍しくないです。
また、水道管の破裂が水漏れを引き起こすこともあります。
いずれにしろ天井からの水漏れは緊急性が高いため、すぐに適切な応急処置を施さなければいけません。
放置していると天井だけでなく床や壁、家財にまで被害が及ぶこともあるため、水を食いとめる対処をおこないましょう。
天井から水漏れした際に知っておくべきことを解説します。
目次
天井から水漏れする原因は?
天井からの水漏れは珍しいことではなく、案外発生することの多い水漏れになります。
水漏れの原因はいくつかありますが、天井からの場合、他の箇所における水漏れとは少し理由が異なるのが特徴です。
よって天井からの水漏れに合った対処法を知っておくことが大事です。
天井からの水漏れは被害が広がりやすいため、気が付いたら早めの対策が求められます。
考えられる水漏れ原因について見ていきましょう。
雨漏り
天井からの水漏れ原因としては、雨漏りが多いです。
雨漏りの場合、水栓ではなく建物自体の問題になるため、修理の依頼先は水道業者ではなくハウスメーカーや工務店などになるでしょう。
建物はある程度築年数が経過すると、経年劣化します。
木造住宅ですと築30年も経つ頃にはだいぶダメージが蓄積されるため、住宅のさまざまな箇所に不具合が生じやすくなります。
外壁や天井もその一つです。
防水加工していたコーディングの効き目がなくなったり、外壁自体に亀裂などが生じることで、外部の雨水が浸入してしまいます。
雨漏りが生じたままにしておくと生活にも大きな影響を及ぼすため、修理が必要です。
天井にシミが出来ている場合も雨漏りしている可能性がありますので、まだ水漏れしていない状態でも注意しておくべきでしょう。
雨漏りの判断方法と生じやすい物件
雨漏りが原因の場合、水漏れが発生するのは雨の日に限られるため、ある意味分かりやすいです。
また築年数が古い物件も、雨漏りによる水漏れの可能性が高いですから、築年数も判断材料です。
他にも以下のような家は雨漏りしやすい要素があります。
- 壁に凹凸が多い
- 屋根に軒がない
- 複雑な形状の屋根
また、凝ったデザインや凹凸が多い外壁は、つなぎ目が多いです。
つなぎ目は元々弱い部分ですから、つなぎ目の数が増えればその分雨漏りが生じやすくなります。
上階からの水漏れ
天井からの水漏れですと、原因が自分の部屋ではなく上階にあることも考えられます。
上階に水回りの設備がある場合なら、水トラブルの発生で下の階に影響を与える可能性はゼロではないです。
長年の使用で設備は老朽化します。
たとえば浴室水栓のパッキン劣化やトイレタンク内フロートバルブの故障などはよくある水漏れ内容です。
このような単純な理由で起こるちょっとした水漏れでも、気づくのが遅れてしまうと床に浸水してしまい、下階まで達してしまうことがあります。
よって、上階で何らかの水トラブルが発生していないか疑いましょう。
不注意が原因となることも
上階からの水漏れにおいて、必ずしも水トラブルが原因とは限りません。
水回りの設備にどこも異常がなくても、不注意が水漏れを引き起こしている可能性もあります。
よくあるケースとしては水の出しすぎです。
浴槽にお湯を溜めているのを忘れたまま時間が経過し、気づいたときにはお湯が溢れていたなどです。
急激に水を大量に使用した場合などは、排水が追い付かないですから、下階に影響が出てきます。
他にもバルコニーの掃除をしていて水を流したところ、下階に流れてしまったというケースもよくあるパターンです。
設備不良ではなく、入居者の過失による水漏れになりますので、まずは上階の人が水を使用していないか確認するとよいでしょう。
可能であれば直接話を聞きに行くのがベストですが、難しいようなら水道メーターの動きで確かめることもできます。
水道管の経年劣化
それほど多いケースではないですが、水道管の経年劣化が原因となっている場合もあります。
経年劣化により水道管が破裂すると、当然水が溢れ出ます。
大量の水が漏れ出てくるため、水道管の不具合ですと下階に影響を及ぼしてしまうでしょう。
また経年劣化ではなく、冬場などは凍結によって破裂することもあります。
水道管内部が膨張してしまうため、つなぎ目部分などから破裂を引き起こしやすいです。
他にも地震など自然災害によって強い衝撃を受けた時も、水道管に不具合が生じるリスクがあります。
水道管に問題がある際は目に見えない部分で生じているため分かりにくいのですが、雨漏りや上階で水漏れが起こっていないようなら、水道管の不具合を疑ってみましょう。
天井から水漏れした際の応急処置法
天井からの水漏れに気が付いたら、とりあえず応急処置が必要です。
業者を呼ぶにしても、到着までにはそれなりの時間がかかります。
その間何も対策せず放置してしまうと、被害はどんどん広がり、対処が大変になります。
また単に片付けが大変なだけではなく、水漏れ範囲が広がるとその分費用面での損失も大きくなりやすいです。
よって適切な応急処置を施し、被害を最小限で食いとめるようにしましょう。
大事な家財道具を動かす
まず、天井からの水漏れが家財にかかってしまうようなら、速やかに場所を移動させましょう。
たとえばテレビなどの家電は、水がかかってしまうと故障します。
他にも高価な装飾品など、水に濡れてしまうのが嫌なものが近くにあるようなら、場所を移した方が無難です。
天井からの水漏れによる家財の損傷は、二次被害です。
不具合が生じた水道設備に関しては修理費用を賄えたとしても、二次被害分まで出費が伴うと負担が倍増しますから、出来るだけ守る必要があります。
もし重い家財で場所を動かすのが難しいようなら、応急処置として傘をさしておきましょう。
バケツの設置と掃除
家財を動かして、水が落ちてくる場所に物がない状態にしたら、水を受けるものを用意しましょう。
大きめのバケツが役立ちます。
水が落ちる箇所にバケツを設置し、その下にはさらにレジャーシートなどを敷いておくとベストです。
昔ながらのやり方ではありますが、一時的に水を食いとめることはできるため、業者が到着するまでの時間稼ぎにはなります。
もし床が濡れてしまった場合には、拭き掃除もおこないましょう。
手順としては、以下です。
- 乾拭き用の雑巾を用意する
- 雑巾でしっかりと水を拭きとり、濡れた床を乾かす
- もし汚水で床が濡れた場合は、乾拭き後にアルコール消毒をおこなう
- 再度床が乾けば完了
汚水は放置すると雑菌が繁殖しますので、きちんとアルコールで消毒をしておくのがポイントです。
エタノールスプレーなどがドラッグストアに売られていますので、そちらを活用しましょう。
水漏れを放置しているとどうなるの?
床が濡れてしまった場合、そのまま放置してはいけません。
水漏れを放置してしまうと腐敗が進み、状態が酷いと床の張り替えをしなければいけなくなります。
また、カビの心配もあります。
カビが繁殖してしまうと朽ちやすくなりますし、健康被害の懸念も出てくるでしょう。
もう一つ心配なのがシロアリ被害です。
シロアリは湿気を好むため、水漏れにより濡れた木材は恰好の餌食です。
被害に合うと住宅に大きなダメージをもたらし、最悪の場合は倒壊などのリスクも抱えることになります。
水漏れの二次被害でここまでの状態に陥るのは稀ではあるものの、放置しておくメリットはないため早めに後片付けをおこないましょう。
元栓や給湯器の止水栓を閉める
水漏れの原因が分からない場合、とりあえず水道の元栓を閉めておきましょう。
雨漏りによる水漏れや他の部屋で水漏れが発生しているのであれば無意味ですが、もし水道管の破裂が原因だった場合は元栓を閉めておくのが有効です。
元栓を閉めることで家庭内に水が供給されなくなるため、水漏れによる二次被害を押さえることができます。
また、給湯管の劣化が水漏れ原因となっている場合は、給湯器の止水栓を閉めておくとよいでしょう。
水漏れした箇所が温かいかどうかで、水とお湯のどちらが漏れているのかを判断しましょう。
水道管の元栓と給湯器の止水栓の場所は以下になります。
水道の元栓の一般的な設置場所 | 給湯器の止水栓の設置場所 |
---|---|
一戸建ての場合は屋外道路そばの地中 マンションなど集合住宅は玄関横のPS内 | 給湯器本体の下部分 |
水道管の元栓は、住宅のタイプにより設置場所が異なるため、探すのに少し手間取るかもしれません。
集合住宅はPS内に収納されていることもありますが、建物内に専用の部屋があり、他の部屋の元栓と一緒にそこで管理されている場合もあります。
また戸建てと同様に外の地中に埋まっている場合もあるので、一つずつ確認していきましょう。
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防水テープで補修
水道管破裂による水漏れで、破損箇所が特定できるようなら防水テープを活用しましょう。
防水テープはホームセンターなどでさまざまな種類が売られています。
太さも色々な種類がありますので、状況に応じて選ぶとよいでしょう。
防水テープを巻いておくことで、一時的に水漏れを抑えられるため、しっかりと修理をおこなうまでのつなぎになります。
貼る際のコツとしては、事前に周囲の汚れを綺麗にしておくことです。
汚れが付着した状態で貼ってしまうと持ちが悪く、すぐにまた水漏れを引き起こしやすくなります。
またテープは一気に剥がすのではなく、都度少しづつ出すようするのも、綺麗に貼るためのポイントです。
出来るだけ空気が入りこまないよう、ピンとなるように巻き付けましょう。
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業者や管理会社へ連絡する
水漏れの応急処置が終わり一旦状況が落ち着いたら、業者や管理会社へ連絡を入れましょう。
自身が所有している一戸建てであればそのまま修理業者を呼んでしまって問題ありません。
信頼できる業者を呼び、修理対応してもらいましょう。
賃貸など集合住宅の場合は勝手に業者へ連絡する前に、管理会社に問い合わせをおこなう必要があります。
修理業者が決まっている場合もあり、付き合いの深い業者に頼んだ方がスムーズに修理できるからです。
自分で勝手に業者を呼び修理してしまうと、確実に修理が遂行できたのか管理側として判断ができなくなってしまいます。
退去の際など揉める要因になりやすいですから、管理会社の指示を仰ぐようにしましょう。
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天井からの水漏れを修理した場合の費用は?
天井から水漏れした場合は自分で修理できる範疇を超えています。
業者に依頼する必要が出てきますが、その際に気になるのは費用でしょう。
実際修理で生じる費用としてはケースバイケースです。
たとえば水道管からの水漏れであれば、破裂した水道管を敷き直す工事をおこなうことになります。
一方雨漏りが原因ですと補修費用がかかりますし、状態が悪ければ屋根の張り替えなど大規模な工事を余儀なくされるケースもあります。
また業者によって料金設定もバラバラですから、水漏れした際の相場を一概には説明できません。
とはいえ天井の修理という部分にのみ着目した場合、相場はある程度決まっています。
よって天井修理の相場について深堀してみましょう。
通常の修理にプラスしてクロスの張り替え費用が発生
天井からの水漏れですと、水漏れ原因を直す修理にプラスして、被害が生じた天井を直す修理が必要になります。
天井修理は状態次第にもなりますが、おおよその相場としては3万円~18万円程度です。
クロスの張り替え作業程度で収まればこのくらいの金額で済みますが、被害が天井板などにまで及んでいる場合はもっと予算がかかります。
以下に天井修理をおこなった際の費用目安について記載します。
天井補修における修理内容 | おおよその費用相場 |
---|---|
コーティングによる屋根の補修 | 10万円~50万円 |
屋根の交換 | 50万円~150万円 |
外壁塗装 | 30万円~150万円 |
屋根の下地補修 | 30万円~120万円 |
被害の範囲次第で修理費用は大きく異なる
天井修理をおこなう場合、コーティングによる補修程度で済めばそれなりに金額は抑えられます。
しかし屋根本体の交換や外壁の張り替えなどが必要になると、費用は大幅にアップします。
また補修工事を実施する範囲も、金額が変わる要因です。
たとえば屋根を交換する際も、一部だけの交換で済むのか全体の交換が必要かによって修理費用は大きく変わってしまいます。
修理範囲が広くなるほど費用は高くなるため、万一天井から水漏れした場合はなるべく早めに対処することが非常に大事です。
責任の所在が自分に無い場合は賠償を受けられる可能性も
一戸建ての場合は天井からの水漏れ修理費用は全て自己負担です。
一方でマンションや賃貸ですと、責任の所在次第では修理費用を支払う必要がありません。
持ち家のマンションでは、専有部分の水漏れ修理は基本的に自己負担になりますが、共有部に関しては管理組合の負担となるのが一般的です。
よって上階の専有部から水漏れが発生した場合ですと、上階の住居人に責任の所在が生じることになります。
賃貸の集合住宅ですと、個人の過失なら住居人の負担となるケースがほとんどです。
老朽化など過失以外の場合は大家さんなど管理側に責任があります。
いずれにしろ集合住宅ですとこのような事態に備えて、保険に加入しているはずです。
保険が適用されれば被害にあった際に負担なく修理を受けられるため、契約時に入った保険の規約を確かめてみましょう。
火災保険と個人賠償責任保険
水漏れした場合の修理費用や家財の損害代を賄える保険として、火災保険と個人賠償責任保険があげられます。
通常火災保険では、火災による損害しかカバーされません。
しかし火災保険の住宅総合保険というタイプに加入している場合ですと、水害や水漏れなど幅広い損害に適用されます。
ただし住宅総合保険で賄えるのは床などの修理費用のみのため、家財などに被害が及んでもそこまではカバーしきれません。
一方で個人賠償責任保険では、自室が原因で階下に被害が及んだ場合、階下の住人が所有している家財道具などの損害も補償されます。
よって自分が被害者となった場合、相手が損害賠償責任保険に加入していれば、二次被害における費用負担も補える可能性があるでしょう。
まとめ
天井から水漏れする原因はいくつかありますが、雨の日や築年数の古い物件で水漏れが発生した場合は雨漏りが疑われます。
雨漏りの場合は水回り設備とは関係なく水漏れが発生しているため、雨漏り修繕工事をおこなう必要があるでしょう。
水道管破裂などが原因となっている場合は、水道管修理費用にプラスして、被害が生じた天井の張り替え作業などが発生します。
また、天井からの水漏れは自分自身に責任があるとは限りません。
集合住宅ですと上階に問題が発生している可能性も考えられ、その場合は責任の所在が誰にあるかという点が重要です。
加入している保険によっては修理費用や家財の損害費用を賄えることもあるため、管理会社や上階の住人と話し合いを進めていくことになるでしょう。
いずれにしろ早めに対処することで水漏れ被害を最小限に抑えられますので、適切な応急処置を施しましょう。